アートシンキングを習得できるオンライン研修プログラム「Art Thinking School Inspiration Talk」の無料公開を開始
博報堂は、世界的なクリエイティブ機関「アルスエレクトロニカ(Ars Electronica)」と昨年共同開発したオンライン研修プログラム「Art Thinking School Inspiration Talk」の動画全6話を本日より無料公開いたします。
「Art Thinking School Inspiration Talk」は、45年以上にわたりアートシンキングをはじめ「先端テクノロジーがもたらす新しい創造性と社会の未来像」を提案するアルスエレクトロニカと、長年の生活者研究とクリエイティビティに強みを持つ博報堂の連携による多彩なインスピレーションを通じて、未来社会へ対峙する独創力・思考力を鍛える内容を、動画を通じて学べるプログラムです。
アートシンキングの視点を取り入れた未来志向の新しい知見を獲得し、未来を見据えた創造的な思考法を学ぶ機会として、手軽に個人がアートシンキングを学ぶことができるよう、2023年8月にリリースいたしました。
博報堂は、2024年9月にオーストリア・リンツ市で開催される「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」にて、より良い未来を刺激するための空間「Art Thinking Lounge」展示をアルスエレクトロニカと共に実施します。展示されるアート作品や企業の未来ビジョンのプロトタイプの体験を通じて、訪れた専門家や市民・生活者と共に新たな視点を議論し、未来を切り拓く対話を促進する場を提供します。
この「Art Thinking Lounge」の実施に合わせ、よりアートシンキングにアクセスしやすい方法として「Art Thinking School Inspiration Talk」を位置づけ、無料公開することで、より多くの方に、アートに触発され、より良い未来社会の実現に向けて自ら行動する機会を提供したいと考えています。
2024年の「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」のテーマ「HOPE – who will turn the tide(希望-誰が潮目を変えるのか)」は、変動する世界の中で希望を見出し、未来に向けた変化を導く力を問うものです。
このテーマになぞらえ、「Art Thinking School Inspiration Talk」は、視聴者がアートの力を借りて自身の「HOPE」を再考し、行動に移すためのインスピレーションとなると考えています。フェスティバルに現地参加される方も、参加が難しい方も、このプログラムを未来を切り拓く一つの切り口として捉えていただきたいと考えています。無料公開の「Art Thinking School Inspiration Talk」プログラムは下記URLからご確認ください。
https://vimeo.com/ondemand/artthinkingschool
また上記の展示空間「Art Thinking Lounge」の中で、今年度博報堂内に新設された研究デザインセンターのメンバーが、都市の中での生活者の振る舞いに着目したリサーチ「Rhythms of People」を展示いたします。その展示の風景や、アルスエレクトロニカ・フェスティバルを通じて得た未来社会の兆しを捉える視点は、フェスティバル後にレポートとして発信いたします。
博報堂とアルスエレクトロニカは、2014年に協働を開始して以降、未来社会を創り出すアイデアを共創し、社会実装を行う数々の取り組みを行ってまいりました。これからも両者のコラボレーションを通じて、時代に沿いながら生活者と共に新しい社会的価値を創出していきます。
【博報堂 研究デザインセンター(RDC)】
2024年に設立された博報堂の研究開発組織で、「未来生活者発想」をコンセプトに「生活者・生活者発想」、「ブランド」、「クリエイティビティ」に関する研究・開発・教育・発信を推進しております。
傘下に、生活総合研究所(1981年設立)と生活者発想技術研究所(2024年新設)があります。
■各エピソードの詳細
「Art Thinking School Inspiration Talk」プログラムは下記URLからご確認ください。
https://vimeo.com/ondemand/artthinkingschool
全6回のエピソードで構成され、アルスエレクトロニカセンターに展示されている作品から得られるインスピレーションをもとに、アルスエレクトロニカと博報堂のメンバーが、アートシンキングによって各テーマを多角的に探求する内容になっています。 各プログラムでは、アートシンキングの基本概念から、デジタル社会における「信頼」の再定義、持続可能なコミュニティの構築、AIのクリエイティブなポテンシャル、ロボットらしさと人間らしさの関係性、そしてポスト人新世における共生的クリエイティビティまで、多岐にわたるテーマを取り扱っています。
01 Art Thinking アートシンキングとは? - 次世代リーダーに必要なリテラシー
