【研究者と企業の出会いに関する実態調査】研究者の約9割が企業連携に関心、一方で若手の約8割は「出会えていない」課題が浮き彫りに

株式会社インフォマート

株式会社インフォマート(本社:東京都港区、代表取締役社長:木村 慎、以下「当社」)と、アカデミスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:柴藤 亮介、以下「アカデミスト」)が共同で運営する、研究者と企業が交わるオンラインコミュニティ「academmune(アカデミューン)」は、全国の大学・研究機関等に所属する研究者152名を対象に、企業との連携・出会いに関する実態調査を実施しました。調査の結果、89%の研究者が企業との連携に関心があるものの、出会えていない研究者が56%に上ること、とりわけ若手・関東以外・人文社会系で出会いの機会が不足していることが明らかになりました。地域や専門分野の違いにかかわらず、企業連携に意欲を持つ研究者が企業と出会い、協働を開始できる環境の拡充が急務となっています。

■ 調査結果サマリ

・全体:研究者の89%が企業との連携に関心。一方、実際に『出会えている』のは36%にとどまり、56%は出会う意思がありながら実現できていない

・世代格差:企業と出会えている若手研究者(20-30代)はわずか22%(5人に1人)

・地域格差:関東以外では「出会いたいが方法が分からない」が45%(関東の1.7倍)

・分野格差:人文・社会科学系は連携意欲が全分野で最高(95%)ながら、相談相手がいない割合も最高(51%)

■ 調査の背景

 大学発の知を社会実装につなげる産学連携は、オープンイノベーションの担い手として期待が高まっています。文部科学省の調査によれば、大学等と企業の共同研究は件数・金額とも拡大を続けています。一方で、その実績は特定の分野や大規模大学に集中しており、研究者個人が企業と知り合う経路は限られたままです。研究環境の変化やキャリアの多様化を背景に、企業との連携は研究活動を継続・発展させる選択肢として重要性を増していますが、「研究者自身はどの程度連携を望み、実際に企業と出会えているのか」を捉えたデータは多くありません。そこでacademmuneは、連携の「手前」にある出会いの実態に焦点を当てた調査を実施しました。

■ 調査結果

1. 研究者の89%が企業との連携に関心

企業との連携について「関心がある」(54%)「そこそこ関心がある」(35%)を合わせると、全体の89%が関心を示しました。「関心がない」は2%にとどまり、連携そのものへの拒否感はほとんど見られません。

2. 企業と「出会えている」研究者は36%にとどまる

「企業と出会いたいと思ったとき、実際に出会えていますか」に対し、「出会えている」は36%。最多は「出会いたいが、どうすればいいか分からない」(37%)で、「時間がない」(19%)を合わせると、出会う意思がありながら実現できていない回答者が56%に上ります。課題の本質は研究者の意欲ではなく、企業と出会うための機会や手段の不足にあります。特に、出会いに至るまでのプロセスで時間を要しない方法や場の提供が求められています。

3. 出会いの場は「学会」と「知人の紹介」に集中──既存ネットワークに依存する出会いの構造

企業と出会う場所(複数回答)は「学会・研究会」61%と「知人・研究者からの紹介」40%が突出し、SNSは5%にとどまりました。既存の学術コミュニティと人脈の内側での出会いが多数派で、こうしたネットワークを持たない研究者が新たに企業と出会う経路は限られている構造がうかがえます。

4. 相談相手の有無で、出会いに約5倍の差

企業との協働について相談できる相手がいるかを尋ねたところ、学内(URA・産学連携部門など)にいる46%、学外(研究者仲間・経営者・起業家など)にいる32%に対し、「いない」が38%でした。さらに、学内・学外の両方に相談相手を持つ層は81%が「出会えている」のに対し、いない層は17%と約5倍の開きがあり、相談できる相手の存在は出会いと強く関連しています(※本調査は因果関係ではなく関連を示すものです)。

