カルロ・ロヴェッリの新刊『規則より思いやりが大事な場所で 物理学者はいかに世界を見ているか』事前予約受付開始!
ベストセラー『時間は存在しない』の着想はどこから来たのか? 文理を横断する思考の核心に迫る!
2019年の発売以来、理論物理学の最先端を扱った書籍としては異例ともいえる7万部超のベストセラーとなっている『時間は存在しない』。その著者で「物理学の詩人」とも呼ばれるカルロ・ロヴェッリは、本国イタリアではいち科学者にとどまらず、社会問題や時事的な事柄について考えるとき「ロヴェッリは何と言っているのか」と参照されるような存在です。
本書『規則より思いやりが大事な場所で 物理学者はいかに世界を見ているか』には、そんなロヴェッリが新聞各紙に定期的に執筆しているコラムなどを厳選して収載。『時間は存在しない』の訳者あとがきで訳者の冨永星さんが書いているように、1970年代には学生運動などにも参加していた活動し発言する知識人・ロヴェッリの、多面的な思考に触れることのできる一冊です。
『規則より思いやりが大事な場所で 物理学者はいかに世界を見ているか』はじめにより(抜粋)
新聞の記事には、禅の公案やヨーロッパの十四行詩(ソネット)と似たところがある。長さや形に制限があって、情報にしろ、主張にしろ、内省にしろ、感情にしろ、一つ伝えるのが精一杯。それでいて、何から何まで語り得る。
ここに収められているのは、過去十年ほどの間にさまざまな新聞に載ったコラムで、詩人のことや、何らかの形でわたしに影響を及ぼした科学者や哲学者、旅のことや自分自身が属する世代の話、無神論やブラックホールや望遠鏡や幻覚体験、そして知的な驚きなど……たくさんの事柄について語っている。いうなれば、一人の物理学者――さまざまなことに関心があって、新しい着想を探し求め、幅広く一貫した展望を得たいと思っている物理学者――の知的な冒険を記録した日記の短い書き込みのようなものなのだ。
この本の題名〔原著題名の直訳は、「この世界には規則より配慮が重んじられる場所がある」〕は、これらのコラムの一つに登場するある言い回しからとられていて、おそらく、この本全体に通底する心構えのようなものを表している。でもそれをいえば、ひょっとするとわたし自身が、そういう心構えを旨とする世界で生きてゆきたいと思っているだけなのかもしれない……。
▼カルロ・ロヴェッリ『時間は存在しない』訳者あとがきを公開中
https://nhkbook-hiraku.com/n/nf7672e4538f2?magazine_key=m63c05d7c9ebf
【目次】
第一部 二〇一〇年~二〇一三年
ダンテとアインシュタインと三次元球面/文学と科学 継続する対話/不平等はなぜ存在するのか/ほか
第二部 二〇一四年~二〇一五年
事物の本性について(De rerum natura)/ブラックホール Ⅰ: 恒星間の致命的な引力/科学者アリストテレス/ほか
第三部 二〇一六年
祝祭の日々は終わった/アフリカでの一日/科学に哲学は必要か/ほか
第四部 二〇一七年
わたしの、そして友人たちの一九七七年/信仰にもっとも近い科学は?/無は無である。ナーガールジュナ/ほか
第五部 二〇一八年~二〇二〇年
政治への四つの問い/牢獄の闇から射すサイケデリックな光/この短い人生が、今までになく美しく感じられる/ほか
【著者】
カルロ・ロヴェッリ
理論物理学者。1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学大学院で博士号取得。イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いる。「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』(河出書房新社)で「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」を受賞。『世の中ががらりと変わって見える物理の本』(同)は世界で150万部超を売り上げ、『時間は存在しない』(NHK出版)はタイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」に選出、『世界は「関係」でできている』はイタリアで12万部発行、世界23か国で刊行決定などいずれも好評を得ている。
商品情報
書名:『規則より思いやりが大事な場所で 物理学者はいかに世界を見ているか』
著者:カルロ・ロヴェッリ [訳]冨永星
出版社:NHK出版
発売日:2023年12月25日
定価:2,200円(税込)
判型:四六判並製
ページ数:320ページ
ISBN:978-4-14-081951-7
NHK出版ECサイト:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000819512023.html
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4140819510/
▼好評既刊
書名:『時間は存在しない』
著者:カルロ・ロヴェッリ [訳]冨永星
出版社:NHK出版
発売日:2019年8月29日
定価:2,200円(税込)
判型:四六判並製
ページ数:240ページ
ISBN:978-4-14-081790-2
NHK出版ECサイト:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000817902019.html
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4140817909/
書名:『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』
著者:カルロ・ロヴェッリ [訳]冨永星
出版社:NHK出版
発売日:2021年10月29日
定価:2,200円(税込)
判型:四六判並製
ページ数:240ページ
ISBN:978-4-14-081881-7
NHK出版ECサイト:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000818812021.html
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4140818816/
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