SOEC共電解とFT合成装置を活用した一気通貫プロセスでの液体合成燃料製造の実証に成功
◆ SOEC共電解で合成燃料の原料となる水素と一酸化炭素を同時に製造するため、プロセス簡素化と高効率化によるコスト削減が可能
◆ 航空機、⾃動⾞、船舶、都市ガス等向けカーボンニュートラル合成燃料製造の実現と脱炭素化に貢献

三菱重工業はこのたび、当社総合研究所長崎地区にて、二酸化炭素と水と電気から液体燃料を合成する⼀貫製造プロセスの実証を行い、液体合成燃料を一気通貫で製造することに成功しました。本プロセスでは、SOEC共電解※1によって水素と一酸化炭素を生成し、これらを原料として、FT合成※2装置で液体合成燃料を製造します。合成された液体燃料を分析した結果、持続可能な航空燃料(SAF)に適した成分が得られることを確認しました。
SOEC共電解は、水蒸気のみならず二酸化炭素も電気分解し、合成燃料の原料となる水素と一酸化炭素を同時に生成することが可能です。また、当社は、独自技術の円筒形セルスタック※3を開発しています。このセルスタックで共電解を行うことで、プロセスの簡素化と、高効率な電解による経済性の向上が期待でき、コスト競争力の高い合成燃料の製造が可能になります。
国際⺠間航空機関(ICAO)は、国際航空分野におけるCO2排出量を2050年までにネットゼロとする⽬標※4を掲げています。その達成においては、SAFなどの低炭素燃料と炭素クレジットが7割以上となる⾒込みのため、今後、世界的にSAFの需要が⼤きく拡大する⾒通しです。当社はSOEC共電解と既存のFT合成プロセスを組み合わせた一貫設備を通じて、付加価値の高いSAF製造装置の提供を目指します。
また、SOEC共電解で生成される水素と一酸化炭素は、SAFのほか、自動車や船舶向けのカーボンニュートラル合成燃料(ガソリン、ディーゼル、メタノール、メタン)、都市ガス(メタン)の原料にもなります。このようにSOEC共電解の技術は適用先が多数あることから有望であり、脱炭素社会の実現に向けて多様な選択肢を提供することが可能です。
三菱重工業は今回の実証で得られた知⾒を生かし、脱炭素技術の早期確立および社会実装を図るとともに、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。


※1 SOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell:高温水蒸気電解)共電解は、固体酸化物を電解質に用いて、二酸化炭素と水蒸気を同時に高温で電気分解する技術。詳しくは以下をご覧ください。
https://www.mhi.com/jp/technology/review/pdf/623/623040.pdf
※2 FT(Fischer-Tropsch:フィッシャー・トロプシュ)合成は、水素と一酸化炭素を化学反応させて、液体の炭化水素などを生成する技術。ドイツの化学者フランツ・フィッシャーとハンス・トロプシュの名前に由来。
※3複数のセラミック機能膜を円筒形に成型したもの。詳しくは以下をご覧ください。
https://www.mhi.com/technology/review/sites/g/files/jwhtju2326/files/tr/pdf/621/621030.pdf
※4 ICAOの目標について、詳しくは以下をご覧ください。
■三菱重工業株式会社
ウェブサイト:https://www.mhi.com/jp/
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