AI-OCRサービス「Future OCR」、給与支払報告書読み取りの新バージョンを提供開始
新レイアウトへの対応、読み取り項目を拡大し、ユーザビリティを向上
フューチャー株式会社(証券コード:4722)の主要事業会社であるフューチャーアーキテクト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:谷口友彦、以下フューチャーアーキテクト)は、AIを活用したOCR(Optical Character Recognition:光学的文字認識)プラットフォームサービス「Future OCR」(※1)から提供する給与支払報告書(以下給報)を対象とした読み取りサービスのバージョンを刷新し、2025年12月より提供を開始しました。
給報は、住民税を算出するため事業者が従業員に支払った給与額を毎年1月末までに自治体へ報告するための書類です。日本の給与所得者はおよそ6,077万人(※2)いますが、地方税の手続きを電子化する地方税ポータルシステム「eLTAX」の給報利用率は2024年度の実績で69.7%(※3)に留まっているため、依然としてデータ入力に多くの人手が必要となっています。また、自治体や提出する事業者によってもフォーマットが異なる非定型帳票であることに加え、「仕切り紙」「総括表」「明細書」など複数種の帳票があり、AI-OCR化が難しい領域です。そのため、自治体や業務委託先のビジネスプロセスアウトソーシングベンダー(以下BPO事業者)では特定期間に集中するデータ入力の負荷が課題となっています。
フューチャーアーキテクトでは、こうした課題を解決すべく、2021年1月よりSG システム株式会社(代表取締役社長:丸山信二、以下SGシステム)と共同で実運用に耐えうる給報のAI-OCRサービスを提供し、独自のAI-OCRエンジンとアルゴリズムを組み合わせ、機能追加と精度改善を続けています。近年はBPO事業者に加えて自治体での直接採用も広がっており、2024年度の読み取り実績は 320万枚を突破しました。
2025年12月にリリースした最新バージョンでは「新レイアウトへの対応」「読み取り項目の拡大」「仕分け能力の向上」といった精度と機能に加えユーザビリティの向上を図ることで、さらなる業務効率化を可能にしました。
■「Future OCR」 給報読み取りサービス 最新版の特長
1.令和8年様式へ高精度に対応
今期より適用される給報の新レイアウトに対応しました。通常の帳票画像だけでなく、縦横のノイズ、印字のズレ、文字の薄さ、台紙に貼ったものなど、合計10万パターンを超えるテストを実施し、高い認識率を維持しています。
2.摘要欄を含む全132項目を読み取り
「個人別明細書」は、新レイアウトへの対応に加えて、新たに「摘要欄」が加わり、合計123項目に拡大しました。「総括表」の読み取りは、計9項目に拡大し、全132項目の読み取りを実現します。


3.給報仕分けエンジンの刷新
給報のデータ化業務で必要となる主要帳票の一括仕分けのエンジンを刷新しました。これにより、「個人別明細書」「総括表」に加えて「仕切り紙」の自動判定が可能になりました。さらに、「個人別明細書」は「特別徴収」「普通徴収」の仕分けにも対応しています。全体の仕分け精度についても、従来から大幅に改善しました。

4.個人別明細書の読み取り精度が、平均で99.2%に向上、OCR読み取りエラーが20%以上カット
個人別明細書の各項目の読み取り精度がさらに向上しました。発生頻度が高い項目、昨年までは相対的に精度が低かった項目を中心にAI-OCRエンジンの改善を行ったことで、OCRの読み取りエラー(※4)は、昨年と比較して20.4%削減されています。平均読み取りの精度は99.2%に向上しました。
5.総括表を新エンジンへ更新し、読み取りエラーを50%以上カット
昨年に対応した「総括表」の非定型エンジン及びAI-OCRエンジンを新エンジンへ更新。両エンジンの改良により、読み取りエラーが51.3%削減(※5)するなど、業務効率を大幅に改善しました。
6.AIの読み取り結果により確認作業が削減される、「結果確認画面」を標準搭載
「Future OCR」の画面群を刷新し、従来よりも簡単な操作で読み取りが可能になりました。また、ユーザーから要望の大きかった「結果確認画面」を標準搭載。AIが読み取りに自信の無い項目や、読み取りのできなかった項目のみを画面から確認することで、確認作業の時間が大幅に削減されます。

7.インストールの簡素化と、Windows環境への対応
「Future OCR」は、Linuxに加えWindowsでも起動できます。また、インストールが従来よりも簡素化されており、事前セットアップを効率的に行う事ができます。
フューチャーアーキテクトは、「Future OCR 」の共同開発者であり販売代理店でもあるSGシステムとAI-OCRサービスを提供することで、自治体や事業者の業務省力化により貴重な労働資源を有効活用できるよう支援するとともに、今後もAI-OCR技術の向上に取り組み、様々な業界での生産性向上に寄与していきます。
※1.Future OCRはフューチャーアーキテクト株式会社の登録商標です。SGシステムが提供する同サービス名称は、「Biz-AI×OCR」です。
※2.国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2024.htm
※3.「総務省 eLTAXを通じた電子申告率の推移」
https://www.soumu.go.jp/main_content/001024512.pdf
※4. OCR読み取りエラーは、非定型エンジンの認識ミスによる不読、AI-OCRエンジンの間違いによる誤読の双方の改善率を指しています。また平均読み取り精度は、前バージョンのOCR対象項目を対象としています。
※5. 非定型・AI-OCR両エンジンの読取りエラーは、※4に加えて、非定型エンジンの認識ミスによる不読をさらに追加した改善率です。
※6. 本プレスに使用した給与支払報告書(総括表、個人別明細書)の画像はすべて
「第 17 号様式」(総務省)(https://www.soumu.go.jp/main_content/001044216.pdf)を加工して作成しています。
出典:総務省ホームページ(https://www.soumu.go.jp)
※7. 参考プレスリリース
『給与支払報告書を対象としたAI-OCRサービスの提供を開始
~AIによる非定型帳票の解析とデータの自動入力によりお客様の業務省力化を支援』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000443.000004374.html
『「Future OCR®」給与支払報告書を対象とした AI-OCR サービス 最新版の 2023 年 読み取り実績 100 万枚超え~最大 1.5 倍の業務効率化を達成』
https://www.future.co.jp/architect/press_room/PDF/PressRelease_FA_AI-OCR_MillionReading_230621.pdf
『「Future OCR」給与支払報告書を対象とした AI-OCR サービス 2023 年度の読み取り実績が 200 万枚を突破』
https://www.future.co.jp/architect/press_room/PDF/PressRelease_AI-OCR_TwomillionReading_20240624.pdf
『AI-OCR サービス「Future OCR」、給与支払報告書読み取りに総括表対応、後続システムとの連携強化を実現した新バージョンを提供開始』
https://www.future.co.jp/architect/press_room/PDF/PressRelease_AI-OCR_20241217.pdf
■SGシステム株式会社 概要
代表者:代表取締役社長 丸山信二
設立:1983年2月17日
事業内容:情報システムに関する企画、設計、開発、保守、運用業務等
所在地:京都府京都市南区上鳥羽角田町25
URL:https://www.sg-systems.co.jp/
■フューチャーアーキテクト株式会社 概要
代表者:代表取締役社長 谷口友彦
設立:2016年4月1日
所在地:東京都品川区大崎1-2-2
事業内容:ITを武器とした課題解決型のコンサルティングサービスの提供
URL:https://www.future.co.jp/architect/
■本件に関するお客様からのお問合せ先
フューチャーアーキテクト株式会社
お問い合わせフォーム:https://www.future.co.jp/apps/contact/fai/service_solution_entry.php
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