6月20日は世界難民の日:毎日1,000人の南スーダン難民の子どもがウガンダに【プレスリリース】
ウガンダは、アフリカ最多の難民の受け入れ国に
【2017年6月20日 カンパラ(ウガンダ)/ナイロビ(ケニア)/ニューヨーク 発】
毎日平均1,000人以上の子どもが安全を求めて南スーダンから逃れる中、この地域の難民危機は子どもの危機となっていると、世界難民の日の今日、ユニセフ(国連児童基金)は発表しました。
2013年に南スーダンで暴力が発生して以降、180万人の人々が国境を越え近隣諸国に渡りました。ウガンダでは、この1年で難民人口が50万人から125万人へと倍以上に増加し、今では世界で最も急速に拡大する難民危機の受入国となっています。
「南スーダンでは恐ろしい暴力が蔓延する中、100万人以上の子どもが家を追われました」とユニセフ東部・南部アフリカ地域事務所代表のレイラ・パカラは述べました。「毎日、毎週、難民たちはウガンダ、エチオピアやケニアなどの国々に逃れています。受け入れ諸国は、多大な努力をしているのにも関わらず、彼らの対応能力は許容範囲をはるかに超えています」
ウガンダで開催される難民のための国際連帯サミット(6月22日―23日)を前に、ユニセフはウガンダに逃れた難民の86%が女性と子どもであることを指摘しました。実際、ウガンダは現在、アフリカで最も多くの難民を受け入れている国です。2016年半ばには世界で8番目だったのが、今日は、トルコ、パキスタンに次いで、3番目に多くの難民を受け入れている国となっています。
ウガンダ政府、ユニセフ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、世界食糧計画(WFP)および現地で活動する人道支援のパートナー団体は、2016年7月以降にウガンダに辿り着いた74万人以上の難民に支援を届けるべく懸命に活動しています。しかし、この急増する難民数は、受け入れ国政府と受け入れ地域コミュニティの資源、特に子どもの健康に不可欠な社会サービスに、過剰な負担をかけています。
「ウガンダ政府は、前進的かつ寛大な難民の受け入れ政策を取っています」とユニセフのパカラは述べました。「世界的な難民の情況と比較しても、ウガンダが取るこのようなアプローチは難民の子どもたちにより良い将来の見通しを提供することができます。このモデルが各国でも適用されることがまさに期待されているのです」
ウガンダ政府と国連は、今後4年間の、ウガンダの難民および難民を受け入れているコミュニティに対する緊急支援ならびに緊急事態への対応力を強化するための支援に必要な資金として、80億米ドルの資金支援を求めています。この資金のうち、ユニセフ・ウガンダ事務所は、難民と受け入れコミュニティの子どもたちに対して、必要不可欠な保健、栄養、水と衛生、教育、乳幼児期の子どもの発達、青少年支援および子どもの保護の分野での支援を実施するために、2017年に約5,000万米ドル、2018年から2020年までは毎年3,000万米ドルを必要としています。
ユニセフは、エチオピアおよびケニアにおける人道支援計画として、エチオピアのガンベラ地域での新たな南スーダン難民支援のために1,360万米ドル、ケニアでの難民支援のために730万米ドルの資金提供を必要としています。
世界難民の日に際して、ユニセフは各国政府に対してあらためて、5月下旬にイタリアで開催されたG7サミットに先駆けて発表した、難民・移民の子どもたちの幸福を確保するための6つの具体的な行動計画を取り入れるよう呼びかけています。
ウガンダでは、難民の子どもたちは、受け入れコミュニティの人々と同様の法的、身体的、社会的保護の制度が完全に適用され、同様の社会サービスを受けることができますが、ユニセフは、地域全体で、6つの具体的な行動活動、特に家族を離ればなれにしない、すべての避難民の子どもを学校に通えるようにし、健康でいられるようにする、そしてそもそも子どもたちが家を追われることになった根本原因に対処すること、を完全に実施するためにはさらなる努力が必要であるとしています。
* * *
■補足データ
- ウガンダ、エチオピア、ケニアの難民数:260万人
- 2013年12月以降、隣国に渡った南スーダン人の数:180万人
- ウガンダに滞在する難民人口 - 過去1年間で倍以上に増加:125万人
- 南スーダンで家を追われた子どもの数:100万人
- 過去11カ月に、毎日ウガンダに到着する難民の数:2,000人(一日/平均)
- ウガンダは、2016年半ばには世界で8番目に多くの難民を受け入れている国であったのが、今は、トルコ、パキスタンに次いで、3番目に多くの難民を受け入れている国となっています。
* * *
■本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。本信の原文は、 https://www.unicef.org/media/media_96491.html からご覧いただけます。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像