市川染五郎、市川亀治郎、中村勘太郎、中村七之助、豪華独占インタビュー!・・・「明治座五月花形歌舞伎」をWOWOWで放送!
市川染五郎、市川亀治郎、中村勘太郎、中村七之助ら花形歌舞伎俳優が競演する「明治座 五月花形歌舞伎」から、「義経千本桜 川連法眼館」(7月16日 午前11:00~OA)「恋飛脚大和往来 封印切」(7月16日 午後0:30~OA)をWOWOWはオリジナル副音声解説とともに放送する。
「義経千本桜 川連法眼館」は、歌舞伎三大名作のひとつ「義経千本桜」より、人間に化けた仔狐が主人公の物語。早替わり・宙乗りといった歌舞伎らしいケレン味たっぷりの演出も見どころで、市川亀治郎が堂々と演じる。
また、「恋飛脚大和往来 封印切」は、近松門左衛門作の人形浄瑠璃を歌舞伎化した名作。大坂の飛脚問屋の養子・忠兵衛と恋仲の遊女・梅川が一緒になりたいと願うも叶わず、運命のいたずらか因縁か、追い詰められた二人は死の淵へと旅立つことになるという上方歌舞伎の代表作だ。徐々に追い詰められてゆく中村勘太郎演じる忠兵衛と、恋仲の中村七之助、2人を追い詰める八右衛門役の市川染五郎と、それぞれが鬼気迫る熱演をみせる。
今回は4人に、意気込みからビギナーにもお勧めの歌舞伎の見方まで、話を聞いた。
Q:「経千本桜 川連法眼館」(通称『四の切』)は三大狂言のひとつですが、みなさんにとってどのような存在でしょうか?
亀治郎:僕は子供の頃客席で伯父の市川猿之助が演じる狐を指して「あれになるからね」って言ったらしいですよ。狐になりたかったそうです。家の芸ということも特に考えず『四の切』の大道具が昔、同じく義経千本桜の「すし屋」の場の裏に飾ってあって、そこで遊んでいたんです。
勘太郎さん:義経千本桜って、“義経”ってつけているのに主人公じゃない、という筋立てがまずおもしろいですよね。どの話でも、でてくる主人公たちがみんな悲しいし格好いいし、子供の頃から憧れている人物なんですよね。
Q:今回は『四の切』だけの上演です。歌舞伎は一幕だけのものがありますが、どうやって楽しんだらいいのでしょうか?
七之助:『四の切』は比較的分かりやすい芝居だと思います。分からないことがあったら調べたりすれば面白さが広がるのではないでしょうか。
亀治郎:分かる芝居と分からない芝居があるから、イヤホンガイドを借りるとかはいかがでしょうか?
Q:『恋飛脚大和往来 封印切』で染五郎さんは八右衛門を演じるわけですが、感触はいかがですか?
染五郎:面白いですね。(中村勘太郎演じる)忠兵衛に封印を切らせないといけないという役割でもあるんですけど、八右衛門もボンボンなんで根っからの悪人ではない。そういうところが上方ならではの面白いところですよね。ただの敵役ではなく、愛嬌があるところが。
Q:上方歌舞伎についてもお聞かせください。
染五郎:出て来たときに空気が変わるというのが観ていてもあるんです。その面白さが魅力。でも、出て来た時っていうのは喋ってもいないわけですから…その“空気”というものをなんと表現したらいいんでしょう。難しいですね。主人公にも魅力があります。どこか欠落しているというか、ヒーローヒーローしていない人物が主人公になっているのが上方歌舞伎ですよね。欠点がある人間っぽい主人公だからこそ活き活きとした芝居になるのだと思います。
Q:ところで、七之助さんは忠兵衛と恋仲の梅川を演じるわけですが、優男とつきあう女性を演じるのはいかがですか?
七之助:僕はかなり好きな役ですね。梅川は忠兵衛とすごく相性がいいんでしょうね。梅川自身がぽわーんとしている人だから、なんとなく2人は波長が合うんだと思います。
Q:歌舞伎は非常にエンターテインメント性が高いですよね。
亀治郎:僕らは中にいる人間だから、贔屓目があるわけじゃないですか。例えば外国の方たちが見て、果たしてエンターテインメント性があるかは僕らには分からないんです。逆に歌舞伎を裸の目で見てみたいですね。
Q:この番組で初めて歌舞伎に触れる視聴者もいると思います、歌舞伎の魅力を一言お願いします!
