博報堂「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」レポート
世帯年収1500万円以上の「インカムリッチ」「会社員」が過半数。資産は「現金・預貯金」のほか、約4割が「自宅の土地」「株式」「生命保険」を保有。「健康や心の豊かさのためにお金をかけている」人は約6割に
株式会社博報堂(東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)は、クライアントの富裕層向けのマーケティング活動を支援し、新たなマーケティングチャンスの創出を行うプロジェクト「博報堂富裕層マーケティングラボ」を立ち上げました。共働き・パワーカップル世帯の増加などによる新たな富裕層の出現に着目し、世帯年収1500万円以上の生活者を「インカムリッチ」と名付け、彼らの意識や価値観、行動などを調査するとともに、富裕層向けマーケティングを研究します。その第一弾として、「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」を実施し、さまざまな意識・行動について聴取。調査から、インカムリッチのお金や時間、消費などに関する価値観がみえてきました。
(調査期間:2023年12月1日~6日、調査対象:全国20~69歳の男女 計2,451名)
<調査結果>
※各層の比率は、全体のサンプル数=2451人のデータを、出現率調査とマクロミルパネルの年収データの出現率でウェイトバック集計したものを掲載
【インカムリッチの割合】
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世帯年収1500万円以上のインカムリッチの割合は、全体の2.4%。最も多いのは男女ともに40代。
【職業】
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インカムリッチの過半数(51.0%)が会社員、約3割(28.0%)が上場企業に勤務。
【保有資産】
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保有する資産は、全体・インカムリッチともに「現金・預貯金」がトップ。
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また、インカムリッチの約4割が「自宅の土地」(45.4%)や「株式」(45.4%)、「生命保険」(41.1%)を保有。「投資信託」(34.8%)や「貴金属・宝石類」(18.9%)を保有する人も、全体より10ポイント(以下pt)以上高い。
【資産運用・投資に対する意識】
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インカムリッチでは、「資産運用では、短期的な利益より、中長期でのリターンを重視」(61.1%)、「リスクを考え、資産の配分を管理」(54.6%)、「ネット証券などを通じて自分で投資」(51.5%)、「貯蓄よりも投資にお金を回したい」(46.3%)と回答した人が、全体より10~20ptほど多い。
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インカムリッチの中でも、特に30~40代男性は、「ネット証券などを通じて自分で投資」(63.0%)、「貯蓄よりも投資にお金を回したい」(59.7%)という意識が6割前後と高く、投資への意欲が高いことがうかがえる。
【時間・生き方に対する意識】
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インカムリッチでは、「健康や心の豊かさのためにお金をかけている」(56.3%)、「タイムパフォーマンスを重視」(50.4%)、「ゆとりを得るためにお金をかけることを惜しまない」(46.5%)のいずれの項目も、全体より10pt前後高い。
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インカムリッチの中でも、特に子育て世帯が多い30代~50代女性でこれらの意識がさらに10pt前後高く、効率化しながら心身のゆとりのための時間を捻出することへの意欲がうかがえる。
【消費意識】
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消費に関して、全体とインカムリッチで「節約・倹約意識が高い方だと思う」という意識に大きな差は見られないが、インカムリッチは「今の生活を楽しむためにお金を使いたい」(21.2%)、「自分へのご褒美のために贅沢をしたい」(17.8%)、「新しいお店や場所に積極的に出かけるほうだ」(10.4%)といった意識が高い傾向。
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インカムリッチの中でも、特に20~30代女性は「自分へのご褒美のために贅沢をしたい」意識が3割を超え、「ご褒美消費」の意欲がより高い傾向がみられる。
<調査結果への所見>
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、世帯年収1000万円以上の世帯割合は、2013年の11.3%から2022年の12.6%へとおよそ10年で1.3ポイント増加しました。その間、世帯年収1500万円以上の生活者“インカムリッチ”は、2013年から2022年の10年でおよそ100万世帯増加※しています。
その多くを占めているのは会社員・ビジネスパーソンです。企業が若年層や女性のキャリア機会の拡大、仕事と家庭を両立しやすい環境整備に積極的に取り組むことは、パワーカップルをはじめとするインカムリッチのさらなる増加につながることを示唆していると思います。また、インカムリッチの「健康や心の豊かさ」「時間やゆとり」のために積極的にお金を使う意識は、仕事に、プライベートに、家庭との両立に「忙しい」毎日を過ごしているインカムリッチのインサイトを象徴的に示していると感じます。たとえば、インカムリッチの30代女性に見られる「ご褒美消費」需要の攻略には、たとえば、モノやサービスのクオリティに加え、「健康や心の豊かさ」「時間やゆとり」といったインサイトをどのように満たしていくかが重要なポイントになっていきそうです。
(「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」分析担当)
※厚生労働省「国民生活基礎調査」(2013年、2022年)
■「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」調査概要
・実施期間:2023年12月1日~6日
・調査対象:全国20~69歳の男女 計2,451名(世帯年収1500万円以上のインカムリッチ 1,424サンプル)
※マクロミルパネルの世帯年収データおよびスクリーニング調査結果に基づき、回収サンプル全体に対してウェイトバック集計を実施
・調査手法:インターネット調査
・調査委託先:(株)H.M.マーケティングリサーチ
■博報堂富裕層マーケティングラボ
博報堂富裕層マーケティングラボは、クライアントの富裕層向けのマーケティング活動を支援し、新たなマーケティングチャンスの創出を行うプロジェクトです。共働き・パワーカップル世帯の増加などによる新たな富裕層の出現に着目し、世帯年収1500万円以上の生活者を「インカムリッチ」と名付け、彼らの意識や価値観、行動などを調査するとともに、富裕層向けマーケティングを研究しています。
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