カーボンニュートラルの実現に向けた「亜鉛による蓄エネルギー技術」の開発を開始
革新的な電力貯蔵技術の確立と早期実用化をめざす
シャープは、カーボンニュートラルの実現に向けて、大規模な電力貯蔵に好適な「フロー型亜鉛空気電池」を用いた蓄エネルギー技術の開発を開始しました。これは、環境省「令和4年度地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の「ボトムアップ型分野別技術開発・実証」枠での採択を受けたものです。当社が長年培ってきた亜鉛空気二次電池技術をベースに、新たにフロー型方式を採用することで、低コストかつ大容量の蓄エネルギー技術の確立をめざします。
日本政府のエネルギー基本計画では、2030年度における太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの電力構成比を36~38%程度と見込んでいます。しかし、自然条件によって発電量が変動する再生可能エネルギーを主力電源化するには、蓄電池(二次電池)を活用した電力供給の平準化が必要不可欠です。そのため、革新的な電力貯蔵技術の開発が期待されています。
今回開発する「フロー型亜鉛空気電池」の技術は、蓄エネルギー物質に亜鉛を用いており、かつ蓄電池の充放電を担うセルと蓄エネルギー物質の貯蔵部が各々独立した構成になっているのが特長です。豊富で安価な資源である亜鉛を利用すること、加えて貯蔵部の大型化による大容量化が容易なことから、低コストで大容量の蓄電池が実現可能です。また、電解液には水系の液体を使用しているため、高い安全性も確保されています。
当社は、カーボンニュートラルの実現に向け、「2050年における自社活動での温室効果ガス排出量実質ゼロ」を環境ビジョンとして掲げ、2035年までに60%削減(※2)を目標に取り組んでいます。本技術を、オフィス・工場での自家消費用途や、発電所・マイクログリッドでの分散型電力貯蓄用途などへ展開し、再生可能エネルギーの普及促進とともにカーボンニュートラルの実現に向けて貢献してまいります。
※1 大規模発電所からの電力供給に頼らず、エネルギー供給源と消費施設を一定の地理的範囲でまとめて、地産地消する小規模電力網。
※2 2021年度比。
※ ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情報です。
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【プレスリリース全文】
https://corporate.jp.sharp/news/220824-a.html
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