【トーキョーアーツアンドスペース】5/17(土) より開催!「トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2025 成果発表展『リンガ・フランカ』」第1期
東京や世界の街を舞台に滞在制作を行った7名のアーティストたちによる成果発表展

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)では、公募展や企画展、海外派遣などを通じて、段階的、継続的にアーティストの活動を支援しています。2006年からはレジデンス・プログラム「クリエーター・イン・レジデンス」を開始し、東京や海外の派遣先を舞台に、さまざまな分野で活動するアーティストたちへ活動の機会を提供しています。
5/17(土)より開催するレジデンス・プログラムの成果発表展「リンガ・フランカ」の第1期では、「分断を越えて」というテーマを共有してTOKASレジデンシ―で滞在制作を行ったボリャナ・ヴェンチスラヴォヴァ、カルメン・パパリア、久松知子、森あらたのほか、木村桃子(ケベック滞在)、山田悠(ロサンゼルス滞在)、リスキー・ラズアルディ(TOKASレジデンシー滞在)の計7名が作品を展示します。
トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2025 成果発表展「リンガ・フランカ」第1期
■展覧会概要
会期:2025年5月17日(土)~6月22日(日)
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都文京区本郷2-4-16)
休館日:月曜日
主催:トーキョーアーツアンドスペース(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館)
ウェブサイト:https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2025/20250517-7413.html
▮展覧会について
人類は、地球上の異なる地域で、それぞれの自然と共存・適応しながら、社会生活を営み、固有の文化や習慣、言語を発達させてきました。そして、気候の変化や資源の確保といったさまざまな理由により、集団は別の土地へ移動し、そこで自分たちとは異なる背景をもつ別の社会集団と出会います。その中で、互いの集団が用いることば同士が接触し、互いに影響しあい、単純な意思疎通を可能にする言語が生まれました。さらにそれが土地への定着や融合を繰り返すことで、新たな共通言語リンガ・フランカとして発展します。
2025年5月から8月に2会期にわたり実施する本展の参加アーティスト14名(各会期7名)も、各地のレジデンス滞在中に、異なる文化的背景をもつ人々と交流を深め、彼らが抱く問題意識や興味を追いながらリサーチを進め、その経験を凝縮させてきました。そして、それらは作品のかたちとなって空間に立ち現れ、他者に何かを伝える媒体となります。示唆に富んだ彼らの視線や現実への挑み方は、同時代を生きる私たち観るものが蓄積してきた知識や想像力と有機的に繋ぎ合わさり、さまざまな反応や解釈に辿り着いていきます。
異なる母語話者同士が、どうにか意思疎通を図るために生まれ、発展したリンガ・フランカのように、本展を通じてまだ知らなかった世界、自分では意識してこなかった事柄に触れることで、自分を取り巻く背景や因習、固定観念などから解放され、互いを理解するための新しいことばを得られるのかもしれません。
■関連イベント 予約不要/無料 ※日英逐次通訳あり
[アーティスト・トーク 1]
日時:2025年5月18日(日)16:00 - 17:30
出演:ボリャナ・ヴェンチスラヴォヴァ、久松知子、森あらた
[アーティスト・トーク 2]
日時:2025年5月24日(土)14:00 - 15:30
出演:木村桃子、山田 悠、リスキー・ラズアルディ
■参加作家/展示予定作品/略歴
・テーマ・プロジェクト:「分断を超えて」
ボリャナ・ヴェンチスラヴォヴァ | Borjana VENTZISLAVOVA

ソフィア(ブルガリア)生まれ。ウィーンを拠点に活動。
社会地理的、文化的、心理的な境界の移動と越境のプロセスや、コミュニケーションと翻訳の複雑さに関心をもつヴェンチスラヴォヴァは、作品制作を通じて、ドキュメンタリーとフィクションの境界を曖昧にしてきました。本展では、日本の家父長制やジェンダー不平等、伝統的な儀式に焦点を当て、スピリチュアリティと政治的実践の交差を取り上げる作品を発表します。
カルメン・パパリア | Carmen PAPALIA

