シリア危機:深刻な資金不足で、命を守る支援打ち切りの恐れ【報道参考資料】

今年の必要額の75%以上がいまだ確保できず

ラッカから50kmに位置する仮設キャンプに、3日前に到着したばかりの男の子(2017年6月3日撮影) © UNICEF_UN067443_Souleimanラッカから50kmに位置する仮設キャンプに、3日前に到着したばかりの男の子(2017年6月3日撮影) © UNICEF_UN067443_Souleiman

【2017年6月16日 アンマン(ヨルダン)発】

 ユニセフ(国連児童基金)がシリア国内及び周辺国で実施している900万人あまりの子どもたちに対する支援プログラムが、深刻な資金不足により打ち切られる恐れが出ています。

 「これは、ユニセフ創設以来最大規模の人道支援を展開しているシリア危機への対応が始まって以来、最も深刻な資金不足です」とユニセフの中東・北アフリカ地域事務所代表のヘルト・カッペラエレは述べました。「シリア国内及び周辺国で人道支援の需要が日ごとに高まる一方で、寛大な受入国のコミュニティはこれまでの取り組みを続けるための資金のやりくりが困難になっています」

 終わりが見えないまま7年目を迎えたシリアの紛争は、第二次世界大戦以来最大の人道危機、難民危機となりました。シリア国内で約600万人の子どもたちが支援を必要とする一方、250万人がシリアの国境を越えて、難民として生活しています。周辺国は、すでに多くの弱い立場の人々を助けており、全シリア難民の80%を受け入れています。

 ユニセフへの新たな資金支援がなければ、命を救うために不可欠な活動が打ち切られるおそれがあり、このことは、シリアの子どもたちや受入国のコミュニティに深刻な影響を及ぼします。そうした活動には、以下が含まれます。
  • 難民キャンプ、非公式居住区及びコミュニティの中で暮らす120万人の子どもたちに対する安全な水と衛生サービスの提供
  • 食料や小児医療の必需品が深刻に不足しているシリアの遠隔地域や包囲地域の子どもたちを含む約540万人の子もたちへの保健ケアと必要な栄養治療サービスへのアクセスの確保
  • 50万人の子どもたちが学校に通い続ける助けとなる、家族に対する現金給付支援
  • 冬季期間における衣類や毛布の提供

 「財源を使い果たし、シリア国内及び周辺国の家族は一層国際的支援に依存せざるを得なくなりました。資金不足により、子どもたちは、生きるために児童労働、子ども兵士や児童婚等、極端で危険な道を選ぶことを強いられます。一つの世代が失われないようにするための努力が覆されかねません」(カッペラエレ)

 ユニセフは、2017年のシリア国内及び周辺国(レバノン、ヨルダン、トルコ、イラク及びエジプト)での緊急支援に14億米ドルを必要としていますが、現時点で確保できている資金はその25%にも達していません。ユニセフは、国際社会に対して資金支援を含む緊急の行動を呼びかけています。

* * *

■ユニセフについて
 ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
 公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

 

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

101フォロワー

RSS
URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
-
設立
-