キリンビバレッジと東京建物が協同し、ペットボトルの「ボトルtoボトル」水平リサイクルを開始
国内飲料メーカー初!ポリ袋の水平リサイクルの共同実証実験も中野セントラルパークで実施
1.実施の背景
日本では、使用済みペットボトルは回収後に幅広い用途でリサイクルされることが多いため、2021年の「ボトルtoボトル」水平リサイクルの実施割合は20.3%※に留まっています。一度ペットボトル以外のPET製品に再生されたものをペットボトルに再生することは技術的に困難であることに加え、回収された使用済みペットボトルにゴミなどの異物が混在していることも「ボトルtoボトル」の推進を阻害する要因になっており、リサイクルに適した良質な使用済みペットボトルを安定的に確保することが喫緊の課題となっています。さらに、プラスチックを循環し続ける社会の実現のためには、再生PET樹脂のコストを低く抑える必要があるため、回収スキームの効率化も課題となっています。
※ PETボトルリサイクル推進協議会 「PETボトルリサイクル年次報告書2022」
2.取り組み概要
今回、キリンビバレッジと東京建物は、中野セントラルパーク内に設置されているリサイクルボックスの回収を一括して行うスキームと、ビル内で集まったペットボトルをペットボトルへ再生し、更にリサイクルボックスで使用したポリ袋をポリ袋へ再生する水平リサイクルを共同で構築し、先行して運用開始します。
本取り組みでは、東京建物が中野セントラルパーク内に設置しているリサイクルボックスから使用済みペットボトルを回収し、株式会社首都圏環境美化センター(社長 斉京由勝、以下首都圏環境美化センター)にてペットボトルの中間処理を行い、リサイクラーである豊通ペットリサイクルシステムズ株式会社(社長 小坂彦二)に供給した上で、キリンビバレッジが再原料化・再生PETを使用した容器の飲料の製造を行います。また、リサイクルボックスで使用したポリ袋は首都圏環境美化センターで中間処理を行った後、J-CIRCULARS株式会社(社長 下別府正樹、以下J-CIRCULARS)が樹脂成型とポリ袋の製造を行った上で、東京建物へ納品します。
3.取り組みの効果
今回、キリンビバレッジと東京建物が協同し、回収した使用済みペットボトルを確実にペットボトルへの再生に活用するリサイクルモデルを確立することで、「ボトルtoボトル」に向けた社会インフラの拡充を実現します。当スキームを適用することで、リサイクルボックスの回収コストの低減と中間処理までのルートの効率化が可能となり、より低コストでの「ボトルtoボトル」が実現します。
また、使用済みペットボトルを回収するポリ袋にも水平リサイクルを拡げることで、廃棄プラスチックを削減し、持続可能な資源循環のスキームの確立を実現します。
4.今後の展開
東京建物は、ペットボトルの水平リサイクルを中野セントラルパークにて先行して実施し、将来的には東京建物が保有する他のビル・施設内に設置されているリサイクルボックスに対象を広げ、取り組みの規模を拡大させていく予定です。
また、ポリ袋の水平リサイクルは、中野セントラルパーク内の共有スペースとキリングループ本社内のリサイクルボックスを対象とした実証実験を実施後、設置先用途にあったポリ袋の形状やサイズなどをJ-CIRCULARSと検証し、国内資源循環を推進するため再商品化されたポリ袋の更なる利用先拡大を目指します。
5.キリングループの環境取り組みについて
キリングループは、2020年2月に社会と企業のレジリエンス強化へ向けた新たなビジョン「キリングループ環境ビジョン2050」を策定し、「容器包装を持続可能に循環している社会」を目指すことを宣言しています。また「キリングループ プラスチックポリシー」では、2027年までに日本国内におけるPET樹脂使用量の50%をリサイクル樹脂にすることを掲げています。
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。
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