欧州難民危機:リビア沖、子どもや妊婦含む240人溺死 ユニセフ、生存者へのケアを支援【報道参考資料】
今年の地中海での犠牲者4,200人以上
※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※本信の原文は http://www.unicef.org/media/media_93039.html からご覧いただけます。
※欧州難民危機に関連する画像・動画は、http://weshare.unicef.org/Package/2AM408TSBSBS からダウンロードいただけます。
【2016年11月3日 ランペドゥーサ(イタリア)発】
11月2日、ヨーロッパを目指していた240人がリビア沖で溺死し、その中には多くの子どもたちや妊娠中の女性が含まれていたと報告されました。
今日、ランペドゥーサ島に運ばれてきた29人の生存者の1人の若いリビア人女性は、ボートが転覆したときに彼女の2歳の息子、13歳の娘、21歳の弟を失いました。ランペドゥーサ島でユニセフ(国連児童基金)の婦人科医かつ文化的仲介者*として働くヘレナ・ロドリゲスは、イタリアの保健スタッフと共に、急性肺炎を患いショック状態にあるこの31歳の女性の治療にあたっています。
「この惨事により、自分の子どもたちと弟が目の前で溺死するのを見たこの若い女性は、強い衝撃を受けています」とロドリゲスは述べました。「彼女は、彼女の家族がリビアからイタリアに渡るために密航業者に2,400ドルを支払いました。彼女たちは、到底海を渡るのに適さないと思われるボートを見て不安になり乗ることを拒否しました。しかし、密航業者たちは彼らに発砲し、ボートに乗ることを強要しました。これが、こんなにも多くの人たちがリビアの海岸からわずか12キロで溺れた理由です」
3日早朝から船着き場で生存者を手助けしているロドリゲスは、海から救助された人たちの到着時の健康状態は心身ともに厳しい状態だったと言います。昏睡状態にある人たちやエンジンの燃料をかぶって重度のやけどを負っている人たちもいました。「ここは悲惨な状況です」とロドリゲスは述べました。
ノルウェーの救助船に助けられた2人の女性も、子どもたちを海で亡くしました。ほとんどの犠牲者はセネガル、リベリア、ギニア、ナイジェリアの出身でした。
2016年は、地中海を渡る危険な旅で亡くなった難民・移民が4,200人を超え、過去最悪を記録しました。今年に入り、約16万人が海路でイタリアに到着しました。
注記*:「文化的仲介者」は文化的ニーズや実践に関する通訳を行う
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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