40歳を目前に愛媛と東京の二拠点生活をスタート。作家・高橋久美子さんの古風な暮らしを綴ったエッセー集『暮らしっく』11月30日発売
ESSEオンラインでの人気連載が一冊に。
2021年から東京と愛媛の二拠点生活を始め、東京では作家として、愛媛ではお百姓としての日々を送っている高橋久美子さん。「祖父の残してくれたみかん畑を守りたい」と、15年過ごした東京から離れることを決意。18歳まで過ごした故郷・愛媛での暮らしはいろんな発見や感動に満ちているんだとか。
- 東京生活15年、ようやくたどり着いた理想の暮らし
朝5時半、みかん畑に到着。夏の朝、ってこんなに気持ちがいいんだなあ。まだ太陽は優しくて土は朝露で湿り気があり、生まれたての地球だ。大きく深呼吸をして、私は草刈り機のエンジンをかけ、木のように伸びてしまったツタを刈っていく。みるみるうちに長袖シャツは汗だくだ。
6時半、休憩。畦道に座って握ってきたおにぎりを食べる。木陰は風が抜けてなんと気持ちがいいことだろう。二拠点生活をする前まではどちらかというと、夜型の生活をしてきていた。田舎育ちだが、朝がこんな清らかな表情をしていることを知らなかった。夏の朝は気持ちがいいんだなあ。すごく得した気分。自然の中で食べる朝ごはんのおいしさといったらない。鳥がさえずり、朝でもヒグラシが鳴き、川のせせらぎ、風が木々を通り抜ける音。とてもいい時間だ。(第5章「夏の朝活!」より)
古い一軒家に住み、手作り野菜で四季を楽しむ自給自足の生活や、ご近所さんとの交流、二拠点生活のことなど……等身大の暮らしぶりがたっぷり詰まっています。
●はじめにより
みなさんの、そして私自身の生活が少しでも気楽に楽しくなったらいいなと思いながらESSEオンラインで連載をし、一冊にまとめることができました。「暮らしっく」というタイトルは、“暮らし”と“クラシック”をかけ合わせた言葉です。40年生きてきて、そのうちの 15年以上を東京で暮らしてきましたが、日に日にクラシック(古風)な生活に戻ってきました。そこには実家の愛媛で過ごした18歳までの暮らしの豊かさに気づいた自分がいたのです。
ここに書かれているのは、生活者の一人としての、私の日常や気づきです。普段は作家をしているので、家は相棒。家事で工夫していることや、節約していること、二拠点生活中の愛媛での暮らし等をご紹介します。
できるだけ楽しく、できるだけゆるく、自分を活かせるように暮らせたら幸せだなと思います。参考にしてもらえたら嬉しいですし、こんな生活の人もいるのだな、私は私でいこうと、お隣の家をのぞくような気持ちで読んでもらえたらと思います。
- 刊行記念イベント開催
■イベント概要
日時 12月11日(日)14:00開場、14:30開始〜16:30終了予定
開場 古民家HUG(東横線妙蓮寺駅徒歩3分)
主催 本屋・生活綴方(株式会社石堂書店)
協力 三輪舎
■チケット購入・詳細はこちら
https://peatix.com/event/3416735
- 書誌情報
発売:2022年11月30日
定価:1,650円(本体+1,500円)
判型:四六判、232ページ
ISBN:978-4-594-09341-9
目次:
第1章 暮らしのこと
第2章 季節の食のこと
第3章 捨てない暮らし
第4章 ご近所さんとのこと
第5章 二拠点生活
■著者プロフィール
高橋久美子
作家・詩人・作詞家。1982 年、愛媛県生まれ。音楽活動を経て 2012 年より文筆家として活動。主な著書に、小説集『ぐるり』(筑 摩書房)、エッセー集『旅を栖すみかとす』 (KADOKAWA)、『一生のお願い』『いっぴき』(共に筑摩書房)、『 その農地、私が買います』(ミシマ社)、詩画集『今夜 凶暴だから わたし』(絵・濱愛子、ミシマ社)、絵本『あしたが きらいな うさぎ』( 絵・高山裕子、マイクロマガジン社)がある。翻訳絵本『おかあさんはね』(マイクロマガジン社)では、第9回ようちえん絵本大賞を受賞。執筆活動のほか、原田知世、大原櫻子、ももいろクローバーZなど、アーティストへの歌詞提供も多数。
- 本書に関するお問い合わせ
senden@fusosha.co.jp
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