2024年問題で約4割のドライバーが転職を検討、新たな職への挑戦も
2024年問題に関する実態調査

レバレジーズ株式会社が運営するエッセンシャルワーカー向けキャリア支援サービス「レバジョブ」は、ドライバー630名を対象に、時間外労働時間の制限による影響(2024年問題)に関する実態調査を実施しました。
〈調査サマリー〉
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時間外労働の上限規制により、ドライバーの約3割が残業時間が「減少した」と回答
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ドライバーの約4人に1人の年収が減少
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約5人に1人が「職場内の退職者の増加」を実感
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2024年問題により、約4割が転職を検討、新たな職種に挑戦する人も
1.時間外労働の上限規制により、ドライバーの約3割が残業時間が「減少した」と回答
2024年4月から適用された「時間外労働の上限規制」により、約3割のドライバーが月の残業時間について「減少した(28.1%)」と回答しました。特に長距離トラックドライバーで「減少した」と回答した割合が高くなっています。
減少した月あたりの残業時間は「10時間以上~20時間未満(49.2%)」が最も多く、次いで「10時間未満(23.7%)」となりました。時間外労働の上限規制により、ドライバーの労働時間の短縮に一定の効果を発揮していることが分かります。



2.ドライバーの約4人に1人の年収が減少
働き方改革関連法によるドライバーの時間外労働の上限規制を受け、約4人に1人のドライバーが「年収が減少した(25.7%)」と回答しました。職種別では長距離トラックドライバーが最も影響を受けていることが分かります。
減少した額は「10万円~30万未満(35.2%)」が最多でした。働き方改革関連法による時間外労働上限規制は、ドライバーの労働時間短縮に貢献する一方で、一部のドライバーの年収減少につながっている可能性があると考えられます。



3.約5人に1人が「職場内の退職者の増加」を実感
「時間外労働の上限規制」がされたことによる変化については「特になし(37.6%)」が最も多いものの、「残業時間の減少(31.0%)」や「所属企業の賃金の減少(20.6%)」、「職場内の退職者の増加(19.0%)」が上位に挙がりました。2024年問題は労働時間や賃金の変化だけでなく、職場の人材流出にも影響を及ぼしている可能性がうかがえます。
職種別では長距離トラックドライバーで「所属企業の賃金の増加(21.6%)」が上位に入りました。全日本トラック協会の調査*1では、75.8%の事業者が「1年以内に賃上げを行った」と回答しており、企業による待遇改善に向けた取り組みが進んでいるようです。
*1 公益社団法人全日本トラック協会「物流の2024年問題対応状況調査結果」
https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2025/03/chosa20250331kekka.pdf


4.2024年問題により、約4割が転職を検討、新たな職種に挑戦する人も
2024年4月に適応された「時間外労働の上限規制」による影響で転職を検討したことはあるか聞いたところ、「検討したことがある(41.4%)」と回答した人は約4割に上りました。また、約1割のドライバーが「すでに転職した(9.6%)」と回答しており、影響の大きさがうかがえます。
転職を検討した理由は「給与が減少し、より給与水準が高い企業へ転職したかったから(43.6%)」や「労働時間管理が厳格になり、ストレスが増加したから(33.0%)」が上位に挙がりました。
また、車種の変更については約4人に1人が「検討したことがある」と回答しました。
特に長距離トラックドライバーでは、労働時間の上限が設けられたことで走る距離が減り、走行距離に応じて支払われる手当(歩合給)が減るケースが増えています。
そのため、「長距離を走って稼ぐ」働き方から、「1日の乗車回数や勤務時間で収入を得やすいタクシー運転手」への転職を検討する人も見られます*2。法規制をきっかけに培ってきた運転スキルを活かして新たな職種へ転向する動きも広がる可能性があります。
*2 レバジョブ登録者における傾向



〈事業責任者森山のコメント〉
今回の調査では、「時間外労働の上限規制」の適用により、ドライバーの残業時間が減少傾向にあることが明らかになりました。一方で約25%のドライバーは「年収が減少した」と回答しており、賃金面への影響が浮き彫りになっています。年収の減少を受け、ドライバーの約1割が実際に転職し約4割が転職を検討したという結果は、今回の法改正が企業の人材確保や人員体制の維持にも影響を及ぼす可能性を表しているといえるでしょう。実際にレバジョブ登録者の中には「2024年問題で法規制によって労働時間が短くなり、稼ぐことが難しくなった」として、トラック運転手からタクシー運転手への転職を希望するケースも見られ、現場の状況にも変化が表れ始めています。
このドライバーの流出傾向は、企業にとって無視できないリスク要因だと言えます。企業は新しいドライバーの確保だけでなく、ドライバーの離職防止に向けた待遇や労働環境の見直しもより一層必要となるでしょう。
<調査概要>
調査年月:2025年10月6日~2025年10月10日
調査方法:インターネット調査
調査主体:レバレジーズ株式会社
実査委託先:株式会社マクロミル
有効回答数:630名
調査対象:ドライバー(長距離トラックドライバー162名、中近距離トラックドライバー164名、タクシードライバー161名、バスドライバー143名)
レバジョブ(https://lp.levjob.jp/lp/01/1/a/00/00/00/00)
レバジョブは、人々の生活やインフラなどの維持に必要不可欠(Essential)な仕事に従事する“エッセンシャルワーカー”と呼ばれる方々向けの転職サービスです。エッセンシャルワーク領域では、国内の生産年齢人口の減少や高齢化により、人手不足が深刻化しています。特に、近年人手不足や長時間労働が深刻化している物流業界への支援を皮切りに、転職・採用支援を通して、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指します。
レバレジーズ株式会社( https://leverages.jp/ )
本店所在地 : 東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア24階 /25階
代表取締役: 岩槻 知秀
資本金 : 5,000万円
設立 : 2005年4月
事業内容 : 自社メディア事業、人材関連事業、システムエンジニアリング事業、システムコンサルティング事業、M&Aアドバイザリー事業、DX事業、メディカル関連事業、教育関連事業
社会の課題を解決し関係者全員の幸福を追求し続けることをミッションに、インターネットメディア・人材・システムエンジニアリング・M&Aの領域で国や業界をまたいだ問題解決を行なっています。2005年に創業以来、黒字経営を継続し、2024年度は年商1428億を突破しました。各分野のスペシャリストが集うオールインハウスの組織構成と、業界を絞らないポートフォリオ経営で、時代を代表するグローバル企業を目指します。
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