横浜市立大COI-NEXT拠点Minds1020Labにて「アニメ療法」の実証実験を開始
キャラクターを介したカウンセリングの「社会的処方」としての有効性などを検証
大日本印刷株式会社(DNP)と公立大学法人横浜市立大学COI-NEXT拠点Minds1020Labは、2025年10月1日に、オリジナルキャラクターを活用したオンラインカウンセリングである「アニメ療法®」*1の実証実験を開始しました。
生きづらさを抱える若者を主な対象とし、アニメをメンタルヘルスケアに役立てる「アニメ療法」に関して、「生活の質(QOL:Quality Of Life)」の向上につながる「社会的処方(social prescribing)」*2としての有効性・有用性を検証して、社会実装を目指します。

【共同研究のポイント】
1.「Minds1020Lab」について
共創の場の形成支援プログラム(COI-NEXT)(COI=Center Of Innovation)は、大学・研究機関・企業・自治体・市民団体など産学官民が連携して、“未来の社会像”の実現に向けた研究開発を推進する取り組みです。COI-NEXTの中で横浜市立大学が設置したMinds1020Labは、若者の生きづらさに関する心の課題を包括的に研究する学術拠点です。心理的レジリエンス(逆境や困難から回復する力)を高めるサービス、コンテンツの開発、産学官民連携によるインタラクティブプラットフォーム(対話型の情報基盤)の構築を進めています。
2.「アニメ療法」について
アニメ療法の提唱者であるパントー・フランチェスコ氏は、この療法について、「フィクションの要素を持ちながら、人間の葛藤、身体的、関係的、社会的苦悩をリアルに描く作品の鑑賞を通じて、精神の治癒効果を狙う療法」と定義しています。アニメ作品への没入や感情移入を通じて、心理的効果や自己変容を促すことが期待されています。
3.DNPの取り組みについて
DNPは2023年9月に、社員向けの「DNP価値創造セミナー」でパントー氏が講演したことなどをきっかけに、アニメ療法の社会実装について構想・検討してきました。2024年3月にはMinds1020Labに参画し、アニメ療法に基づく社会的処方プログラムの開発に取り組んでいます。その実現に向けて今回、横浜市立大学で客員研究員を務めるパントー氏とともにオンラインカウンセリングの実証実験を設計しました。DNPは本実験で、オリジナルキャラクターのデザイン・制作と、カウンセリングシステムの設計・制作を担いました。

【オンラインカウンセリングの実証実験概要】
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実施期間:2025年10月1日~2026年6月30日
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対象者:18~29歳の成人20名
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実証実験の流れ:
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実験対象者が、パントー氏の原案による物語的背景を持ったオリジナルキャラクター1つを全6種の中から選択
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心理士が、自身のアバターであるキャラクターを介して、アニメ療法に基づくオンラインカウンセリングを実施
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カウンセリングの前後で実験対象者が心理指標に基づく質問票に回答し、心理士等が効果を測定
*1 アニメ療法:日本のアニメやゲームなどの物語作品を用いて、感情移入や没入体験を通じて心のケアを行う“新世代エンターテインメント型”の精神療法。
参考URL https://shinsho.kobunsha.com/n/n5fc4ffa25f20
*2 社会的処方:従来の医学的治療に加え、地域の社会的リソースや活動への参加を推奨する取り組み。孤独感や生きがいの不足など、医学的治療だけでは対処しにくい健康の社会的決定要因にアプローチして、QOLやウェルビーイングを向上することを目的とする。
※記載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
※記載内容は発表日現在のものです。今後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
※オンラインカウンセリングの実証実験の参加者を募集しています。詳しくは以下のWebページをご覧ください。なお、募集人員に達した場合など、予告なく締め切ることがあります。
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