EV普及によるカーボンニュートラル実現に向けたEV駆動用バッテリー残存性能診断 実証実験の実施について
1.実証実験の目的
カーボンニュートラルの実現に向けて注目が集まっている電動自動車(EV車)は、搭載されているEV駆動用バッテリー(以下、EVバッテリー)が劣化に伴い走行距離が短くなってしまう課題があります。一方、EVバッテリーは劣化度によって利用シーンを分けることや、リユースすることが可能なため、環境への配慮から注目度が高まっています。
こうした状況を踏まえ、EVバッテリーの劣化度を迅速且つ正確に判定する技術により、車両の運行記録からEVバッテリーの劣化度の影響を分析し、より長くEVを愛用できる走行・充電方法が提案できるように模索するとともに、中古車市場の活性化及びバッテリーリユースの広域化への貢献を目的とした実証実験を実施します。
2.実証実験の概要
実験内容 |
業務用社有車で使われているEVバッテリーの劣化度調査 (新品時の電池容量と比べて劣化度を算出) |
実証期間 | 2024年1月29日(月)~2024年2月21日(水) |
車両台数 | 4台 (NTT東日本福島支店が業務用に使用するEV車) |
実験場所 | 東洋システム株式会社 いわき本社 |
実験 ① | 充放電評価システム(東洋システム製)を使った電池容量の測定を行い、対象となるEVバッテリーの正確な劣化度を評価し、EVバッテリー残存性能の真値を見極めます。 |
実験 ② | バッテリー劣化診断システム「BLDS」を使用したEVバッテリーの迅速な劣化度診断を行い、その診断結果を充放電評価システムで得たEVバッテリー残存性能の真値と比較します。 |
期待成果 ① | BLDSを使ったバッテリーの残存性能診断による新しい評価方法の信頼性と普及性を確認します。 |
期待成果 ② | 運行状況の違いによるEVバッテリーの劣化を食い止め、高水準の品質を保ったEVバッテリーの市場普及が可能となる走行を提案できるようになることを確認します。 |
3.実証実験 実施イメージ
<実験①>
~充放電評価システムを使ったEVバッテリー残存性能を評価する流れ~
時間をかけて充電と放電を行い、使える/溜められるエネルギー(バッテリー容量)を精密に測定します。
<実験②>
~BLDSを使ったEVバッテリー残存性能を評価する流れ~
「急速充電」時のデータをスマートフォン経由でクラウドにデータ送信し、クラウドの独自演算で算出した「バッテリー残存性能の診断結果」を確認します。
4.各社の役割
<東洋システム>
EVバッテリーの残存性能確認における評価試験並びにBLDS診断用のデータ取得と診断解析を実施。
<日本カーソリューションズ>
診断対象EV車の提供、及びEVバッテリー診断結果を踏まえた使用期間延長の可否や中古車EV価値の検討
<NTT東日本福島支店>
診断対象EV車の提供、及びEVバッテリー診断結果と運行記録を照らした、EV車用途、運行ルートの再検討並びに使用期間延長によるLife Cycle AssessmentでのCO2排出量削減の検証協力。
5.各社概要
<東洋システム>
会社名 : 東洋システム株式会社
代表者氏名 : 代表取締役 庄司 秀樹
所在地 : 福島県いわき市常磐西郷町銭田106番地の1
設立 : 1989年11月1日
ホームページ : https://toyo-system.co.jp/
<NCS>
会社名 : 日本カーソリューションズ株式会社
代表者氏名 : 代表取締役社長 髙島 俊史
所在地 : 東京都千代田区外神田四丁目14番1号
設立 : 1987年2月20日
ホームページ : https://www.ncsol.co.jp/
<NTT東日本 福島支店>
会社名 : 東日本電信電話株式会社 福島支店
代表者氏名 : 支店長 畠山良平
所在地 : 福島県福島市山下町5-10
設立 : 1999年7月1日
ホームページ : https://www.ntt-east.co.jp/
6.今後に向けて
本実証の結果を踏まえ、他エリアのEV車も含めEVバッテリー劣化度を最小化する運行を展開し、CO2排出量削減を図ります。今後も、カーボンニュートラルの実現に向けた取組みを地域パートナー、NTTグループ一体となって進めてまいります。
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