<イベントレポート>「Toget-HER」と「HearstLab」が働く女性や女性起業家を応援するパネルディスカッションを開催

- ひとり一人が声を上げること、それが社会を、未来を変える力に-

株式会社ハースト婦人画報社

世界中で80社以上の女性ファウンダーに投資・伴走するコーポレート・ベンチャー・キャピタル「HearstLab(ハーストラボ)」(本社:米国 ニューヨーク州、以下ハーストラボ)は、多様な分野の女性リーダーや組織を結び、シスターフッドの精神で共に未来を切り拓く一般社団法人「Toget-HER(トゥゲザー)」と共催で、2025年10月28日(火)にDeloitte Tohmatsu Innovation Park(東京都・千代田区)にてパネルディスカッションイベントを開催しました。

テーマは「Voices Shape the Future - 私たちが語り、考え、未来を変える」

イベントのテーマは、「Voices Shape the Future - 私たちが語り、考え、未来を変える」。

女性CEOや代表理事、女性リーダー率いる企業で要職を担う方々がパネリストとして登壇し、それぞれの立場から社会や未来を動かすビジョンを語りました。当日は多様な企業で働く女性、スタートアップ関係者、社会課題に関心のある方々、総勢61名にお集まりいただき、未来への希望を感じさせる雰囲気の中で幕を閉じました。

Toget-HERの運営リードである大塚 泰子氏は冒頭で、「今日のテーマ『私たちが語り、考え、未来を変える』の中でも特に大事だと思っているのは『未来を変える』という点です。今まで私たちはさんざん語ってきたし、考えてきました。実行、実現に移していく時が来たと思っています。一人で社会は変えられないからこそ、連帯が大切です。Toget-HERはサポーターとして経済メディア等で日々目にする素晴らしい方々に集まっていただいていますが、もしかすると彼女たちも、会社の中では“たった一人”の女性役員かもしれません。でも一歩外に出ると、仲間がいる。皆さんもここでそんな仲間を見つけていただけたらと思います」と挨拶をしました。

一般社団法人Toget-HER運営リード 大塚 泰子氏

■変化の時代を勝ち抜くために必要な女性リーダーシップとは?

前半のパネルディスカッションは、大塚氏がモデレーターとなり、WAmazing株式会社 CEO 加藤 史子氏と、一般社団法人スタートアップエコシステム協会 代表理事 藤本 あゆみ氏が、変化の時代を勝ち抜くために必要とされる女性起業家のリーダーシップについて語りました。両氏は不確実性や変化はどの時代にもある、だから楽しんだもの勝ちだと声を揃えます。

WAmazing株式会社 CEO 加藤 史子氏(写真中央)、一般社団法人スタートアップエコシステム協会 代表理事 藤本 あゆみ氏(写真右)

加藤氏は「変化が起こったときに、わたしは常に『変わるチャンスかも!』と捉えている。ちょっとずつ経験を積み重ねることで、変化をポジティブにとらえるスイッチを見つけてきたように思います」と話し、「上に立つのではなく、前に立つリーダーになろうと。いろんな人の知恵や応援を自分の力にしながら、最前線に立つことで切り抜けられることが多いと学びました」と経験を語りました。


藤本氏は「変化のスピードは確実に早まっています。その変化はあってしかるべきなので、楽しみましょう。いろんな人と話し、学び合いながら、乗り越えていきましょう。一緒に頑張っていきましょう」。加藤氏は「変化を積み重ねていくことで、次に来る変化に応用できる自分のコアが出来上がっていくのではないかと思っています。楽観的に、変化を楽しんで。明るいリーダーのもとには人が集まります」と会場に集まった参加者にエールを送りました。

■海外での女性起業エコシステムと「ハーストラボ」が果たす役割

「ハーストラボ」で米国以外の地域を統括するInternational DirectorのAzahara García Espejoが来日。「ハーストラボ」Japan Country Managerの土川 純代がモデレーターとなり、海外の女性起業エコシステムの現状と日本市場における展望を語りました。

