「人生百年時代」だからこそ改めて考えたい日本人の「死」の歴史を人気歴史学者・本郷和人が紐解く!
ここまでリアルに書いていいのか!? 首切り、切腹、怨霊…なぜ日本には独特の「死に方」が生まれたのか?
歴史研究者として史料を通じて数多くの人々の死に触れながら、その〝最期〟を追いかけてきた東京大学史料編纂所教授、本郷和人の最新刊『最期の日本史』が扶桑社新書より2022年12月22日発売となりました。
東大教授・本郷和人先生は、大河ドラマ『平清盛』など、数々のドラマ、アニメなどの時代考証にも携わっている人気歴史学者です。
その本郷先生は、日本人の“最期”に関する変化を語る上で「お墓」や「葬式」について取り上げています。ほんの数百年前まで、日本で死後に墓を用意されるのは、あくまで身分の高い人々だけで、お墓を作ったとしても、どこにその遺体が埋められているのかはよくわからないのが当たり前だったそうです。
また、「死に方」に対する捉え方も、時代によって大きく異なるといいます。その例としてわかりやすいのが、切腹です。海外でも「ハラキリ」としてその名が知られる自害方法ですが、現代の我々からみても非常に不思議なことです。それにもかかわらず、日本の武士たちがこの死に方を選び続けてきたのは、歴史を通じて、切腹という行為に美意識が付与され、武士の振舞いのひとつとして儀礼化されたからこそです。
その一方で、時を経ても変わらない価値観があり、その代表的なものが、「穢(けがれ)」の存在です。日本人は「穢」を忌み嫌い、遠ざけようとする文化があるといいます。
そのように数々の日本人と死にまつわる事例を<首・頸・クビ><切腹><不浄と病魔><怨霊><葬送><臨終>の章立てで紹介し、日本人の死生観に関する“最期”の歴史を紐解いていきます。
「人生百年時代」と言われ、寿命がどんどん伸びている現代、自らの命のありかたや先行き、死生観について改めて考える何らかのヒントになるのではないでしょうか。
- 本書のポイント
●処刑された首はどこへ行く?
●刀を呑み込む今井四郎、集団自殺の加茂一族……壮絶な武士の死に方
●なぜ、ペストは日本にやってこなかったのか?
●庶民の遺体があっても、悲しまない? 『明月記』に見る貴族の感覚
●政治闘争に敗れて左遷され、怨霊となった菅原道真
●悲惨な死に方をした天皇たちの名前にまつわる不思議
●日本でも万能薬として売られていたミイラ
●当時と現代における、大きな「死」への価値観の違い
- 著者プロフィール
本郷和人(ほんごう・かずと)
1960年、東京生まれ。東京大学史料編纂所教授
専門は日本中世政治史、古文書学。『大日本史料 第五編』の編纂を担当。
著書に『空白の日本史』『歴史のIF(もしも)』『日本史の論点』(扶桑社新書)、『東大教授がおしえる シン・日本史』(扶桑社)、『日本史のツボ』『承久の乱』(文春新書)、『軍事の日本史』(朝日新書)、『乱と変の日本史』(祥伝社新書)、『考える日本史』(河出新書)、『歴史学者という病』 (講談社現代新書)など多数。
- 書誌情報
著者名:本郷和人
定価:946円(本体860円+税)
ISBN:978-4-594-09273-3
発売元:扶桑社
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