作家・氷室冴子氏の伝説の名作『銀の海 金の大地』全11巻復刊企画、ついに完結! 完結記念トークショーも11月21日(金)開催決定。
2025年に創刊10周年を迎えた集英社のライト文芸レーベル・集英社オレンジ文庫。創刊10周年の目玉企画として1月にスタートした氷室冴子・著『銀の海 金の大地』(全11巻)の復刊企画が、11月19日(水)発売の最新刊でついに完結を迎えることになりました。

『銀の海 金の大地』は、集英社オレンジ文庫の前身・コバルト文庫の人気作家として絶大な人気を誇り、80年代から90年代にかけて「少女小説」ブームを牽引してきた氷室冴子氏(2008年永眠)が遺した、伝説の古代歴史転生ファンタジー小説です。集英社の隔月刊小説誌「Cobalt」(2016年WEBサイトに移行)で連載後、コバルト文庫にて1992年3月から1995年12月にかけて刊行されました。自身最後の長編大河小説となり大ヒットしましたが、11巻刊行後、続刊が待たれたものの未完となってしまいました。
複雑な生い立ちのために人々に疎外されながらも気丈に生きるヒロイン・真秀(まほ)の、どんな苦境にも屈しない強くしなやかな姿と、予測不能な怒濤の展開、魅力的な登場人物たちの織りなす物語世界は、数多くの少女たちを魅了し、強く生きるための指針と勇気を与えてきました。
集英社オレンジ文庫はファンからの復刊を望む声に応え、また氷室氏の作品のすばらしさを新たに若い世代にも知ってもらいたいという思いから、創刊10周年の目玉企画として全11巻を復刊。今まで復刊も電子書籍化もされていなかった本シリーズを、アニバーサリーイヤーである2025年の1月から11月にかけて、毎月1冊ずつ刊行してきました。
カバーイラストと本文挿絵は、コバルト文庫版でも装画を担当した飯田晴子氏による描き下ろし。さらに、巻末には氷室冴子氏にゆかりのある文筆家11名による解説を収録しました。
◆1~11巻に寄稿した作家・漫画家・書評家11名とコメント
※刊行順、敬称略。
1巻:嵯峨景子(書評家)
「『古事記』を下敷きにした氷室冴子最後の長編小説は、禍々しくも魅惑的な古代ファンタジーの超名作」
2巻:夢枕獏(作家)
「世間もぼくも、氷室冴子という作家がいたことを忘れたわけではない。忘れていないからこそ、今、ここにこのような冴子さんの本が、再刊されるわけである」
3巻:町田そのこ(作家)
「多くのひとたちが、いまも氷室さんの世界を愛している。いつでも戻れる、色あせることのない故郷のように、大切に胸に抱えている。この世界はあなたにとって、かけがえのない故郷になることだろう」
4巻:佐原ひかり(作家)
「幸福な没入感と手に汗握る臨場感。1ページ先も読めない展開。ぶつかり合う信念と誇り。宿命と憎しみに翻弄されるロマンス。そしてなにより、弱さにもがき、踏みつけられることに憤り、理不尽に真っ向から立ち向かっていくヒロイン。『銀の海 金の大地』は、私が少女小説に求めるものすべてが詰まった小説です」
5巻:青山美智子(作家)
「不条理に屈することなく、全身全霊で愛する人を守り抜く。止まらない指でページをめくり、真秀と心を合わせるたびいつも思い出される。ああ、そうだった。私たちにも皆、こんな強い力を自分の中に秘め、携えているのだと」
6巻:高瀬隼子(作家)
「真秀たちに、また出会え直せるなんて。十代だったあの頃、氷室冴子作品から受け取った勇気や愛、そしてかなしみや苦しみを自分の言葉で表現する力を、抱え、育てながら大人になりました。今、大人の心でもう一度『銀金』の世界を旅できること、本当に幸せに思います」
