カナダでのニッケル共同探鉱事業を開始
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:髙原 一郎)は、カナダ・ニューファンドランド・ラブラドール州アドボケイト地域において、アワルワ鉱を対象とするニッケル共同探鉱をFPX Nickel Corp.(以下、「FPX社」)と開始します。
JOGMECは、2025年7月3日付けでカナダの探鉱ジュニア企業であるFPX社と、カナダ・ニューファンドランド・ラブラドール州アドボケイト地域において、アワルワ鉱を対象とするニッケル共同探鉱を実施する契約を締結しました。本地域は、JOGMECとFPX社が2023年3月29日付け共同探鉱契約(注)並びに2025年4月1日付けの変更契約に基づく、世界を対象とするアワルワ鉱の広域調査の結果、新たに抽出した地域です。今般、カナダ投資法に基づく手続きが完了したため、JOGMECはFPX社と本地域における探鉱事業を本格的に開始します。
JOGMECは、FPX社が保有するアワルワ鉱を主体とするニッケル鉱床であるDecarプロジェクト・バプティスト鉱床に着目し、類似鉱床の発見を目的に世界を対象とした広域調査を同社と実施しており、今般、アドボケイト地域における共同探鉱事業の成立に至りました。バプティスト鉱床は未開発ですが、世界で唯一プレフィージビリティスタディまで調査が進んでおり、ニッケル量の規模が大きいことに加え、ニッケルと鉄からなる合金鉱物のアワルワ鉱は、ラテライト鉱等の在来型鉱床と比較して、鉱物からニッケルを取り出す過程におけるトンあたりの二酸化炭素排出量が少ないことが期待されます。
今後、JOGMECは本共同探鉱を進め、電池材料向けかつ低炭素で生産可能な新たなニッケル資源を得られる鉱床の発見を目指し、鉱物資源サプライチェーンの多角化およびカーボンニュートラル社会の実現に一層努めてまいります。
(注)カナダでのニッケル共同探鉱契約を締結~カーボンニュートラル社会の実現へ向けて、電池材料向けニッケルの供給を目指す~(2023年4月5日)
プロジェクトの概要
1)探鉱地域
アドボケイト地域は、カナダのニューファンドランド・ラブラドール州北西部に所在し、セントジョンズの北西350キロメートルに位置する。対象地域は計8,625ヘクタールの鉱区群からなる。既往探査によりアワルワ鉱を主体とするニッケル鉱化が鉱区内に確認されている。
2)共同探鉱契約概要
JOGMECは、鉱区権者であるShoreline Exploration社の鉱区に対してFPX社と共に参入する。JOGMEC分の調査費用として今後3年間で計163.5万カナダドルを拠出することにより、アドボケイト地域の権益48%を取得するオプション権を得る。
共同探鉱相手方概要
【FPX Nickel Corp.】

所在地 |
カナダ・バンクーバー |
---|---|
代表者 |
Martin Turenne (President & CEO) |
概要 |
トロント証券取引所に上場する探鉱ジュニア企業で、旗艦であるカナダ・ブリティッシュコロンビア州のバプティスト鉱床とその周辺域のDecarプロジェクトを対象にアワルワ鉱を主体とするニッケル鉱床の鉱山開発に向けて調査を進めている。バプティスト鉱床については2023年9月のプレフィージビリティスタディにおいて、年産ニッケル量5.9万トンで29年間の生産が可能との結果が得られている。また、アワルワ鉱精鉱からの電池材料向け硫酸ニッケルの製造可能性をパイロットプラントで試験し、可能であるとの結果を得ている。 |
アドボケイト地域位置図





写真.アドボケイト地域の現地状況(上2枚)並びに岩石試料(下2枚)。
pdf版
d12624-854-4e38dac4540a68b18c1d83b48a98f967.pdfすべての画像