博報堂生活総研[来月の消費予報・2025年3月]（消費意欲指数）

｢春支度消費｣への意欲は高まるも､物価高の影響が再拡大し3月の消費意欲指数は､先月に続き過去5年の同月最低値に

株式会社博報堂(本社·東京)のシンクタンク博報堂生活総合研究所は､20～69歳の男女1,500名を対象に｢来月の消費意欲｣を点数化してもらうなど､消費の先行きに関する調査を毎月実施。その結果を｢来月の消費予報｣として発表しています。

※2月3-5日に調査

2025年3月の消費意欲指数は44.0点。前月比では+3.1ptと大きく上昇し､前年比では-2.5ptと低下しました。

【3月のポイント】

【Point1】3月らしく新生活や春物衣服への意欲はみられるも､物価高への懸念が再燃

例年3月は､新生活や新年度に向けて消費意欲が高まる月で､今年も前月比で+3.1ptと大きく上昇しました。一方､前年比では-2.5ptの低下で､特に20代と30代で大きく低下しており､先月に引き続き､3月も過去5年での同月最低値となっています。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると､消費にポジティブな回答(2月246件→3月342件)は大きく増加し､ネガティブな回答(2月975件→3月881件)は大きく減少しました。具体的には､ポジティブな回答で､｢(新生活･新年度の準備/春物の服が欲しいなど)季節的な意欲向上(2月52件→3月117件)｣や｢(旅行など)出費の予定･欲しいものがある(2月121件→3月142件)｣が増加しています。ネガティブな回答では､｢今月までに多く使ったのでセーブ(2月186件→3月63件)｣や｢欲しいものがない･意欲がない(2月441件→3月372件)｣が減少しています。一方で､｢物価高･値上げ･円安(2月88件→3月153件)｣は大幅に増加しています。

前年と比べると､消費にポジティブな回答(24年3月347件→25年3月342件)は横ばいで､ネガティブな回答(24年3月828件→25年3月881件)は増加しました。具体的には､ポジティブな回答で目立って増減した項目はありません。ネガティブな回答では､｢物価高･値上げ･円安(24年3月65件→25年3月153件)｣が前年の2倍以上の件数まで増加しており､今後も注視する必要がありそうです。

新生活の準備や春物の衣服といった｢春支度消費｣への意欲は高まっていますが､物価高の影響が水を差し､欲しいものを取捨選択した｢メリハリ消費｣で､例年の3月と比べると20代と30代を中心に消費意欲は控えめとなりそうです。

【Point2】消費意向は春休みや新生活準備に関するカテゴリーで前月比増

｢特に買いたいモノ･利用したいサービスがある｣人の割合は28.7%で､前月比では+6.4ptと大きく上昇し､前年比では+1.8ptの上昇となりました。前年比を男女別にみると､男性で+5.3pt､女性で-1.8ptと､特に男性での上昇が目立っています。
16カテゴリー別の消費意向をみると､前月比では｢旅行｣｢外食｣｢ファッション｣｢家電･AV｣｢レジャー｣など10カテゴリーが20件以上増加しています。前年比では､｢外食｣｢家電･AV｣｢食品｣の3カテゴリーが20件以上増加し､｢化粧品｣が20件以上減少しました。消費意欲全体では控えめなものの､カテゴリー別では､3月らしく春休みや新生活準備に関するもので､前月から消費意向が高まっていることがうかがえます。

NEWS RELEASE

詳しい調査レポートは博報堂ニュースリリースページよりご覧ください。