新潮文庫3月新刊は恒例のミステリー&サスペンス・フェア! 奥泉光さんの異色の将棋ミステリーから「まるで騙し絵!」の逢坂剛さんの超大作、そして話題騒然の新鋭・白井智之さん文庫最新刊まで!
株式会社新潮社は3月1日、新潮文庫3月新刊を発売しました。ラインナップをご紹介いたします。
奥泉光『死神の棋譜』
初夏、名人戦の最中に詰将棋の矢文が見つかった。その「不詰めの図式」を将棋会館に持ち込んだ元奨励会員・夏尾は消息を絶つ。同業者の天谷から22年前の失踪事件との奇妙な符合を告げられた将棋ライターの〈私〉は、かつての天谷のように謎を追い始めるが――。幻の「棋道会」、北海道の廃坑、地下神殿での因縁の対局。将棋に魅入られた者の渇望と息もつかせぬ展開が交錯する究極のミステリ!
https://www.shinchosha.co.jp/book/128424/
逢坂剛『鏡影劇場〔上〕』
ある日、逢坂剛氏のもとに奇妙な宅配便が届いた。中身は旧式のフロッピディスク。添付の手紙にはフロッピ内の原稿を読んでほしいとあった。差出人は〈本間鋭太〉なる人物で、タイトルは「鏡影劇場」。物語は、マドリードの古書店から始まっていた……。謎だらけの古文書、十九世紀の異端作家ホフマンにまつわる秘密。東京で進む解読は、予想外の事態を出来させ、謎はいっそう深まっていく。
https://www.shinchosha.co.jp/book/119520/
逢坂剛『鏡影劇場〔下〕』
奇矯な学者本間鋭太、訳稿を受け取る古閑沙帆、ギタリスト倉石学と妻麻里奈、その美しい娘由梨亜。どこか秘密めいた人物たちの〈別の顔〉とは。奇妙な言葉〈ハト〉とは……。ついに古文書の全貌が明らかになるとき、虚実入れ子の物語は、脱出不能の〈結末〉へなだれこむ。長年渉猟してきた貴重な資料を駆使し、ホフマンと鷗外、漱石、乱歩などの考察も織り込んだ、巧緻にして驚倒のミステリー。
https://www.shinchosha.co.jp/book/119521/
木内昇『占』
翻訳家の桐子(とうこ)は大工の伊助と深い仲。ただ彼は、生き別れた義妹が一番大事という。ならば私は何だと桐子は憤り、偶然行き着いた卜い家(うらないや)で彼の本心を探る(「時追町の卜い家」)。お宅は平穏ねと羨まれる政子。果たしてそうか、近所の家庭を勝手に格付けし、比べ始める。それが噂になってしまい……(「深山町の双六堂」)。“占い”に照らされた己の可能性を信じ、逞(たくま)しく生きる女性たちを描く短編集。
https://www.shinchosha.co.jp/book/101882/
遠藤周作『影に対して―母をめぐる物語―』
なぜ父と母は別れたのか。なぜあのとき、自分は母と一緒に住むと勇気を持って言えなかったのか。理由は何であれ、私が母を見捨てた事実には変わりはない――。完成しながらも手元に残され、2020年に発見された表題作「影に対して」。破戒した神父と、人々に踏まれながらも、その足の下から人間をみつめている踏絵の基督を重ねる「影法師」など遠藤文学の鍵となる「母」を描いた傑作六編を収録。
https://www.shinchosha.co.jp/book/112340/
新潮文庫/編『文豪ナビ 遠藤周作』
信仰や神をテーマとした重厚な純文学作品を描く一方、「狐狸庵山人」として軽妙なエッセイを綴る。イタズラやホラ話を好み、「ホラ吹き遠藤」とも言われ、様々な顔を持つ。代表作『沈黙』から没後発見された「影に対して」まで。弱者に寄り添い続けた作家に迫る。代表作のジャンル別の紹介・くわしい評伝・作品をより楽しむためのコラムや読み物など、文豪の新たな魅力を発見できる作家案内。
https://www.shinchosha.co.jp/book/112300/
西村京太郎『近鉄特急殺人事件』
京都発賢島行近鉄特急ビスタEX(エックス)の車内で大学准教授が殺された。彼はテレビ番組の過激な司会者として知られ、番組で伊勢神宮を貶める自説を主張する予定だった。一方、東京では歴史雑誌編集者が殺され、同棲していた同僚の女が姿を消した。二つの殺人に関連を感じ伊勢神宮に向かった十津川警部が内宮門前町〈おかげ横丁〉で発見したのは、容疑者の意外な姿だった。長編トラベルミステリー。
https://www.shinchosha.co.jp/book/128545/
白井智之『名探偵のはらわた』
「亘(わたる)君、君は真実を語るべきだ」農薬コーラ毒殺魔、局部切断女、そして恐怖の三十人殺し! 昭和史に残る極悪犯罪者たちが地獄の淵から甦(よみがえ)り、現代日本で殺戮の限りを尽くす。空前絶後の惨劇に立ち上がった伝説の名探偵は、推理の力でこの悪夢を止められるのか。「疑え――そして真実を見抜け」二度読み必至の鮮やかな伏線回収、緻密な論理(ロジック)による美しき多重解決。本格ミステリの神髄、ここにあり。
https://www.shinchosha.co.jp/book/104481/
中野京子『画家とモデル―宿命の出会い―』
生涯独身を貫き、人知れず青年のヌードを描いたアメリカ屈指の肖像画家サージェント。身分違いの女公爵への恋文を絵に潜ませた宮廷画家ゴヤ。遺伝性疾患のために「半人半獣」と蔑まれた少女を描いたイタリアの画家フォンターナ。15年にわたり人妻と密会して描き続けたリアリズムの巨匠ワイエス……。不世出の画家たちが画布に刻みつけた、モデルとの濃厚にして深淵なる関係を読み解いた論集。
https://www.shinchosha.co.jp/book/104531/
ドロレス・ヒッチェンズ『はなればなれに』(訳:矢口誠)
ともに二十二歳の前科者スキップとエディは、夜間学校で天涯孤独な十七歳の娘カレンと知り合う。彼女が身を寄せる未亡人宅に大金が保管されていることを知り、二人は現金を奪う計画を思いつくのだったが――。運命に翻弄された年若い三人の男女を待ちうける転落と絶望のマディソン・ダンス。トリュフォーが魅了されゴダールに映画化を推した、伝説の傑作青春ノワール小説、待望の本邦初訳。
https://www.shinchosha.co.jp/book/240271/
武田綾乃『君と漕ぐ5―ながとろ高校カヌー部の未来―』(新潮文庫nex)
日本代表選手となり注目を集める天才カヌー少女・恵梨香。だが大会で思いがけない事態に見舞われる。親友の舞奈は彼女を見守るが。一方、三年生になった希衣は自らの進路に悩んでいた。大学でも夢を追い続けるべきだろうか、それとも。そして迎えたインターハイ。今度こそ全国制覇の悲願は叶うのか――。感動のエピローグに熱い涙が溢れ出す、水しぶき眩しい青春小説、ついに完結。
https://www.shinchosha.co.jp/book/180260/
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