5. 【属性別】地域・分野・年代の3つの格差──意欲が高い層ほど、出会えていない

本調査では、地域・分野・年代のいずれの軸で見ても、連携への意欲が高いグループほど出会いの手段を持てていないという、共通のパターンが現れました。

5-1. 地域:意欲は全国同水準、出会いの実現率は関東に偏る

地域別(関東・関西・その他)に見ると、「出会えている」は関東43%に対し関西31%・その他30%。「どうすればいいか分からない」は関東(27%)と、関西48%・その他43%より低くなっています。一方で連携への関心層はどの地域も高水準で、意欲の地域差はほとんどありません。参考値として、関東・関西以外の地域で相談相手がいない層では、出会えているのは21名中2名(約1割)にとどまりました。

回答者の声:

「地域企業や団体とかかわるきっかけがなく、専門分野を生かそうとしても方法が分からず困っている」(宮城・人文学)

「こちらから企業にどう声をかけて良いのか悩む」(福井・医歯薬学)

このほか、間に入って伴走してくれる存在を求める声も複数寄せられました。

5-2. 分野:人文・社会科学系は意欲最高、しかし相談相手なしが最多

人文・社会科学系は連携への関心層が95%と全分野で最高ながら、相談相手がいない割合も51%と最も高くなりました。理工農系(同25%)と比べても差は大きく、連携の「型」が確立していない分野ほど、意欲と実現のギャップが大きいことがうかがえます。

回答者の声:

「応用倫理学という学術知をアカデミアにとどめず、もっと広い形で展開できないか」(愛知・人文学)

「人類学にどのような連携のあり方がありうるか知りたい」(京都・社会科学)

5-3. 年代:企業と出会えている若手研究者は5人に1人

連携への関心層は若手ほど高く20-30代の関心層は94%で全年代の最高(40代90%・50-60代84%)でしたが、「出会えている」は22%と50-60代(46%)の半分以下で、意欲と実現の順位が逆転しています。人脈や実績の蓄積が出会いの前提条件になっており、キャリア初期の研究者ほど企業との接点を持ちにくい構造です。

回答者の声:

「今までは、出会い方はコネの有無だった」(農学・環境学・大学院生)

「機会があったからよかったものの、自分から作るのは難しい」(看護学・大学院生)

■ 求められているのは、気軽に出会い、小さく始められる場

本調査では、地域・分野・年代のどの軸で切っても、連携への意欲が高いグループほど出会いの手段を持てていないという結果になりました。現在の主な出会いの経路(学会・紹介)は、企業の参加が多い学会を持つ分野や人脈を築いたキャリア層、企業の集まる首都圏では有効に機能する一方、それ以外の研究者には届きにくい構造があります。


自由記述では、初期から大型の共同研究契約を結ぶのではなく、まずは探索段階における気軽で小規模な連携からスタートしたいという要望が分野を問わず寄せられました。

「50万でも共同研究だと“大ごと”になる。手軽に探索段階の共同研究を行えるといい」(化学・教授)

「友人からスタートできるような、フランクな出会いからのスタートがより良さそう」(生物系科学・大学院生)

意欲ある研究者が、学会や既存の人脈に依らず企業と知り合い、小さく連携を始められる──そうした機会を地域や分野を問わず広げていくことが求められています。

本調査からは、産学連携を広げるうえで、研究者と企業がいきなり共同研究や契約を前提に接点を持つだけでなく、互いの関心や課題を知るための継続的な機会づくりが重要であることが示唆されました。academmuneでは、こうした課題意識を踏まえ、研究者と企業が気軽に出会い、対話を重ねられる場づくりに取り組んでまいります。

■ academmuneについて

academmune(アカデミューン)は、アカデミストとインフォマートが共同で運営する、研究者と企業が交わるオンラインコミュニティです。研究シーズと企業ニーズのマッチングありきではなく、まず双方の関係性を育むことを重視し、月例の交流イベント「academmune Meetup」、季刊誌「academmune Magazine」、オンラインコミュニティを通じて、契約や成果を前提としない継続的な接点をつくっています。

研究者と企業のオンラインコミュニティ「academmune」を開始:https://corp.infomart.co.jp/news/20260409_6161/