1981年カナダ生まれ。バンクーバーを拠点に活動。
非視覚的な社会的実践に取り組むパパリアは、アクセシビリティを創造的実践の場とし、主流文化に広まっている障害に対する根深い思い込みを覆すことを目指しています。本展では、滞在中に制作したサウンド・ピローやサウンド・ケーンで、聴覚や視覚、触覚などさまざまな感覚からアクセス可能な作品群を紹介します。
久松知子 | HISAMATSU Tomoko

1991年三重県生まれ。埼玉県を拠点に活動。
アートの権力、制度、経済、歴史を関心の対象とし、さまざまな土地を移動しながらその差異や共通言語を探ってきました。リサーチ中に出合った映画で描かれる高度経済成長期の日本の明るく勢いある様と、現代社会の陰鬱なムードとのギャップを、「サラリーマン」という表象を通じ、久松の持ち味でもある物語絵画として、可愛らしくもアイロニカルに表現します。
森あらた | MORI Arata

1983年秋田県生まれ。神奈川県を拠点に活動。
身体と映像、現実と虚構などアンビバレントな表象をテーマとする森は、自身と同じロストジェネレーション世代のもうひとりの「私」を探す物語の映像制作のため、引きこもり経験者や心の悩みを抱える人などにインタビューを行いました。本展では対話・対峙を展示空間で再現し、伝わらなさ、孤独、分断といった普遍的なテーマを、半透明な心象風景として提示します。
・二都市間交流事業プログラム
木村桃子 | KIMURA Momoko

1993年東京都生まれ。東京都を拠点に活動。ケベック滞在。
物質の厚みと時間の奥行きを木材の年輪に重ね、光や時間など目に見えないものの可視化を試みています。2023年ケベック州で発生した森林火災のリサーチを通じて、単なる災害ではなく、生命の循環に必要なプロセスであることを理解するに至りました。滞在直前に起きたアイスストームによる甚大な被害を目の当たりにし、倒木した木材を収集し、自然災害と循環に焦点を当てた作品を発表します。
山田 悠 | YAMADA Haruka

1986年神奈川県生まれ。東京都を拠点に活動。ロサンゼルス滞在。
変動する都市環境の中で、自らの行為をいかに作品として成立させるかに関心をもつ山田の制作活動の多くは実際の都市空間の中で行われ、外的要因からの影響を作品に引き受けさせようと試みます。本展では、無意識に正しいと認識される「時間」や「時刻のルール」、そこに内在される権力について考察し、壁面作品や再構成したインスタレーション作品を展開します。
・海外クリエーター招聘プログラム
リスキー・ラズアルディ | Rizki LAZUARDI

1982年スマラン(インドネシア)生まれ。バンドンを拠点に活動。
ラズアルディは、映像に内蔵される制度的な効果を活用しています。滞在中は、茨城県にかつて存在した放射線育種場を起点に、農業や原子力の専門家らへのインタビューを通じて、フルーツの品種改良について調査を行いました。流通の背景にある意外な事実や信じられてきたフィクションを物語として抽出し、本展では改良された果物がもつ社会経済的影響を表現することを試みます。
【トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2025 成果発表展「リンガ・フランカ」】
会期:
第1期|2025年5月17日(土)~2025年6月22日(日)
第2期|2025年7月5日(土)~2025年8月10日(日)
休館日:月曜日(7月21日は開館)、7月22日(火)
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都文京区本郷 2-4-16)
参加作家:
第1期|ボリャナ・ヴェンチスラヴォヴァ、木村桃子、カルメン・パパリア、久松知子、森あらた、山田 悠、リスキー・ラズアルディ
第2期|AKONITO、綾野文麿、金 サジ、小宮知久、陳哲(チェン・ズ)、露木春那、クリストファー=ジョシュア・ベントン
提携都市/機関:ウィールズ/ベルギー・フランダース政府(ベルギー、ブリュッセル)、HIAP[ヘルシンキ・インターナショナル・アーティスト・プログラム]/フィンランド文化財団(フィンランド、ヘルシンキ)、18th Street Arts Center(アメリカ、ロサンゼルス)、センター・クラーク/ケベック・アーツカウンシル(カナダ、ケベック州[モントリオール])、SeMAナンジ・レジデンシー(韓国、ソウル)、トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジ/アーティスト・イン・レジデンス台北(台湾、台北)
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像