アートシンキングは、単なる方法論ではなく、未来を見据えたマインドセットそのものです。このエピソードでは、アートシンキングの基本概念を理解し、次世代のリーダーとして未来の課題に立ち向かうための思考法を学びます。
02 Who Owns the Truth? “信頼”を問い直すアート – 「複数の真実の時代」に向き合うデジタルソーシャリズム
デジタル社会において、「真実」や「信頼」の概念は劇的に変化しています。このエピソードでは、テクノロジーと人間の関係を「デジタル・ヒューマニズム」の視点から再検討し、複数の真実が存在する時代における信頼の意味を問い直します。さらに、昨年のフェスティバルでのテーマ「Who Owns the Truth?」を題材にした作品や、フェスティバルの裏側についても紹介します。
03 Smart Citizen & Open Lab アートシンキングと持続可能なコミュニティの作り方 - 未来志向を促す実験場
持続可能なコミュニティの創造には、市民との信頼関係と透明性が不可欠です。このエピソードでは、アートシンキングを通じて、持続可能で未来志向のコミュニティを構築するためのアプローチを探求します。リアルなデータに基づく市民参加型プロジェクトを通じて、アーティストたちが考案する未来を創造する実験場が紹介されます。
04 Creative Intelligence AI×アートが拓く可能性 – “人と会話するAI”が可能にする共創
AIの進化は、人間の創造性に新たな視点をもたらします。このエピソードでは、AIとアートの融合によって生まれるクリエイティブな可能性に焦点を当てます。AIが単なるツール以上の存在として、共創のパートナーとなる可能性を考察し、AIとアートのコラボレーションがもたらす新しい創造性の形を模索します。
05 Humanity & Robotinity アートシンキングで考えるロボットと人間 – 自律化の時代のロボット論
自律性を持つロボットが登場する中で、「人間らしさ」や「ロボットらしさ」の境界は曖昧になりつつあります。このエピソードでは、アートシンキングを通じて、人間とロボットの相互作用を再評価し、ロボットと共存する未来に向けた新たな視点を提供します。「ロボットらしさ」を通して、人間らしさを再定義するアプローチも探求します。
06 Symbiotic Creativity アートシンキングとポスト人新世 – プラネット・センタード・アプローチ
従来の「ヒューマンセンタード」から「プラネットセンタード」への移行が求められています。このエピソードでは、企業が環境問題に取り組む第一歩や、自然との共創姿勢について考察します。人間と地球が共生する未来を目指し、新たなアプローチを提案します。
■ハイライト発言の抜粋
プログラム内の発言を一部抜粋しております。詳細はぜひ本編の動画をご覧ください。
小川秀明氏:「アートは特効薬ではありません。(中略)アートのプロセスとデザインのプロセスを合体して未来の社会が構想できれば、非常にパワフルな創造戦略になると思います。そういう意味で、アートが皆さんにとってのホープに繋がるのではないでしょうか。」
01 Art Thinking アートシンキングとは? - 次世代リーダーに必要なリテラシー
小川絵美子氏:企業はあくまでコミュニティをサポートする立場であり、市民のみなさんに参加していただけるようなツールをつくることが大切だと思います。(中略)日本の企業はどうしても完璧を求めてしまいますが、いまやソフトウェアがアップデートされるのが当たり前の時代。不完全かもしれないけれどバージョン1を出して、そこから不具合を調整していくことも受け入れられるようになっています。
03 Smart Citizen & Open Lab アートシンキングと持続可能なコミュニティの作り方 - 未来志向を促す実験場
Ali Nikrang氏:創造性の定義は「驚きをもたらすもの」であるべきだと考えています。(中略)現代は人間の歴史ではじめて、自律的に機能する“創造的なシステム・ツール・技術”を手に入れた時代ということになります。これはアーティストだけでなく、全人類にとって新しい状況をもたらします。(中略)我々はこのAIというシステムと交渉する必要が出てきたのです。
04 Creative Intelligence AI×アートが拓く可能性 – “人と会話するAI”が可能にする共創
小川絵美子氏:ロボットは人間らしさを見つめるためのツールだと考えています。ロボットに対するケアを考えることで、同時に人間に対するケアを考えることができる。AIでもロボットでも、人間らしさを見つめるための存在なんだと意識することが、ヒューマニティを見つめるヒントになるのではないでしょうか。
05 Humanity & Robotinity アートシンキングで考えるロボットと人間 – 自律化の時代のロボット論
「Art Thinking School Inspiration Talk」の全編をご覧になりたい方は、下記URLからご確認ください。
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