■ 完全版レポートのご案内

本調査の完全版レポート(全設問・詳細分析を収録)は、以下のフォームよりご請求いただけます。

請求フォーム:https://share-na2.hsforms.com/1gIEzxnwcTTKdqFvhgQOcNgdxf90

■ 両社代表コメント

インフォマート 代表取締役社長 木村 慎

企業を取り巻く課題が複雑になる中で、企業だけの知識や経験だけでは、答えを見つけることが難しいテーマが増えていると感じています。そうした中、研究者の皆様が長い時間をかけて積み重ねてこられた知見や、私たち企業とは異なる視点からの「問い」は、これからますます大切になるのではないかと思います。

一方で、今回の調査結果を拝見し、企業と連携したいという思いを持ちながらも、出会う機会そのものが十分ではない研究者の方が多くいらっしゃることを、改めて認識しました。

私たちインフォマートも、これまで企業と企業がつながる仕組みをつくってきましたが、研究者と企業をつなぐことについては、まだ始まったばかりです。まずは共同研究や具体的な成果を急ぐのではなく、お互いのことを知り、気軽に話せる機会を少しずつ増やしていくことが大切だと考えています。

academmuneを通じて、これまで出会うことのなかった研究者と企業がつながり、そこから新しい気づきや取り組みが生まれていく。私たちは、その小さなきっかけをつくるお手伝いができればと思っています。

アカデミスト 代表取締役 CEO 柴藤 亮介

アカデミストは2013年の創業以来、学術系クラウドファンディング「academist」をはじめ、研究者の挑戦を後押ししてきました。そのなかで実感してきたのは、研究者の世界は分野や研究室ごとの縦のまとまりが強く、分野を越えて研究者どうしが出会う機会が限られているということです。企業との出会いは、なおさらです。

今回の調査では、約9割の研究者が企業との連携に関心を持ちながら、その多くが「どうすればいいか分からない」と答えました。日々研究者の皆さんと接するなかでの実感と重なる結果です。足りないのは意欲ではなく、出会いの経路です。イノベーションは、異なる世界を生きる者どうしの予期しない出会いから生まれます。経路が開かれれば、研究者一人ひとりの可能性も、イノベーションの可能性も大きく広がるはずです。

academmuneは、その経路を開くための場です。契約や成果を急がず、まず互いを知ることから始められるコミュニティを、インフォマートとともに育てていきます。ここから生まれる出会いに、ぜひご注目ください。

■ 調査概要

・調査名:研究者と企業の出会いに関する実態調査 2026

・調査方法:オンラインアンケート(Googleフォーム)

・調査対象:大学・研究機関等に所属する研究者(国公私立・全国)

・調査期間:2026年7月14日〜7月26日

・有効回答数:152件

・実施主体:研究者と企業が交わるオンラインコミュニティ「academmune」(アカデミスト株式会社・株式会社インフォマート)

※回答者は運営両社の接点層を中心としており、連携への関心が高い層に偏る可能性があります。本調査の数値は因果関係ではなく、回答者の認識・実態を示すものです

■ 会社概要

 会社名:アカデミスト株式会社

 代表者:代表取締役 CEO 柴藤 亮介

 本社所在地:東京都新宿区大久保2-10-2 山崎ビル202

 設立:2013年4月17日

 資本金:8,492万円(資本準備金含む) 

 事業内容:人材育成のための教育事業、 教職員の教育機関への派遣業務、

      学術系クラウドファンディングサイトの運営、学術系メディアの運営、

      大学・研究機関の寄付金獲得代行事業、大学・研究機関の広報代行事業

 従業員数:10名

 URL:https://www.corp.academist-cf.com/

 会社名:株式会社インフォマート(東証プライム市場:2492)

 代表者:代表取締役社長 木村 慎

 本社所在地:東京都港区海岸1-2-3 汐留芝離宮ビルディング13階

 設立:1998年2月13日

 資本金:49億6,918万円(2026年6月末現在) 

 事業内容:BtoB(企業間電子商取引)プラットフォームの運営

 従業員数:924名(連結)、897名(単体)(2026年6月末現在)

 URL:https://corp.infomart.co.jp/

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会社概要

株式会社インフォマート

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https://corp.infomart.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区海岸1-2-3 汐留芝離宮ビルディング13階
電話番号
03-5776-1147
代表者名
木村 慎
上場
東証プライム
資本金
49億6918万円
設立
1998年02月