LIFULL HOME'Sマーケットレポート【2026年1~3月版】
「中古億ション」が前年比2.1倍に急増。消費者は築古化か郊外化を迫られる。賃料は過去最大の上昇を記録。「引越し控え」「郊外化」で防衛の動きも
事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、「LIFULL HOME'Sマーケットレポート 2026年1~3月版」を公開しました。

LIFULL HOME'Sマーケットレポートとは
不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」で掲載された物件データおよび、ユーザーが不動産会社に問合せた物件(反響物件)データを月次で集計し、公開しています。エリア別の平均価格/賃料、平均面積、平均駅徒歩分数、平均築年数の詳細データはExcelデータをご覧ください。
※掲載賃料/価格は「募集条件・売出価格」、反響賃料/価格は「ユーザーが問合せた賃料/価格」を示すものであり、成約賃料/価格とは異なります
Excelデータは下記から無料でダウンロードできます(2020年1月~)
LIFULL HOME'S PRESSの記事はこちら
https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00556/
2026年1~3月のTOPICS
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首都圏シングルタイプ賃貸物件は過去最大の賃料上昇を記録。消費者は「引越し控え」「郊外化」で防衛
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首都圏で「中古億ション」の割合が前年比2.1倍に急増。消費者は築年数の妥協か郊外化を迫られている
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マンション価格高騰・維持費の増加を避ける「一戸建てシフト」が定着
賃貸


2026年3月の賃貸物件の掲載賃料は、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)シングルタイプで99,690円(前年同月比+21.3%)、ファミリータイプで160,753円(同+16.7%)となり、近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)とともに2020年の集計開始以降の最高値を更新しました。
建築費高騰に伴う新築賃料の押し上げや、投資家の利回り確保を目的とした強気な募集賃料の設定などが背景にあると考えられ、特に首都圏シングルタイプの前年からの上昇率は集計開始以降で最大を記録しています。
一方で、ユーザーの予算を示す反響賃料は、首都圏シングルタイプで80,730円(同-0.2%)、ファミリータイプで121,344円(同+0.3%)とほぼ横ばいとなっており、物価高による可処分所得の圧迫などを背景に、消費者が住まいにかけられる予算は市場賃料の上昇に追随できていない実態が浮き彫りになっています。


賃料が上昇するなか、シングルタイプ・ファミリータイプともに東京23区の反響シェアが低下する一方、周辺3県(埼玉・千葉・神奈川)のシェアは増加しています。また、首都圏外から流入する若年層のニーズが高いシングルタイプと比べて、ファミリータイプは反響数自体も漸減傾向にあり、住み替えを見送って現在の居住物件での更新を選択する層が増加するなど、特に近隣での住み替え需要が縮小している可能性があります。
ライフステージの変化などでどうしても転居が必要な場合は、都心部や人気沿線へのこだわりを少し緩め、急行停車駅の隣の駅といった「ずらし駅(https://lifull.com/news/46285/)」や、郊外エリアへ選択肢を広げることで、予算内で希望の広さや設備を確保しやすくなるでしょう。
中古マンション


2026年3月の中古マンション掲載価格は、首都圏シングルタイプ5,687万円(前年同月比+37.5%)、ファミリータイプ6,404万円(同+41.1%)となり、近畿圏とともに2020年の集計開始以降の最高値を更新しました。
しかし、ユーザーの購入希望価格に近いと考えられる反響価格(ユーザーが問合せた物件の価格)は、首都圏シングルタイプで2,889万円(同+6.3%)、ファミリータイプで3,954万円(同+5.4%)にとどまり、掲載価格との乖離が著しく拡大。金利の先高観や住宅ローンの借入限度額の壁により、購買力の上限が顕在化しています。

一方で市場の供給物件は高価格帯へシフトしており、首都圏ファミリータイプの掲載中古マンションにおける「億ション(掲載価格1億円以上のマンション)」の割合は前年比で2.1倍(6.4%→13.7%)に急増しているのに対し、多くの実需層が求める5,000万円未満の物件の割合は前年から10ポイント以上減少(76.5%→64.5%)しており、慢性的な品薄状態になっています。


なお、価格が高騰する東京23区の反響シェアは拡大しており、資産性を重視する富裕層やパワーカップルによる高額物件への関心が高いことに加え、都心居住にこだわる層が築年数を妥協することで予算の帳尻を合わせている(2026年3月の東京23区の反響築年数は前年の約32年から34年へ上昇)傾向も見て取れます。
一方で、埼玉県・千葉県では反響価格の上昇率が掲載価格を上回りましたが、これらのエリアには築年数を妥協できない都内からの検討者が流入していると考えられます。この玉突き的な価格上昇により、本来郊外でマンション購入を検討していた層の一部は予算が届かず、結果として賃貸市場(郊外ファミリー賃貸)に滞留している可能性も考えられます。
中古一戸建て

2026年3月の中古一戸建ての掲載価格は、首都圏3,994万円(前年同月比+10.5%)、近畿圏2,532万円(同+8.4%)となり、いずれも2020年の集計開始以降の最高値を更新しましたが、中古マンション価格と比べるとその上昇は限定的です。

マンションの価格高騰や管理費・修繕積立金の急激な値上がりに対する警戒感から、2024年頃から見られた中古一戸建てへの需要シフトは、現在も継続しています。LIFULL HOME'S総研が住宅取得意向のある人に希望の住宅種類を聞き、10年前と比較した調査(https://www.homes.co.jp/souken/report/202409/)では、「リフォーム・リノベーション済みの中古一戸建て」と回答した人の伸びが最も大きくなっています。これは、工事費の高騰により購入後に自分で行うリフォーム費用の不確実性を嫌い、あらかじめ総予算が確定している物件が好まれていると考えられます。
今後もマンションとの価格の乖離拡大が継続すれば、実需層の一戸建てシフトはさらに進むと予測されます。今後不動産事業者は、こうしたニーズの受け皿となるべく、従来の中古住宅のマイナスイメージの払拭が期待される「安心R住宅」制度の積極的な活用や、買取再販によるリノベーション済み一戸建ての供給強化など、購入から改修までをシームレスに提供する体制の充実が急がれるのではないでしょうか。
解説:LIFULL HOME'S総研 研究員 渋谷 雄大(しぶや たけひろ)

2015年、LIFULLに新卒入社。LIFULL HOME'S営業として、賃貸マーケットを担当した後、2020年よりLIFULL HOME'S PRESS編集部で最新の不動産市況を発信する「LIFULL HOME'Sマーケットレポート」などを担当するほか、データを活用した記事を多数執筆。 2025年10月よりLIFULL HOME'S総研研究員を兼務。
集計対象データ
LIFULL HOME'Sで登録・公開された居住用中古区分マンション、居住用中古一戸建て
シングルタイプ:ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K
ファミリータイプ:2DK、2LDK、3K、3DK、3LDK~
LIFULL HOME'S について(https://www.homes.co.jp/)

LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。
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LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」、不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」などの事業展開を行っています。
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