​【新刊案内】初めての人も、技術者も理解できる 超音波接合の基礎とアルミニウム合金・異種金属接合への応用 園家 啓嗣 著 発行:(株)シーエムシー・リサーチ

固相接合技術として有望の超音波接合の基礎と応用を解説しているのは本書だけ!

CMCリサーチ

材料科学や化学、半導体関連の先端技術やその市場動向に関するレポート発行やセミナー開催を行う(株)シーエムシー・リサーチ(東京都千代田区神田錦町、https://cmcre.com/)では、このたび「初めての人も、技術者も理解できる 超音波接合の基礎とアルミニウム合金・異種金属接合への応用」と題する書籍を2020年7月30日発行いたしましたので、お知らせします。
書籍の定価は、70,000円+消費税(書籍)、書籍とCDセットの定価はセット80,000円 + 消費税(書籍+CD)となっており、ご購入受付中です。書籍目次の詳細や販売については以下の弊社サイトをご覧ください。
 https://cmcre.com/archives/63155/
【新刊案内】初めての人も、技術者も理解できる 超音波接合の基礎とアルミニウム合金・異種金属接合への応用
The Basic Knowledge of Ultrasonic Welding and Application to Aluminium Alloys and Dissimilar Materials Welding

◎刊行に当たって

超音波接合は、J.B.Jonesがアルミニウムのスポット溶接の溶接性向上および溶接前処理の簡素化に超音波を応用する研究中に、偶然に超音波だけでも溶接が行われるというヒントを得て以来開発されてきたものである。超音波は、人には聞こえない周波数が20kHz以上の音波で、いろいろな分野で広く適用されている。例えば魚群探知機、治療などの超音波検査いわゆるエコー検査、超音波洗浄、殺菌などである。工業的に見ると、切削・切断、ドリル加工、砥粒加工などに適用されている。また、接合では、ICチップ、ハーネスなどの微小部品の接合で超音波が適用されている。最近、超音波接合を用いて、パワーモジュール、フリップチップなどのように微細な金属部材を高精度で接合できるようにもなってきており、超音波接合はこれからの有望な固相接合技術だと考えられる。更に、今までは難しいと言われていた厚みのある材料にも超音波接合が適用できる目安が立っている。
アルミ合金やCFRPの超音波接合は新しい技術として、今後、軽量化が進む自動車、航空機、鉄道車両関係および電子部品などで広く適用されていくと考えられる。アルミ合金/鉄鋼などの異材超音波接合についてはまだ不明な点も多く、これからの新しい技術であると考えられる。
本書は、現場の接合技術者、設計技師、これから接合関係の分野に進む予定の学生を対象として、超音波接合の基礎知識からその応用までを説明してある。今までの出版物では超音波を利用した加工技術全般について説明したものがほとんどであり、超音波接合を主に解説したものはない。従って、本書は超音波接合に絞ってその技術について詳細に解説した。本書では、超音波接合の基礎的な知識(超音波の基礎、超音波接合装置構成)、接合方法について説明した。また、超音波接合装置の設計にも触れた。更に、アルミニウム合金などの金属やCFRPの超音波接合、これから必要になるアルミニウム合金と鉄鋼などの異材接合についても、筆者が今まで超音波接合関係で研究してきた専門的な内容(アルミニウム合金、鉄鋼/アルミ合金の異材など)まで幅広く、図表を用いてわかり易く説明した。
1章では、超音波の概要、超音波の気体、液体、固体中の挙動、固有振動や共振、超音波の医学や工学での適用例について説明してある。
2章では、超音波振動を発生させる振動子(水晶、圧電セラミックス、磁性材料)やその原理、超音波振動系を駆動させる電気回路などについて説明した。また、超音波の測定法についても述べてある。更に、振動ホーンなどの超音波振動系の設計もできるように解説してある。
3章では、先ず各種接合法についての説明、およびその中での超音波接合の位置付けについて説明している。次に、超音波接合の概要、接合のメカニズムについて説明した。そして、超音波ワイヤボンデイングなどの超音波接合の実施例を紹介した。プラスチックの接合に用いられる超音波溶着についても概要、メカニズム、適用例などについて述べた。
4章では、比較的大きい厚肉のアルミニウム合金へも超音波接合が適用できるように、筆者らが開発したハイブリッド固相接合装置の構成について説明した。また、本装置を用いて接合条件(加圧力、振幅、接合時間)に対する基礎的な特性を検証した。更に、本装置を用いて接合したアルミニウム合金(丸棒、パイプ)の挙動について説明してある。軟鋼パイプの接合例も紹介した。
5章では、筆者らがハイブリッド固相接合装置を用いてアルミニウム/鉄鋼の厚肉の異種金属の接合を実施した内容について、接合メカニズムも含めて紹介してある。Agなどのインサート金属を用いた場合についても述べた。
園家 啓嗣

