JOGMEC初、合成燃料(e-fuel)分野における米国HIF Global社への出資
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:髙原 一郎)は、出光興産株式会社(以下「出光興産」)による、e-メタノール等合成燃料製造事業の開発をグローバルに推進する米国HIF Global LLC(以下、HIF Global社)の一部株式取得を出資対象事業として採択しました。2022年の法改正により低・脱炭素な水素等(注)への出資機能を追加して以降、合成燃料(e-fuel)分野におけるJOGMEC初の出資となります。
(注)経済産業省令で定める水素の化合物(水素及び二酸化炭素から合成した液体又は気体の燃料)
JOGMECは、HIF Global社が今後のプロジェクト開発等資金の新規調達を目的とした同社株式の新規発行に関し、出光興産の米国子会社であるIdemitsu Efuels America Corp.を通じて、当該株式の一部を取得することを決定しました。
合成燃料(e-fuel)は、再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素を合成することで生成される液体の脱炭素燃料です。合成燃料(e-fuel)は、貯蔵タンクやパイプラインなどの既存のインフラを活用でき、飛行機・船舶・自動車の内燃機関に手を加えることなく利用できる燃料であることから、脱炭素化への早期移行に向けたトランジションエネルギーとしても重要な役割が期待されており、世界的な需要の増加が見込まれます。なかでもe-メタノールは海運業界における二酸化炭素の排出削減に貢献する船舶燃料の有力候補であり、加えて他の合成燃料(e-fuel)や化学品の原料としても利用されます。
出資先であるHIF Global社は、2022年よりチリ・マガジャネス州にてHaru Oni合成燃料(e-fuel)製造実証プラントを操業し、現在世界4か国(米国、豪州、チリ、ウルグアイ)にて、大規模にe-メタノールおよび合成燃料(e-fuel)製造事業の開発を推進しており、将来的には世界でe-メタノール換算で年間400万トンの生産を目指しています。
出光興産は米国、豪州におけるHIF Global社の事業からe-メタノールないし合成燃料(e-fuel)を本邦へ持ち込むことを計画しており、HIF Global社への出資を通して、本邦内外におけるe-メタノールはじめ合成燃料(e-fuel)のサプライチェーン構築を目指しています。
JOGMECは、本出資をはじめ、本邦内外におけるe-メタノール等の合成燃料(e-fuel)を含む水素等のサプライチェーン構築を加速化させ、我が国の脱炭素化とエネルギートランジションを推し進める先駆的事業を支援してまいります。
■米国プロジェクトサイト完工イメージ
■出資先会社の概要
名称:HIF Global LLC(“Highly Innovative Fuel”の理念から命名)
設立年月日:2021年12月28日
本社所在地:アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン
President & CEO:Cesar Norton
■採択の内容
採択年月日:2024年7月10日
出資見込額:約36百万ドル
採択理由:本事業については、(1)技術、(2)経済性、(3)経営能力、(4)政策重要性等の観点から構成されるJOGMECの採択審査基準を満たすと判断されることから、海外事業法人買収出資対象事業として採択することとした。なお、本件の採択に際しては、経済産業大臣と協議し、同意を得ている。
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