『キリスト教の本質 「不在の神」はいかにして生まれたか』が売れ行き好調につき増刷
著者は、まるで『カラマーゾフの兄弟』の大審問官。これは、現代の「ツァラトゥストラ」だ!
本書の著者は、ストラスブール大学卒の神学者・加藤隆氏。キリスト教は、神でもイエスでもない、それぞれの教会の指導者の「教え」と、それを「信じ込む」者との関係でのみ成り立つ、と看破します。
・イエスは、ユダヤ人でありユダヤ教徒である。イエスの活動は、当時のユダヤ教の根本的な大問題(=神との断絶)に対応するものだった。
・「敬虔」とは、「分かっていないけれど、形だけきちんとやっている」という意味である。
・ パウロは、「神のように」なっているどころか、「神のあり方を裁く」、いわば「神以上のもの」になって、はばからない。
・キリスト教は、自由人である支配者がいて、一般民衆(古代なら「奴隷」)を支配するという二重構造を支えるように調整された宗教思想、宗教運動である。
(以上、本文より抜粋)
「ユダヤ教内部での改革運動」と言うべきイエスの活動に着目することで、「キリスト教」の本質的要素を明らかにした異色の宗教論。キリスト教成立前後の、ユダヤ教から分裂・独立を果たし、パウロによって確立する支配構造の実態に迫ります。
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https://mag.nhk-book.co.jp/article/39371
――宗派間の対立が熾烈な「キリスト教」は、なぜかくも複雑化したのか? (「序 キリスト教は西洋文明にとっての本質か」より)
【目次】
序 キリスト教は西洋文明にとっての本質か
第1章 「キリスト教」についてのアプローチ
第2章 ユダヤ教の諸段階
〈1〉カナンへの定住――普通の一神教 [前十二世紀]
〈2〉北王国の滅亡――本格的な一神教 [前八世紀前半]
〈3〉神の前での「自己正当化」の排除 [前二〜前一世紀]
〈4〉「律法主義」への収斂 [一世紀末]
第3章 キリスト教の成立
〈1〉神に選ばれたイエス
〈2〉さまざまな教会のさまざまな教え
第4章 キリスト教と「世俗化」
第5章 日本とキリスト教の関係について
あとがきにかえて
【著者】
加藤 隆(かとう・たかし)
1957年生まれ。千葉大学人文科学研究院名誉教授。
ストラスブール大学プロテスタント神学部博士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程修了。神学博士。専門は、聖書学、神学、比較文明論。著書に『新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか』『一神教の誕生』『歴史の中の「新約聖書」』『旧約聖書の誕生』『「新約聖書」の誕生』『別冊NHK100分de名著集中講義 旧約聖書』など。
商品情報
書名:『NHK出版新書708 キリスト教の本質 「不在の神」はいかにして生まれたか』
著者:加藤 隆
出版社:NHK出版
発売日:2023年10月10日
定価:1,078円(税込)
判型:新書判並製
ページ数:272ページ
ISBN:978-4-14-088708-0
NHK出版ECサイト:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000887082023.html
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4140887087/
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