マンダム、温泉成分として知られるアルムKがヒト表皮角化細胞の増殖を促進することを発見~肌の本来の力を引き出し、ふっくらとハリ密度が整えられた肌を目指して~
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また、環境温度が低いと肌状態は悪化することが知られていますが、アルムKは低温培養条件下で低下したヒト表皮角化細胞の増殖を回復させることも明らかにしました。
マンダムは本研究成果を、肌の恒常性を維持し、健やかで美しい肌へ導く製品開発に応用して参ります。
この研究成果については、2023年11月3日(金)~5日(日)にインドネシア・ジョグジャカルタで開催されたThe 8th ICPAPS 2023 and The 14th Annual Conference of ISCC※1において発表しました。また、2024年3月28日(木)~3月30日(土)に開催される第101回日本生理学会においても発表を予定しています。
研究の背景
これまで、温泉成分として知られるアルムKが、細胞の感覚センサーTRP(トリップ)チャネル※2の一種で、ヒト表皮角化細胞に存在するTRPM4を活性化し、ヒト表皮角化細胞からの炎症シグナルを抑制することや、アルムKを配合したローションが肌の水分量・ハリ指標などを改善することを見出し、アルムKが肌の炎症抑制や肌状態を改善することを明らかにしてきました。しかし、それら以外のアルムKの肌内部への作用については未だ不明な点がありました。
そこで今回、アルムKが肌のハリ感や見ためのふっくら感に影響することに着目し、本研究ではアルムKのヒト表皮角化細胞に与える作用を確認しました。
1.アルムKはヒト表皮角化細胞の増殖を促進する
ヒト表皮角化細胞は、増殖と角化の繰り返し(ターンオーバー)によって、健全な表皮を形成しています。しかしながら、ヒト表皮角化細胞の増殖は、加齢に伴って低下することが知られています。
今回、TRPM4を活性化することによるヒト表皮角化細胞の増殖への影響を調べました。その結果、TRPM4の活性化剤であるアルムK、および既知のTRPM4活性化剤のBTP2を添加することによってヒト表皮角化細胞の増殖が促進されることを見出しました。また、この増殖促進効果は、TRPM4の既知の阻害剤であるグリベンクラミド(GLB)によって抑制されました(図1)。
これらの事実から、アルムKはTRPM4を活性化することにより、ヒト表皮角化細胞の増殖を促進することが明らかになりました。
2.アルムKは、低温培養条件下で抑制されるヒト表皮角化細胞の増殖を回復させる
ヒト表皮角化細胞の増殖は温度によっても影響を受けることが知られています。今回実際に、培養温度を変化させて調べたところ、低温培養条件下(35℃)では通常の培養温度条件下(37 ℃)と比べて、ヒト表皮角化細胞の増殖が低下することを確認しました(図2)。そして、低温培養条件下でTRPM4活性化剤であるアルムK、BTP2をそれぞれ添加することにより、低下した細胞増殖が回復することも明らかになりました(図3)。
以上の結果から、アルムKはTRPM4を活性化することにより、ヒト表皮角化細胞の増殖を促進させることが明らかになりました。
マンダムでは、ヒト表皮角化細胞のターンオーバーを調整し、肌自体の生まれ変わる力をサポートすることによって、肌の本来の力を引き出し、ふっくらとハリ密度が整えられた肌をかなえる製品の開発に、本研究成果を応用していきます。
【TRPM4の肌への作用メカニズム参考動画】
注釈および用語解説
※1 The 8th ICPAPS 2023 and The 14th Annual Conference of ISCC
The 8th International Conference on Pharmacy and Advanced Pharmaceutical Sciences (ICPAPS 2023) and the 14th Annual Conference of the Indonesian Society for Cancer Chemoprevention (ISCC 2023)
※2 TRP=Transient Receptor Potential。
さまざまな感覚受容に関与する陽イオンチャネルファミリーで、化学物質や温度などを感知して電気信号に変換するセンサー
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