第2回MAXXI BVLGARI賞 トマソ・デ・ルカの受賞が決定

2021年5月13日ローマ – 第2回MAXXI BVLGARI賞の授賞式が催され、トマソ・デ・ルカ(1988年ヴェローナ生まれ、ベルリンを拠点に活動)が受賞しました。この賞はMAXXI(イタリア国立21世紀美術館)と、130年以上にわたりイタリアン・エクセレンスを象徴してきたブルガリが協賛する、若いアーティストを支援、育成するプロジェクトです。
受賞者の発表は、www.maxxi.artにて配信のスタイルで授賞式が行われ、その場にはジュリア・センシ、レナート・レオッタ、トマソ・デ・ルカの3名のファイナリスト、ブルガリ グループCEOのジャン-クリストフ・ババン、MAXXI 財団理事長のジョヴァンナ・メランドリ、MAXXIの芸術監督兼国際審査員のホウ・ハンルー、MAXXI館長兼国際審査員のバルトロメオ・ピエトロマーチが出席しました。ファッションコンテンツクリエイターでブルガリのCSRに関するアンバサダーでもあるタム・マクファーソンが特別ゲスト兼イベントの進行役を務めました。
マヌエル・ボルハ・ビジェル(マドリードのソフィア王妃芸術センター館長)、エマ・ラヴィーン(パリのパレ・ド・トーキョー館長)、ヴィクトリア・ノーソーン(ブエノスアイレスの近代美術館館長)の3名の審査員は、ビデオメッセージで授賞式に参加し、さまざまな観点と言語によって「私たちの時代を浮き彫りにし、未来に思いをはせる力強い作品」、デ・ルカの自由と多様性への思い、センシの黙示録的な彫刻作品、レオッタの沈黙と停止した時間、を作り出し、ホウ・ハンルーが言うように「アートを命あるものへと近づけた」3名のアーティストを高く評価しました。

トマソ・デ・ルカの作品「A Week's Notice(1週間前の通告)」は、人類の財産であるあらゆる多様性を表現したものであり、繊細な詩情、完成度、倫理・社会・政治との関係性を評価され、国際審査員によって受賞作に選ばれました。また「A Week's Notice」は、観客からも多くの支持を集めました。
トマソ・デ・ルカの「A Week's Notice」が受賞した理由は、「作品の完成度と表現された倫理的・社会的・政治的スタンス、綿密な工夫によって生まれた繊細な詩情と見る者の解釈に委ねられた自由な広がり、さまざまな束縛からの解放やジェンダー・ポリティクスといった現代の価値観の重要性を理解するうえで中心的役割を果たす、
忘れられていた歴史の一部をまとめ、語る能力、そしてあらゆる多様性を人類の財産として描き推進している点」にあります。

審査員の結果は、観客の意見とも一致しました。観客は好きな作品をハガキに書き、美術館のチケット売り場に返送、投票しました。新型コロナウイルス感染防止対策による二度の休館で、展示期間が短縮されたにもかかわらず、多くの人々からの熱意ある投票をいただきました。僅差で受賞者が決まったことから分かるように、ジュリア・フェラーチによるキュレーションで展示された3作品すべてが高く評価されました。

2020年MAXXI BVLGARI賞では計画の重要な変更も見られました。バルトロメオ・ピエトロマーチは下記のように述べています。
「3名のファイナリストが見せたコミットメント、忍耐力、プロ意識を鑑み、この極めて切迫した不安定な時代に、若い現代アーティストを支援する具体的なメッセージを送るため、MAXXIアートコレクションとして作品取得対象をファイナリスト3名全員に拡大することを決めました」

MAXXI財団理事長のジョヴァンナ・メランドリは下記のようにコメントしました。
「MAXXI BVLGARI賞はこの美術館の最も重要なイベントの1つです。才能ある若い人々を支援することは、私たちの時代や未来の創造性への投資を意味し、それはMAXXIおよびMAXXIの大切なパートナーであるブルガリが
共有する使命です。今年は特に、私たちの時代、現代社会の不安、そして未来を反映した3名のファイナリスト全員の作品を取得できてうれしく思います。今はこれまで以上にアートのコミュニティーと緊密になることが重要です。それに加えて、誰もが無力さを感じている時代に、若いアーティストが私たちの批判的思考を再び呼び覚まし、自由、財産としての多様性、自然への敬意、記憶、そして未来について声を上げています」

 ブルガリ グループCEOのジャン-クリストフ・ババンは下記のように述べました。
「歴史と現代の価値観との間に興味深い対話をかき立てる作品で受賞したトマソ・デ・ルカに心からお祝いを申し上げます。そして、私たちが生きる現実と未来のシナリオを力強く表現する作品を見せた3名のアーティスト全員に感謝します。今年は一般の皆様のご意見をいただけたことを大変に嬉しく思います。これは繋がりや体験の価値を重視するこの賞の使命を確信するものとなりました。ブルガリとMAXXIの積極的なシナジーが、若いアーティストの世界をこれからも育み、彼らのアイデアや先見の明に刺激を受けることができるでしょう」

