総合開館30周年記念 ルイジ・ギッリ 終わらない風景

ルイジ・ギッリ、アジア初の美術館個展を開催

公式ウェブサイト https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-5073.html

ルイジ・ギッリ《ボローニャ、1989-90》〈ジョルジョ・モランディのアトリエ〉より 1989-90年 東京都写真美術館蔵 ©Heirs of Luigi Ghirri

このたび東京都写真美術館は、総合開館30周年記念展として、イタリアを代表する写真家ルイジ・ギッリ(1943-1992)の個展を開催します。

ギッリは測量技師としてのキャリアを積んだのち、コンセプチュアル・アーティストたちとの出会いをきっかけに、1970年代から本格的に写真家として活動を始めました。ギッリにとって写真とは、現実世界の複製ではなく、フレーミングされた「見られた」視覚的断片によって風景を作り出すための手段でした。彼がこの表現手段を通じて試みたのは、通り過ぎる風景の中に現実とイメージの関係性を見出し、「在」と「不在」、外的世界と内的世界について思索を深めることでした。

本展では、1970年代から晩年にかけてギッリが撮影したイタリアや旅先の風景、アーティストのスタジオ、自宅の室内、美術品、看板やポスター、窓や鏡に映る風景など、多様な視覚的断片によって構成された風景表現を紹介します。あわせて、ギッリの活動を語るうえで欠かせない存在であり、自身もグラフィック・デザイナーとして活動した妻パオラ・ギッリ(1954-2011)の作品や資料も展示し、約20年にわたるギッリの写真に対する多角的な思索をたどります。ギッリが探求し続けた、終わりのない風景に対する解釈と世界観に触れる機会となれば幸いです。

本展のみどころ

  • アジア初の美術館個展。初期の代表作から晩年の作品まで幅広く展示

    欧米での個展開催やドキュメンタリー映画の発表など、近年国際的に注目されるイタリアの写真家、ルイジ・ギッリのアジア初の美術館個展を開催します。日本では、著書『写真講義』をきっかけにその名をしらしめました。同書の帯で、ヴィム・ヴェンダースが「最後の、真のイメージの開拓者だった」と語っています。ギッリが本格的に写真を始めたのは 30 歳の頃で、写真家として過ごした時間はわずか 20年ほどでした。本展では、初期の代表作〈コダクローム〉や〈静物〉シリーズ、ギッリが生まれ育ったイタリア北部の都市レッジョ・エミリアなど欧州の風景、画家ジョルジョ・モランディ(1890-1964)、建築家アルド・ロッシ(1931-1997)のアトリエを撮影したシリーズを含む約130点を紹介。ギッリの活動に迫ります。

  • 妻パオラ・ギッリの作品や、ルイジ・ギッリ作品との関わりについて紹介

    1970 年代イタリア、写真文化の普及を専門とする出版社がほとんどなかった時代に、ルイジ・ギッリは妻パラオ・ギッリらと「プント・エ・ヴィルゴラ(Punto e Virgola)」という出版社を立ち上げました。本展では、妻パオラがデザインした書籍や彼女の作品もあわせて紹介し、ルイジ・ギッリ作品を語る上で妻パオラの存在がいかに重要であったかを紐解きます。

  • ルイジ・ギッリの活動をまとめたドキュメンタリー映画『Infinito』を日本初公開上映

    展覧会会期中、2022年に公開されたドキュメンタリー映画『Infinito』(イタリア語で「無限」の意)を、日本語字幕付きで、日本初公開上映します。同映画は、ギッリが撮影する様子の映像、遺族やプリンターなど生前ギッリと交流の深かった関係者のインタビューが含まれており、記録映像としても貴重な作品です。また、上映後には、ギッリの作品に造詣が深いゲストをお招きしアフタートークの開催も予定しています。

作家プロフィール

ルイジ・ギッリ Luigi Ghirri (1943-1992)

イタリアのレッジョ・エミリア県スカンディアーノ生まれ。1970年代より本格的に写真制作に取り組む。色彩、空間、光に対する類まれな美的感覚と、ありふれたものをユーモラスに視覚化する才能によって、主にカラー写真による実験的な写真表現を探求してきた。また制作活動のみならず、写真専門の出版社「プント・エ・ヴィルゴラ(Punto e Virgola)」を仲間たちと立ち上げ、さらにプジェクト大学で写真理論に関する講義を行うなど、多岐にわたる活動を展開した。

ルイジ・ギッリ《カプリ、1981》〈イタリアの風景〉より 1981年 ©Heirs of Luigi Ghirri
ルイジ・ギッリ《ザルツブルク、1977》 〈F11、1/125、自然光〉より 1977年 ©Heirs of Luigi Ghirri

ルイジ・ギッリ《レッジョ・エミリア、1985》 〈F11、1/125、自然光〉より 1985年 ©Heirs of Luigi Ghirri
ルイジ・ギッリ《モデナ、1970》〈初期作品〉より 1970年 ©Heirs of Luigi Ghirri

関連イベント

  • トークイベント

    登壇者:アデーレ・ギッリ(ルイジ・ギッリ財団代表)、 イラリア・カンピオーリ(レッジョ・エミリア市立博物館キュレーター)、 山田裕理(東京都写真美術館 学芸員)

    7月5日(土)14:00~17:00

    会場:東京都写真美術館 1階ホール

    定員:190名(整理番号順入場/自由席/伊日通訳付)

    参加費:無料

    ※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布します

  • ドキュメンタリー映画『Infinito』上映とゲストによるアフタートーク

    (上映80分+アフタートーク約50分)

    8 月24日(日)14:00~16:30 ゲスト:岡田温司(京都大学名誉教授)

    9 月12日(金)17:00~19:30 ゲスト:森岡督行(森岡書店代表)

    会場:東京都写真美術館 1階ホール

    定員:190名(整理番号順入場/自由席/日本語字幕付)

    参加費:無料

    ※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布します

  • 担当学芸員によるギャラリートーク

    7 月11日(金)14:00~

    8 月1日(金)14:00~(手話通訳付き)

    9 月5日(金)14:00~(手話通訳付き)

    ※当日有効の本展チケット、展覧会無料対象者の方は各種証明書等をお持ちのうえ2階展示室入口にお集まりください。

開催概要

展覧会名|(和)総合開館30周年記念 ルイジ・ギッリ 終わらない風景

     (英)TOP 30th Anniversary Luigi Ghirri Infinite Landscapes

会 期|2025年7月3日(木)~9月28日(日)

会 場|東京都写真美術館 2階展示室

主 催|公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館

後 援|駐日イタリア大使館

助 成|公益財団法人ポーラ美術振興財団

協 賛|東京都写真美術館支援会員

電 話|03-3280-0099

WEB|www.topmuseum.jp

開館時間|10:00-18:00(木・金曜日は20:00まで、ただし8/14(木)-9/26(金)までの木・金曜日は21:00 まで)※入館は閉館30分前まで

休館日|毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日は休館)

観覧料|一般800円(640円)、学生640円(510円)、高校生・65歳以上400円(320円) ※( )は有料入場者20名以上の団体、当館映画鑑賞券提示者、各種カード等会員割引料金 ※中学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料 ※8/14(木)-9/26(金)までの木・金曜日17:00-21:00はサマーナイトミュージアム割引(学生・高校生無料/一般・65歳以上は団体料金、要証明書) ※オンラインで日時指定チケットを購入いただけます。

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会社概要

URL
https://www.rekibun.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区九段北4-1-28  九段ファーストプレイス8階
電話番号
03-6256-9967
代表者名
日枝 久
上場
未上場
資本金
-
設立
1982年12月