染五郎:「なにかを探しにくる感覚」で来てほしいですね。芝居を楽しむという意味でもそうですし、色彩感覚であったり、音楽であったり、舞台機構であったり、そういうことも歌舞伎見物のひとつなんで、なにかを探しにきてもらえると絶対自分が興味を持つものがある…そういう感覚で劇場に足を運んで欲しいです。
明治座はとにかく食事がおいしいですからね。お芝居を観て、食事を楽しんでというのも芝居見物のひとつの楽しみだと思います。
亀治郎:顔が白い人が演じている!(笑)。いや、初めてみたらびっくりしますよ!目の周りは赤く塗っていたり、大袈裟に喋ったりしていますから。演っていることを分かろうとするよりも、「何を大袈裟な!」とか、まずはそういうことを楽しむのでいいと思います。面白がってくだされば、嬉しいです。
「義経千本桜 川連法眼館」「恋飛脚大和往来 封印切」は、7月16日(土)午前11:00にWOWOWで放送。
撮影:加藤 孝
「義経千本桜 川連法眼館」は、歌舞伎三大名作のひとつ「義経千本桜」より、人間に化けた仔狐が主人公の物語。早替わり・宙乗りといった歌舞伎らしいケレン味たっぷりの演出も見どころで、市川亀治郎が堂々と演じる。
また、「恋飛脚大和往来 封印切」は、近松門左衛門作の人形浄瑠璃を歌舞伎化した名作。大坂の飛脚問屋の養子・忠兵衛と恋仲の遊女・梅川が一緒になりたいと願うも叶わず、運命のいたずらか因縁か、追い詰められた二人は死の淵へと旅立つことになるという上方歌舞伎の代表作だ。徐々に追い詰められてゆく中村勘太郎演じる忠兵衛と、恋仲の中村七之助、2人を追い詰める八右衛門役の市川染五郎と、それぞれが鬼気迫る熱演をみせる。
今回は4人に、意気込みからビギナーにもお勧めの歌舞伎の見方まで、話を聞いた。
Q:「経千本桜 川連法眼館」(通称『四の切』)は三大狂言のひとつですが、みなさんにとってどのような存在でしょうか?
亀治郎:僕は子供の頃客席で伯父の市川猿之助が演じる狐を指して「あれになるからね」って言ったらしいですよ。狐になりたかったそうです。家の芸ということも特に考えず『四の切』の大道具が昔、同じく義経千本桜の「すし屋」の場の裏に飾ってあって、そこで遊んでいたんです。
勘太郎さん:義経千本桜って、“義経”ってつけているのに主人公じゃない、という筋立てがまずおもしろいですよね。どの話でも、でてくる主人公たちがみんな悲しいし格好いいし、子供の頃から憧れている人物なんですよね。
Q:今回は『四の切』だけの上演です。歌舞伎は一幕だけのものがありますが、どうやって楽しんだらいいのでしょうか?
七之助:『四の切』は比較的分かりやすい芝居だと思います。分からないことがあったら調べたりすれば面白さが広がるのではないでしょうか。
亀治郎:分かる芝居と分からない芝居があるから、イヤホンガイドを借りるとかはいかがでしょうか?
Q:『恋飛脚大和往来 封印切』で染五郎さんは八右衛門を演じるわけですが、感触はいかがですか?
染五郎:面白いですね。(中村勘太郎演じる)忠兵衛に封印を切らせないといけないという役割でもあるんですけど、八右衛門もボンボンなんで根っからの悪人ではない。そういうところが上方ならではの面白いところですよね。ただの敵役ではなく、愛嬌があるところが。
Q:上方歌舞伎についてもお聞かせください。
染五郎:出て来たときに空気が変わるというのが観ていてもあるんです。その面白さが魅力。でも、出て来た時っていうのは喋ってもいないわけですから…その“空気”というものをなんと表現したらいいんでしょう。難しいですね。主人公にも魅力があります。どこか欠落しているというか、ヒーローヒーローしていない人物が主人公になっているのが上方歌舞伎ですよね。欠点がある人間っぽい主人公だからこそ活き活きとした芝居になるのだと思います。
Q:ところで、七之助さんは忠兵衛と恋仲の梅川を演じるわけですが、優男とつきあう女性を演じるのはいかがですか?
七之助:僕はかなり好きな役ですね。梅川は忠兵衛とすごく相性がいいんでしょうね。梅川自身がぽわーんとしている人だから、なんとなく2人は波長が合うんだと思います。
Q:歌舞伎は非常にエンターテインメント性が高いですよね。
亀治郎:僕らは中にいる人間だから、贔屓目があるわけじゃないですか。例えば外国の方たちが見て、果たしてエンターテインメント性があるかは僕らには分からないんです。逆に歌舞伎を裸の目で見てみたいですね。
Q:この番組で初めて歌舞伎に触れる視聴者もいると思います、歌舞伎の魅力を一言お願いします!
染五郎:「なにかを探しにくる感覚」で来てほしいですね。芝居を楽しむという意味でもそうですし、色彩感覚であったり、音楽であったり、舞台機構であったり、そういうことも歌舞伎見物のひとつなんで、なにかを探しにきてもらえると絶対自分が興味を持つものがある…そういう感覚で劇場に足を運んで欲しいです。
明治座はとにかく食事がおいしいですからね。お芝居を観て、食事を楽しんでというのも芝居見物のひとつの楽しみだと思います。
亀治郎:顔が白い人が演じている!(笑)。いや、初めてみたらびっくりしますよ!目の周りは赤く塗っていたり、大袈裟に喋ったりしていますから。演っていることを分かろうとするよりも、「何を大袈裟な!」とか、まずはそういうことを楽しむのでいいと思います。面白がってくだされば、嬉しいです。
「義経千本桜 川連法眼館」「恋飛脚大和往来 封印切」は、7月16日(土)午前11:00にWOWOWで放送。
撮影:加藤 孝
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