7巻:平戸萌(作家)
「胸のうちの勇気を恃みに、ひとりの人間として世界に足を踏み出していく真秀の姿。これほど鮮やかな成長の瞬間を、ほかに見たことがありません!」
8巻:前田珠子(作家)
「古代の太陽は、かくも激しく眩しかったのか、月は闇すら従え、かくも冴え渡っていたのか──真秀と真澄を思うとき、その言葉が浮かびます」
9巻:三宅香帆(書評家)
「逞しさとは、魅力である。
氷室冴子作品の根底にあったのはそういう感覚だったし、『銀の海 金の大地』ほどその主題が色濃く出た作品もほかにないはずだ。逞しくて、強くて、だからこそ優しくて、だれよりも与えられた生命をまっとうし続ける少女、真秀ちゃん。私も、あなたみたいになりたくて、ここまで生きてきたのだと、思う」
10巻:須賀しのぶ(作家)
「どんなに打ちのめされても誇り高く顔を上げる真秀に、読者はどれほど痛めつけられ、そして勇気をもらったことだろう。誇りを失わず「あたし」でいるためには、どう心を保てばいいのか。真秀は私たちに教えてくれた。心の底から夢中にさせてくれる小説から貰う痛みは、決して抜けぬ棘となり、やがてそれは現実を生きるための剣となるからだ」
11巻:萩尾望都(漫画家)
「『女はこうあるべき』と決めつける世界に抗い続け、叫び続けた真秀の姿――そしてちゃんと闘って『銀金』を書いてくれた氷室さんがいてくれたそのことが、現代を生きる私たちにとっても、救いなのです」
◆『銀の海 金の大地』【あらすじ】
舞台は古代日本──湖の国・淡海。14歳の少女・真秀は、複雑な生い立ちのため人々から疎外されながらも、病で寝たきりの母・御影(みかげ)と、目も耳も不自由だが不思議な霊力をもつ兄・真澄(ますみ)とともに気丈に生きていた。ある日、真秀は母の病にきく薬をもらうため丹波行きの船に乗るのだが…。『古事記』を愛した氷室冴子が全力をかけて綴った超弩級のエンターテインメント小説!
◆氷室冴子(ひむろさえこ)氏プロフィール
1957年北海道岩見沢市生まれ。1977年『さようならアルルカン』で第10回小説ジュニア青春小説新人賞佳作を受賞、作家デビュー。1980年代から90年代にかけコバルト文庫(集英社刊)の看板作家として活躍、一時代を築き上げる。代表作に『なんて素敵にジャパネスク』『クララ白書』『雑居時代』『なぎさボーイ』『海がきこえる』など多数。2008年永眠。
■『銀の海 金の大地』購入者限定プレゼント
飯田晴子氏のイラストが収録されたカレンダーを抽選で100名様にプレゼント!
復刻版カバーイラスト+描き下ろしイラストの入ったカレンダー(2026年4月はじまり)。
1巻から11巻の帯にある応募券11枚を集めて応募できます。
(応募期間 2025年11月19日~2026年1月31日)
応募方法は11月19日に、以下のページで公開されます。
https://orangebunko.shueisha.co.jp/feature/ginkin_fukkan
【書誌情報】
・作品名:『銀の海 金の大地』第1巻~11巻
・著者名:氷室冴子(著)・飯田晴子(装画)
・定価:737~880円(10%税込)
・集英社オレンジ文庫刊
◆『銀の海 金の大地』復刊サイト:https://orangebunko.shueisha.co.jp/feature/ginkin_fukkan
■『銀の海 金の大地』復刊企画完結を記念して、11月21日(金)19時より、ジュンク堂書店池袋本店9階イベントスペースにて、作家の佐原ひかり氏と書評家の嵯峨景子氏による「銀金愛」トークショー(ネタバレあり)開催決定!