■ 発 刊:2020年7月30日発行
■ 著 者:園家 啓嗣
■ 定 価:本体価格 70,000円 + 消費税
  本体 + CD セット 80,000円 + 消費税
■ 体 裁:A4判・並製・240頁
■ 編集発行:(株)シーエムシー・リサーチ
 ISBN 978-4-904482-82-7

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【著者紹介】
園家 啓嗣
ソノヤラボ(株) 代表 / 山梨大学 名誉教授 工学博士、技術士(金属)、International Welding Engineer (IWE)、 環境マネジメントシステム(ISO14001)審査員補

【経 歴】
1977年 大阪大学大学院 修士課程修了
1977年 石川島播磨重工(株)(現 IHI)勤務

 


2006年 産業技術総合研究所 客員研究員
2007年 芝浦工業大学教授
2009年 山梨大学 教授
2018年 ソノヤラボ(株) 代表

【研究歴】
企業、大学で、接合技術(アーク溶接、レーザ溶接、接着、超音波接合、摩擦攪拌等)、表面処理技術(溶射、めっき等)、金属材料、 ライフサイクルアセスメント(LCA)などの研究開発を行ってきた。

【所属学会】
溶接学会、溶射学会、表面技術協会

【著 書】
「溶射技術とその応用」、「環境圏の新しい燃焼工学」「レーザ加工の基礎とその応用」「抵抗スポット溶接技術の基礎とアルミ合金・異材接 合への応用」など

【本書の構成および目次概要】

第1章 超音波の基礎
1. 超音波の概要
2. 超音波の性質
 2.1 気体、液体および個体中の超音波の挙動
 2.2 反射と回折
 2.3 固有振動数および共振
 2.4 キャビテーション現象
3. 超音波の適用例
 3.1 威嚇、防除
 3.2 超音波洗浄
 3.3 超音波溶着
 3.4 超音波による薬液噴霧
 3.5 超音波による距離計測
 3.6 体外衝撃波結石破砕
 3.7 超音波霧化分離
参考文献

第2章 超音波の発生、測定方法および振動系の設計
1. 超音波振動を発生させる振動子
 1.1 水晶振動子
 1.2 ランジュバン型水晶振動子
 1.3 誘電体および電歪現象
 1.4 圧電セラミックス製の超音波振動子
 1.5 ボルト締めランジュバン振動子の種類
 1.6 磁性体と磁歪振動子
2. 超音波振動系を駆動させる電気回路
 2.1 機械振動
 2.2 電気振動
 2.3 機械振動と電気振動との対応
 2.4 超音波振動系の等価電気回路
  (1) 超音波振動子の駆動時の等価電気回路
  (2) 共振時の等価電気回路
3. 実際の超音波発振回路
 3.1 PLL発振回路
 3.2 増幅回路
 3.3 定電流制御回路
 3.4 整合回路
4. 超音波に関する測定
 4.1 感度の測定
 4.2 音場(音波の存在する空間)の測定
  (1) 超音波用受波器
  (2) 光学的測定
 4.3 超音波出力の測定
  (1) 電気的測定
  (2) 熱量的測定
 4.4 個体表面の振動測定
  (1) 電気的測定
  (2) 光学的測定
5. 超音波振動の伝搬および振動系の設計
 5.1 超音波振動の伝搬と振動モード
  (1) 振動系の具体例
  (2) 振動系の振動モード
 5.2 超音波振動ホーンの設計
  (1) 波動方程式
  (2) 波動方程式の一般解
 5.3 振動ホーンの性能
  (1) 縦振動ホーン
  (2) 曲げ振動ホーン
  (3) ねじり振動ホーン
参考文献

第3章 超音波接合技術
1. 各種接合法
 1.1 機械的接合
 1.2 冶金的接合
  (1) 融接(溶接)
  (2) 圧接
  (3) ろう接
2. 超音波接合の概要
 2.1 金属の超音波接合
  (1) 超音波接合装置
  (2) 超音波接合のメカニズム
  (3) 超音波接合の実施例
 2.2 プラスチックの超音波溶着
  (1) 超音波溶着機
  (2) 超音波溶着の原理
  (3) 溶接方法
  (4) 超音波溶着の溶接以外への適用
  (5) 超音波溶着の適合性
  (6) 超音波溶着の応用例
 2.3 異種金属の超音波接合実施例
  (1) アルミニウム合金/鉄鋼
  (2) アルミニウム合金/ステンレス鋼
  (3) 純アルミニウム/ステンレス鋼
  (4) 純アルミニウム/銅
  (5) チタン/ステンレス鋼
  (6) チタン/他の金属
  (7) セラミックス/金属
 2.4 ガラス繊維強化熱可塑性プラスチックの超音波接合
  (1) 超音波接合可能領域
  (2) 接合部の強度
  (3) 強化法および継手形状の接合強度に及ぼす影響
  (4) 接合のメカニズム
参考文献

