坂本龍一氏の大好評連載「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」、『新潮』2月号の第8回「未来に遺すもの」で遂に完結!
闘病中の創作活動のほか、ウクライナ戦争への考えやBTS・SUGAとの交流も
世界的音楽家・坂本龍一氏による自伝「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」。現在ガンのステージ4にあるという病状を赤裸々に明かし、初回の掲載誌が発売即重版されるほど反響のあったこの連載が、1月7日発売の「新潮」2023年2月号で遂に完結を迎えます。
過去最長、約2万5000字の大ボリュームで語られるエピソードは、余命宣告を受けた直後のピアノ・ソロ生配信から、中国での大規模インスタレーション、オランダでの舞台芸術、ウクライナのヴァイオリニストとの共作曲、哲学者・柄谷行人氏の著作に示唆を受けた団体の活動など盛りだくさん。若い世代に常に影響を与えてきた教授らしく、経済思想家の斎藤幸平氏やBTSのSUGAら、第一線で活躍する才能たちとの交流も明かされます。
また、昨年末に配信され全世界で6万人以上が視聴した「Playing the Piano 2022」と、1月17日に発売される新アルバム「12」に関しては、プロモーションでの本人稼働ができないことから、この連載最終回が坂本氏の最新の思考に触れることのできる貴重な機会に。自らの死を見つめ、「未来に遺すもの」とは何なのか――音楽と共に、ぜひその言葉にも耳を傾けてみてください。
■坂本龍一氏コメント
2020年の末、自らに残された時間を悟ったぼくは、生きているうちにしておかなくてはいけないことをリストアップしました。そのひとつが、『音楽は自由にする』(2009年)以降の活動を自分の言葉でまとめておくことでした。少々慌ただしいスケジュールだったけれど、聞き手の鈴木正文さんにも助けられながら、間もなくリリースされる『12』までの足跡を振り返ることができ、今はホッとしています。連載は完結しますが、もちろんこの先も命が続く限り、新たな音楽を作り続けていくつもりです。
■著者紹介
坂本龍一(さかもと・りゅういち)
1952年東京生まれ。3歳からピアノを、10歳から作曲を学ぶ。東京芸術大学大学院修士課程修了。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年、細野晴臣、高橋幸宏と「YMO」を結成、1983年に散開。出演し音楽を手がけた映画『戦場のメリークリスマス』(1983年)で英国アカデミー賞音楽賞を、『ラストエンペラー』(1987年)でアカデミー賞作曲賞、ゴールデングローブ賞最優秀作曲賞、グラミー賞映画・テレビ音楽賞を受賞。その他、受賞多数。1999年制作のオペラ『LIFE』以降、環境・平和活動に関わることも多く、論考集『非戦』の監修、森づくりを推進する「more trees」の設立など、活動は多岐にわたっている。2006年には、「音楽の共有地」創出を目指す新しい音楽レーベル「commmons」を立ち上げた。2009年、初の自伝『音楽は自由にする』を刊行。2023年、前作『async』以来、約6年ぶりのオリジナルアルバム『12』をリリース。
■書籍データ
【掲載誌】「新潮」2023年2月号
【本体定価】1,200円(税込)
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