【イベント内容】
氷室冴子氏による伝説の古代転生ファンタジー『銀の海 金の大地』(全11巻・集英社オレンジ文庫)復刊企画が完結するのを記念して、小説家の佐原ひかり氏と書評家の嵯峨景子氏が再びジュンク堂書店池袋本店に来店! そのあふれる「銀金愛」について、ネタバレありで語り合います。今年2月に開催された「復刊記念」トークショーで触れることのできなかった「核心部分」についても、完結巻が出た後だからこそ恐れることなく深掘り。「銀金」全編を通じて惹かれる場面、人物、台詞をピックアップしながら、初回よりさらに熱く、深く「銀金」の魅力について語り尽くします。90年代のコバルト版から愛読されてきた方も、今回のオレンジ文庫版で楽しまれた方も、皆で「銀金」の魅力に酔いしれ、分かち合いましょう! 来場者には今回も、装画担当の飯田晴子氏描き下ろしイラストカードのお土産つき。オンライン配信、アーカイブもあり。
◆イベント詳細・申し込みサイト:https://onlineservice.maruzenjunkudo.co.jp/products/j70019-251121
【イベント概要】
名称:「『銀の海 金の大地』復刊完結記念!佐原ひかり&嵯峨景子の銀金愛を語る夕べ(ネタバレあり)」
開催日時:2025年11月21日(金)19:00~20:30
開催場所:ジュンク堂書店池袋本店9階イベントスペース(東京都豊島区南池袋2-15-5)
登壇者:佐原ひかり氏(作家)・嵯峨景子氏(書評家)
参加方法:イベント詳細・申し込みサイト上で、事前チケット購入
※オンライン視聴もあり(有料)
来場者特典:飯田晴子氏(装画担当)描き下ろしイラストカード
アーカイブ配信期間:2025年11月22日(土)15:00~2026年1月12日(月・祝)23:59 ※チケット購入者のみ視聴可
※参加(来場/オンライン視聴)には、事前にチケット購入が必要です。チケット販売に関する情報、その他注意事項はイベント申し込みサイトに記載しています。
◆佐原(さはら)ひかり氏プロフィール
1992年兵庫県生まれ。小説家。大阪大学文学部卒業。2017年「ままならないきみに」で第190回コバルト短編小説新人賞受賞。2019年「きみのゆくえに愛を手を」で第2回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞し、2021年に同作を改題、加筆した『ブラザーズ・ブラジャー』で本格デビュー。他の著書に『ペーパー・リリイ』、『人間みたいに生きている』、『鳥と港』、『スターゲイザー』、『ネバーランドの向こう側』、『リデルハウスの子どもたち』がある。
◆嵯峨景子(さがけいこ)氏プロフィール
1979年生まれ。フリーライター、書評家、大学非常勤講師。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。近現代の少女小説研究をライフワークとし、出版文化やポピュラーカルチャーなどをテーマにさまざまな媒体に寄稿する。著書に『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』『氷室冴子とその時代 増補版』『少女小説を知るための100冊』、編著に『少女小説とSF』『大人だって読みたい!少女小説ガイド』など。
■集英社オレンジ文庫とは…
2015 年 1 月に創刊したライト文芸レーベル。読書ビギナーから文芸ファンまで、物語に夢中な 10 代~40 代女性に主に支持されている。お仕事もの、恋愛もの、ミステリー、ファンタジー、歴史ものと様々なジャンルの小説を発刊。代表作品に累計発行部数 240 万 部超えの『これは経費で落ちません』(青木祐子・著)、累計発行部数 130 万部超えの『後宮の烏』シリーズ(白川紺子・ 著)、累計発行部数 90 万部超えの『宝石商リチャード氏の謎鑑定』(辻村七子・著)など。メディア化作品も多数。
●集英社オレンジ文庫創刊10周年特設ページ
URL:https://orangebunko.shueisha.co.jp/feature/orangebunko2024-10-fair
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