ハーストラボ International Director Azahara García Espejo(写真左)

ともに約2年間、日本市場で女性起業家への支援を行ってきた土川から、各国市場それぞれの強み、そして日本の女性起業家エコシステムのユニークな点を問われると、Espejoは「米国市場は起業家精神があり、失敗を恐れないマインドがあると感じます。だからこそユニコーン企業もたくさん存在しています。ヨーロッパ市場はより多様性にあふれています。多様性には複雑さも伴いますが、エコシステムを育む上では利点でもあります。中東は豊富な資金も政府支援もあり、かつては抑圧されていた女性たちが今はアグレッシブに世の中を変えています。

日本市場で重要視されていることは、『信頼』です。起業の世界では、投資家にアピールするために自分を大きく見せようとする人もいますが、日本人はそういったことをしないので信頼が生まれるのだと思います。投資はまるで、信頼できる家族にお金を渡すような感覚です。たとえ英語では理解しあえない瞬間があったとしても、起業家が日本語で話し始めると不思議と『これは良い投資になるだろう』と思えるときがあります。日本の起業エコシステムには、育て、慈しむべき日本独自のユニークさがあると思います」と答えました。


日本市場への洞察に共感した土川に、女性起業家の共通点を問われたEspejoは、「教育や文化、歴史にも紐づくと思うのですが、女性は“家庭の柱”として一切の面倒を引き受ける傾向がある気がします。しかしこの明らかな傾向こそが、女性たちがビジネスを創造する源になるのです。そこから生まれるビジネスはとても信頼感がありますし、統計によるとIPO評価額も収益も良いと数字が表しています。自分自身に忠実であり続け、本当に自分が作りたいものを作り続けている点は間違いなく共通項と言えるでしょう。彼女たちが解決しようとしている課題と、プロダクト/サービスを理解してくれる人は必ずいます。女性投資家を増やすことも重要ですし、女性に特化したVCと連携する男性取締役やアドバイザーなど、起業家、投資家、双方の多様性を満たすことがカギだと思います」と女性起業家がより活躍するための展望を語りました。


最後にEspejoは、「日本文化に根付く問題を認識することが、あなたの大きな強みになる可能性もあります。また、どの市場を土俵にするかによっても強みは変わってくるかもしれません。日本人として、そして女性としてのあなたの個性を愛してください」と、未来の女性起業家たちへのアドバイスで締めくくりました。

■「女性が創る持続可能なビジネス」

続いて後半のパネルディスカッションでは、株式会社ハースト・デジタル・ジャパンの博多 修子がモデレーターとなり、「ハーストラボ」アジア地域での第一号投資先となった株式会社zooba CEO 名和 彩音氏、そして「ハーストラボ」の支援先である株式会社MamaWell CEO 関 まりか氏と株式会社Yuimedi CFO 村岡 和彦氏がパネリストとして登場しました。

(写真右から)株式会社Yuimedi CFO 村岡 和彦氏、株式会社MamaWell CEO 関 まりか氏、株式会社zooba CEO 名和 彩音氏

名和氏は、「これからプロダクトを売るぞという段階で問題が発生した時期がありました。CTOの『名和さん、僕を信じて』という言葉を信じ、事業を継続させるために半年間奔走。やっとの思いで売り出したプロダクトについてクライアントにヒアリングをする機会があり、『(zoobaは)チームがいい、仲間がいい』と褒めていただきました。色々な想いが込み上げてきて、泣きながら帰ったことを覚えています。この感動が、今も続いています。これがCEOの醍醐味だと思います」と創業時のエピソードを語りました。

株式会社Yuimedi CFO 村岡 和彦氏

CFOとして女性リーダーを支える村岡氏は「私は、CFOという立場としてCEOが苦手な部分を補完することを大事にしています。起業家は孤独です。色々な逆境もある中で、自分の判断に自信が持てないこともあります。そんな時こそ、チアアップできるコミュニケーションを大事にしています。起業家は普段は弱音なんて吐かないものですが、僕との1on1では弱みを出してOKという形にしています。一方で、起業家は調子がいい時はアクセルを踏みがちです。それに対してしっかりブレーキをかけ、コントロールする。そのリーダーシップを任されています」と自身の役割について説明しました。