第4章 厚肉アルミニウムへの超音波接合の応用
1. はじめに
2. ハイブリッド固相接合装置の開発
 2.1 ハイブリッド固相接合装置の試作
 2.2 加熱システム
 2.3 加振システム
 2.4 加圧システム
3. 超音波ホーンの最適化と製作
 3.1 固有振動数と共振
 3.2 振動特性を考慮した超音波ホーンの設計・製作
 3.3 市販ホーンと試作ホーンの振幅比較
4. 超音波振動
 4.1 ボルト締めランジュバン振動子
 4.2 超音波発振回路
 4.3 超音波振動の伝送
5. ハイブリッド固相接合装置開発のまとめ
6. 超音波接合条件と接合強度の相関性
 6.1 供試材および実験方法
  (1) 供試材
  (2) 接合装置
  (3) 接合実験方法
  (4) 接合強度の測定方法
 6.2 接合強度に及ぼす超音波振動の影響
 6.3 接合強度に及ぼす合温度の影響
 6.4 接合強度に及ぼす接合時間の影響
 6.5 接合強度に及ぼす加圧力の影響
 6.6 接合強度に及ぼす超音波振幅の影響
7. 接合部における酸化挙動
 7.1 供試材および実験方法
 7.2 陽極酸化皮膜生成方法
 7.3 接合部の断面ミクロ観察
 7.4 EDXによる元素分析結果
 7.5 接合部近傍の塑性流動
 7.6 超音波接合のメカニズム
  (1) 加圧力の役割
  (2) 振動力の役割
  (3) 熱エネルギー
  (4) 接合のメカニズム
8. チタン箔のインサートを用いたハイブリッド固相接合
 8.1 供試材および接合条件
 8.2 接合強度に及ぼす超音波振動の影響
 8.3 超音波振動が酸化皮膜へ及ぼす影響
 8.4 超音波振動が接合部近傍組織へ及ぼす影響
 8.5 超音波振動が接合部の元素拡散へ及ぼす影響
9. ハイブリット固相接合装置を用いたA6061アルミニウム合金の接合
 9.1 供試材および接合条件
 9.2 A6061 接合材の接合強度
  (1) インサート材を用いない超音波接合
  (2) インサート材を用いた超音波接合
10. アルミニウム合金パイプ材の接合
 10.1 供試材および接合条件
 10.2 接合強度に及ぼす接合温度の影響
 10.3 接合強度に及ぼす加圧力の影響
11. Zn箔インサート材の接合強度への影響
 11.1 供試材および実験方法
  (1) 供試材
  (2) 接合装置
  (3) 接合実験方法
  (4) 接合強度の測定方法
  (5) 接合界面の断面ミクロ観察
 11.2 実験結果および考察
  (1) 接合体の引張試験結果
  (2) 引張試験後の外観
  (3) 引張破断面の形態
  (4) 接合部界面の断面観察
  (5) 超音波接合のメカニズム
  (6) Zn箔インサートの有効性
 11.3まとめ
12. ハイブリッド固相接合の軟鋼パイプ材への応用
 12.1 実験方法
  (1) 供試材および実験方法
  (2) 接合装置
  (3) 超音波接合実験方法
  (4) 接合強度測定および接合部断面観察
 12.2 実験結果
  (1) 超音波接合試験結果
  (2) 超音波接合部の引張試験結果
  (3) 超音波接合部の断面観察結果
  (4) 結果のまとめ
 13. 今後の展望
参考文献

第5章 アルミニウム/鉄鋼の厚肉異種金属接合への超音波接合の応用
1. はじめに
2. 供試材および接合条件
3. 接合強度に及ぼす接合温度の影響
4. 接合強度に及ぼす超音波振動の影響
5. インサート金属を挿入した接合部の断面ミクロ
 5.1 インサート金属を使用しない場合
 5.2 Ag箔をインサート金属として使用する場合
 5.3 Cu箔をインサート金属として使用する場合
 5.4 Ti箔をインサート金属として使用する場合
6. インサート金属を挿入した接合部の引張試験後の破断面
 6.1 インサート金属を使用しない場合
 6.2 インサート金属を使用する場合
  (1) Ag箔の場合
  (2) Cu箔の場合
  (3) Ti箔の場合
7. Ag箔インサート材の超音波接合に及ぼす影響
 7.1 アルミニウム側の共晶反応による接合
 7.2 鉄鋼側の元素拡散による接合
8. Cu箔インサート材の超音波接合に及ぼす影響
 8.1 アルミニウム側の共晶反応による接合
 8.2 鉄鋼側の元素拡散による接合
9. Ti箔インサート材の超音波接合に及ぼす影響
 9.1 アルミニウム側の接合
 9.2 鉄鋼側の元素拡散による接合
10. まとめおよび今後の展望
参考文献 索引

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上場
未上場
資本金
-
設立
1984年04月