 MAXXI BVLGARI賞と展示
トマソ・デ・ルカ(1988年ヴェローナ生まれ、ベルリンを拠点に活動)が、「A Week's Notice」で2020年MAXXI BVLGARI賞を受賞しました。「A Week’s Notice」は3つのチャンネルを使用した映像と音によるインスタレーションであり、映画、建築の歴史、本人の私生活から抜き出した家のミニチュアが飛び、壊れ、狂乱状態になり、停止します。そこには不安定性の中に美しさを探し求め、トラウマを創造の土台にした建築物の崩壊に対する思い
が込められています。
この作品は、1980年代から90年代にAIDSによる危機に続いて起こったスラム街からのジェントリフィケーション
(地域の高級化)という過酷な出来事に対するもう1つの結末を提示しています。この時代に急増していたAIDSに最も影響を受けた大都市近辺の同性愛者コミュニティーが消滅する一方、市場はこの「大虐殺」を好機と捉えました。家具も個人の持ち物も道路に放り出され、アパートは健康で裕福な借り手向けの市場に戻されました。作者はこの失われた空間を取り戻そうとする試みの中で、方向感覚を失うような空間に住宅を変換しますが、そこでは喪失感や不安定性が再建を促す要素になっています。

ジュリア・センシ(1988年コルトナ生まれ、アムステルダムとトスカーナを拠点に活動)の作品「lento-violento
(ゆるやかな暴力)」は4つの彫刻群から成る大きなインスタレーションです。空間に広がるようにつり下げられたプラスチック製の4つの彫刻群が観客の視点を常に変化させ、半人半獣の姿の不安定な混成の世界を提示します。この巨大なインスタレーションを通じて、作者は人間と自然との間、資本主義の過剰な生産性を見せる機械と抑えのきかない大量消費主義との間、そして私たちの時代にある衝突と人類のディストピア的未来との間にある変化や緊張を描いています。すでに1つめの彫刻群から、2体の擬人的な存在が互いに挑発し合っているようです。
第2群で衝突が勃発し、手すり状の棒に沿って並んだ頭部のない馬の脚は争いに放り込まれたように見えます。3つめの場面はある種の牢獄で、展示ホールの下まで下げられた鉄格子に、特に意味のない小さな人たちが怪物のようなものに見張られています。展示は、静かでうち捨てられた荒れ地を思わせるイメージで締めくくられ、飛行船に似た動物の形の機械が上から姿を現します。

 レナート・レオッタ(1982年トリノ生まれ、トリノおよびシチリア州アチリアーレを拠点に活動)のプロジェクト「Roma and Fiumi(ローマと川)」は、ローマに捧げられています。16mmフィルムで撮影した12本の映像が美術館の空間内に設置された12のスクリーンに映され、あたかも都市の遺跡を歩くすばらしい散策の時を思わせます。映像はバルカッチャ、トレビのアイコニックな噴水、四大河の噴水、そしてトッレ・アルジェンティーナ広場の神殿跡で撮影されたものです。
ここではアスファルトに刻まれた裂け目から道路の下に横たわる古代都市の構造が姿を見せています。周辺には
柵がめぐらされ、中には入れず、上からしか見られません。周りを囲む都会のあわただしさから切り取られた空間が見えますが、この広場は街の交通の重要な分岐点であり、他とは異なる時間性に支配された空間で、住んでいるのは猫だけです。遺跡を行くこの変わった散歩では、用心深くしなやかな動きを見せる猫たちが好奇心旺盛な目つきで来訪者を眺めます。作者は、人間、自然、そして人類化した風景との関係を再考し、社会と動物界との関係を再構築する手段としてアートを考えているのです(文章は展示作品に付けられたサラ・デ・キアラによるキャプションを引用)。

 
賞の歴史                                                                                           
2000年に「Premio per la Giovane Arte」として創設されたこの賞はMAXXIアートコレクションの出発点であり、誕生を意味するものになりました。長年にわたり、多くのアーティストにとって重要な飛躍のきっかけとなる役割を果たしてきました。2001年から2020年まで9回の賞に45名のアーティストが参加しています。マリオ・
アイロ、ユーリ・アンカラーニ、ジョルジオ・アンドレオッタ・カロ、ステファノ・アリエンティ、ミコル・アサエル、ローザ・バルバ、マッシモ・バルトリーニ、ヴァネッサ・ビークロフト、ロセッラ・ビスコッティ、ルドヴィカ・カルボッタ、パトリツィオ・ディ・マッシモ、ブルーナ・エスポジト、ララ・ファヴァレット、ピエロ・
ゴリア、アデリータ・フスニベイ、アヴィッシュ・ケブレザデ、リリアナ・モーロ、マリネッラ・セナトーレ、
ニコ・ヴァシェラーリ、ヴ4ェドマヴァゼイ、フランチェスコ・ヴェッツォーリ、ザプルーダーなど他にも多くの名前が挙げられます。第1回MAXXI BVLGARI賞(2018年)は、ディエゴ・マルコンが示唆に富んだ力強いビデオインスタレーション「ラドウィッグ(Ludwig)」で受賞し、作品は現在MAXXIコレクションとして収蔵されています。他にタリア・シェトリットとインヴェルノムートがファイナリストとなり、インヴェルノムートの作品「Calendoola: SURUS(カレンドゥーラ:スルス)」は、MAXXI支援者の出資によりMAXXIが取得しました。

お問い合わせ先:ブルガリ ジャパン 03-6362-0100  https://www.bulgari.com/ja-jp/
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