博報堂生活総研[来月の消費予報・2024年8月](消費意欲指数)
猛暑の影響もあり、8月の消費意欲指数は過去5年の同月最低値。消費意向は「旅行」が前月比増も、多くのカテゴリーで前年比減
株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を「来月の消費予報」として発表しています。
※7月4-8日に調査
2024年8月の消費意欲指数は47.3点。前月比で+0.9ptとやや上昇し、前年比では-3.3ptと大幅に低下しました。
【8月のポイント】
Point1 夏休みらしい意欲は高まるも、猛暑の影響から消費意欲は例年より低めに
夏休みや帰省シーズンとなる8月は、例年消費意欲指数が高くなる月ですが、今年は前月から+0.9ptとやや上昇したものの、前年比では-3.3ptと大幅に低下し、過去5年間の8月として最も低い数値となっています。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて、消費にポジティブな回答(7月369件→8月364件)、ネガティブな回答(7月861件→8月840件)ともに、ほぼ横ばいとなりました。具体的には、ポジティブな回答で、「(夏休みがあるからなど)季節的な意欲向上(7月85件→8月140件)」「旅行の予定がある・行きたい(7月34件→8月68件)」が増加し、「(季節もの以外で、買い物など)出費の予定・欲しいものがある(7月109件→8月76件)」が減少しました。ネガティブな回答では、「暑い季節は出かけたくない(7月26件→8月97件)」が増加しました。また、先月まで5カ月連続で増加していた「物価高・値上げ・円安」は前月からは減少(7月155件→8月82件)したものの、依然高い水準であることに変わりなく、引き続き注視する必要がありそうです。
前年比では、消費にポジティブな回答(23年8月442件→24年8月364件)は減少し、ネガティブな回答(23年8月812件→24年8月840件)はやや増加しています。具体的には、ポジティブな回答で、「(夏休みがあるからなど)季節的な意欲向上(23年8月176件→24年8月140件)」が減少しました。ネガティブな回答では、「暑い季節は出かけたくない(23年8月67件→24年8月97件)」「物欲がない・消費意欲がわかない(23年8月42件→24年8月66件)」が増加しています。
夏休みや帰省シーズンに向けた8月らしい意欲はみられるものの、猛暑がハードルとなり、8月の消費意欲は例年より低めとなりそうです。
Point2 消費意向は、「旅行」のみ前月比増、外出関連など幅広いカテゴリーで前年比減
「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は28.1%で、前月比では-1.3ptと低下し、前年比でも-3.2ptと大幅に低下しました。
16カテゴリー別の消費意向をみると、前月比では「旅行」が20件以上増加し、「書籍・エンタメ」「化粧品」が20件以上減少しました。前年比では「旅行」「化粧品」「レジャー」「外食」「書籍・エンタメ」など11カテゴリーが20件以上減少しました。夏休みや帰省シーズンに向け、「旅行」への意向は前月より高まりそうですが、前年と比べると外出関連など幅広いカテゴリーで消費意向が落ち着く月となりそうです。
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