南スーダン:政府軍が国境なき医師団の病院を空爆──反政府勢力地域での医療援助が困難に

南スーダン東部・ジョングレイ州ランキエンで2月3日夜、国境なき医師団(MSF)の病院が南スーダン政府軍による空爆を受けた。この攻撃によりMSFのスタッフ1人が軽傷を負ったほか、病院の主要な倉庫が破壊され、医療援助に不可欠な物資の大半が失われた。
また、同じくジョングレイ州にあるピエリのMSFの医療施設が同日午後、何者かの集団による略奪を受けた。ランキエンとピエリのMSFスタッフは地域住民とともに避難を余儀なくされており、安否不明な状況だ。
25万人の地域唯一の医療提供機関だったMSF
MSFはランキエンへの攻撃の可能性に関する情報を入手しており、状況の緊張の高まりを受け、攻撃の数時間前にランキエン病院から患者を病院から移動させていた。
MSFのオペレーション・マネジャーを務めるグル・バドシャはこう話す。
「MSFは全ての施設に関して、その位置を示すGPS座標を政府や他の紛争当事者と共有しています。彼らからは、MSFの施設の場所を認識しているとの確認を受けていました。南スーダン政府軍は、この国で空爆を行える武力を持つ唯一の組織です。一方、ピエリにあるMSFの医療施設はランキエン病院への空爆の数時間前に略奪を受け、地域住民のための活動ができなくなりました」
MSFはランキエンとピエリで約25万人の人びとに医療を提供する唯一の団体だった。これらの地域のMSF施設に対する攻撃は、地域住民が医療を受けられなくなることを意味する。

南スーダン政府が続ける、人道アクセスの制限
バドシャはこう話す。
「現在の状況を踏まえ、私たちは南スーダンのスタッフと医療施設の安全を守るため、必要な決断を下さなければなりません。南スーダンにおける医療ニーズは甚大ですが、攻撃の標的になることは容認できません。MSFは現在の南スーダンで43年間活動しており、この間、国内のさまざまな州や地域で数百万人の人びとを治療してきました」
今回の空爆は、南スーダン政府が昨年12月以降、ジョングレイ州の反体制派支配地域の一部に課している人道アクセスの制限に続くものだ。こうした制限により、MSFは地域社会に必要な医療支援を提供する能力が制限され、子どもや妊婦、慢性疾患や命を脅かす症状を抱える人びとにとって、深刻な影響を与える恐れがある。
2025年、MSFは8回の標的型攻撃を受け、上ナイル地方の2つの病院の閉鎖を余儀なくされ、ジョングレイ州、上ナイル州、中央エクアトリア州では一般的な医療活動の停止を余儀なくされた。
<南スーダンにおけるMSFの活動>
MSFは1983年から南スーダン(当時のスーダン)で活動し、同国最大の医療・人道援助団体の一つであり続けている。現在7つの州と2つの行政区で活動し、2025年には83万件以上の外来診療、1万2000件の手術を含む9万3000人以上の入院治療、10万7000人の子どもの栄養失調のスクリーニング検査を行ったほか、国全体で重症患者の搬送を行った。
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