株式会社MamaWell CEO 関 まりか氏

関氏は「創業当時、私の子どもは1歳でした。子どもと過ごす時間は”必ず専念”し、一方で家事はリスト化してなるべくリソースを割かず、思考を持っていかれないように工夫したり、外部サービスに頼ることもしています。家事を取捨選択して、子どもに専念することが仕事と家庭の両立の秘訣だと思います。(子育てとの両立の中で)罪悪感を抱くときももちろんありますが、起業人としての想いだけでなく、我が子が大きくなったときにより良い社会にしたいという願いをしっかり思い直し、罪悪感に対して俯瞰的に見るようにしています」と自身の体験から得た信念を語りました。

■自分の”弱さ”を理解し、周りに頼る”勇気”も大切

株式会社zooba CEO 名和 彩音氏

また、自身の考える女性起業家としてのリーダーシップについて名和氏は「私はストロングウーマンではないし、完璧ではありません。自分の”弱さ”が何であるかを明確に理解し、周りに頼る勇気を持つことが大事だと思います。知識がない、場に慣れていないのならば、勉強して知識をつけ、場数を踏んでいけばいい。変えることが難しい弱さは、仲間に指摘をもらうようにしています。客観的に、自分の弱さを理解することを常に意識しています」と自身の考える等身大のリーダーシップのあり方を語りました。

■一人一人が声を上げていくことが、社会の変革につながっていく

ハーストラボ Japan Country Manager 土川 純代

最後にハーストラボ Japan Country Managerの土川 純代は、「日本に初の女性首相が誕生しました。ジェンダーギャップ指数が108位、OECD7カ国では最下位を更新し続けている日本で、この出来事は非常に大きな風穴を開けてくれたものと感じています。一方、現場においてはまだなお、ガラスの天井が存在しているというのが事実です。

私たち一人ひとりが思っていることを声にして、アクションにつなげていくことで未来は切り開かれていくと信じています。そこには周囲の理解、そして協力が欠かせません。今回のイベントも、見えないところでたくさんの男性陣が尽力してくれました。支えてくださっている方々への敬意と感謝の気持ちを携えながら、それぞれの思いを声に上げて社会の変革につなげていくことが、本当の意味でのtogethernessではないかと考えています」と感謝の言葉で会を締めくくりました。

■一般社団法人Toget-HER(トゥゲザー)について

企業で現役の役員や管理職として活躍する女性たちが、これからの時代を切り開く女性たちの成長を後押しすることを「シスターフッド」と定義し、ナレッジの共有や情報交換、メンターシッププログラムなどを行うとともに、ビジネスパーソンとしての成長につながる知識や、ビジネスや社会の最新トレンドやライフスタイル、ウェルネスに至るまで幅広い知識を提供します。さらに、会社や組織、業界の垣根を越えた「シスターフッド」の文化が社会にも広がっていくよう様々な情報発信や活動、他のコミュニティとの連携も行っています。

https://www.toget-her.or.jp/

■HearstLab(ハーストラボ)について

HearstLabは女性が主導する、フィンテック、データ分析、ヘルスケア、物流事業、エンタープライズ・テクノロジー、メディアなどの分野で革新的なアーリーステージのスタートアップ企業に資金投資とサービスを提供しています。女性創業者たちへ、持続可能で拡張性の高いビジネスを構築する手助けをすることで、VC資金調達における男女間格差を埋めることを使命としています。360以上のビジネスを展開するハーストの知見を活用し、HearstLabは、プライバシーとセキュリティ、ソフトウェア開発、法務サービス、財務分析、マーケティングとデザインのサポートなどを投資先の女性起業家に行います。

https://jp.hearstlab.com/





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会社概要

株式会社ハースト婦人画報社

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区南青山3-8-38 南青山東急ビル5F
電話番号
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代表者名
ニコラ・フロケ
上場
未上場
資本金
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設立
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