ファンケルがフリーズドライ製法(1)のドッグフードに高いタンパク質消化率を確認
― さまざまな疾病の発生リスク低減が期待 ―
株式会社ファンケルは、世の中にあるドッグフードの「不」を解消し、犬の健康を追求した総合栄養食ドッグフード(2)の自社開発に初めて取り組んでいます。その中で、フリーズドライ製法のドッグフードは、①犬の健康維持に重要であるタンパク質の消化率が極めて高いこと、②未消化のタンパク質由来となる糞便中のアンモニアを低減すること、を確認しましたのでお知らせします。
近年、大腸内の悪玉菌が産生するアンモニアなどの有害物質には、アレルギー、肥満、ガンなどの発症に関与することが報告されています。本研究の結果より、フリーズドライ製法は、さまざまな疾病の発生リスクの低減を期待できることも示唆されます。
なお、本研究成果は、日本ペット栄養学会第23回定例大会(2022年7月24日、於:東京農工大学)にて発表しました。
近年、大腸内の悪玉菌が産生するアンモニアなどの有害物質には、アレルギー、肥満、ガンなどの発症に関与することが報告されています。本研究の結果より、フリーズドライ製法は、さまざまな疾病の発生リスクの低減を期待できることも示唆されます。
なお、本研究成果は、日本ペット栄養学会第23回定例大会(2022年7月24日、於:東京農工大学)にて発表しました。
<研究方法・結果>
【ペプシン消化率試験(3)によるタンパク質の消化率を測定】
飼料のタンパク質評価法であるペプシン消化率を用いて、ドッグフードにおけるタンパク質の消化率を測定しました。チキンを主原料とする市販のドライタイプの総合栄養食ドッグフードで、エクストルーダーによるHigh Temperature Short Time(HTST)加工(4)品3種、熱風乾燥品1種、フリーズドライ製品2種(うち1種は当社開発品)を、試験に用いました。その結果、フリーズドライ製品は、HTST加工や熱風乾燥に比べ、高いペプシン消化率となりました(図1)。このことから、フリーズドライ製品は、他の製品よりもタンパク質の消化率が高いことが示唆されます。
次に、実際にイヌにドッグフードを食べさせて消化率を測定しました。1歳のビーグル犬6頭に、HTST加工およびフリーズドライ製法(FD)の総合栄養食ドッグフードを8日間ずつ食べさせ、各ドッグフードの給与開始4日目から8日目までの5日間、糞便をすべて回収して成分分析を行いました。その分析結果と、給与したドックフードの成分分析の結果を合わせ、各成分の消化率を算出しました。
その結果、フリーズドライ製法のドッグフードは一般的なHTST加工のドッグフードと比較し、特にタンパク質の消化率が有意に高いことが分かりました(図2)。また、このタンパク質の消化率の差によって、エネルギー効率もフリーズドライ製法がHTST加工を大きく上回りました。
さらに、フリーズドライ製法のドックフードによる糞便中のアンモニアの変化について検証しました。普段、HTST加工の総合栄養食ドックフードを食べている家庭犬18頭にフリーズドライ製法のドッグフードに切り替えてもらい、3週間の給与前後で糞便を採取してアンモニアを測定しました。その結果、糞便中のアンモニアが給与前に比べ、有意に低減しました(図3)。
<研究背景・目的>
消化しやすい良質なタンパク質は犬の健康に欠かせないものですが、タンパク質は過度の加熱により分子構造が変化し、消化率が低下することが報告されています。また、未消化のタンパク質は、大腸において悪玉菌を増殖させ、分解されて産生されるアンモニアや硫化水素などの有害物質が、動物に悪影響を与えることが知られています。このような有害物質の発生を低減するためには、タンパク質の消化率を高める必要があります。
そこで、低温で加工するフリーズドライ製法に着目し、タンパク質消化率と未消化タンパク質より発生する有害物質の一つである糞便中のアンモニアについて、一般的なドッグフードで用いられている製法と比較することを目的としました。
<今後の展開>
アンモニアはいわゆる悪玉菌が産生する物質です。アンモニアの低減とともに悪玉菌の減少など、腸内環境の改善についてさらに追及し、犬の健康を考えた総合栄養食ドッグフードの開発を進めていきたいと考えています。
【用語説明】
(1)フリーズドライ製法
凍結乾燥。凍結した後、真空状態にすることで、水の沸点が氷点下まで下がり、固体(氷)が気体(水蒸気)に変化する昇華という現象を用いた乾燥法。食品では、お味噌汁やカップラーメンの具材などで用いられている。
(2)総合栄養食ドックフード
そのフードと水だけで健康を維持できるような栄養的にバランスの取れたペットフード。
(3)ペプシン消化率試験
ペプシンは胃の粘膜から分泌され、タンパク質を最初に分解する消化酵素。ペプシン消化率試験は、試験管内で検体にペプシンを作用させ、前後で粗タンパク質量を分析して、タンパク質がどのくらい分解されたかを評価する試験。
(4)エクストルーダーによるHTST加工
ドライタイプのドッグフードの9割以上で用いられている加工法。120~140℃で10~20秒で発泡させて粒状に成型する。
(5)NFE
ペットフードでは可溶無窒素物と書かれていることが多いが、炭水化物のこと。
【ペプシン消化率試験(3)によるタンパク質の消化率を測定】
飼料のタンパク質評価法であるペプシン消化率を用いて、ドッグフードにおけるタンパク質の消化率を測定しました。チキンを主原料とする市販のドライタイプの総合栄養食ドッグフードで、エクストルーダーによるHigh Temperature Short Time(HTST)加工(4)品3種、熱風乾燥品1種、フリーズドライ製品2種(うち1種は当社開発品)を、試験に用いました。その結果、フリーズドライ製品は、HTST加工や熱風乾燥に比べ、高いペプシン消化率となりました(図1)。このことから、フリーズドライ製品は、他の製品よりもタンパク質の消化率が高いことが示唆されます。
【イヌによる実食でタンパク質の消化率を測定】※研究説明においては「イヌ」と表記
次に、実際にイヌにドッグフードを食べさせて消化率を測定しました。1歳のビーグル犬6頭に、HTST加工およびフリーズドライ製法(FD)の総合栄養食ドッグフードを8日間ずつ食べさせ、各ドッグフードの給与開始4日目から8日目までの5日間、糞便をすべて回収して成分分析を行いました。その分析結果と、給与したドックフードの成分分析の結果を合わせ、各成分の消化率を算出しました。
その結果、フリーズドライ製法のドッグフードは一般的なHTST加工のドッグフードと比較し、特にタンパク質の消化率が有意に高いことが分かりました(図2)。また、このタンパク質の消化率の差によって、エネルギー効率もフリーズドライ製法がHTST加工を大きく上回りました。
【糞便中のアンモニアの分析】
さらに、フリーズドライ製法のドックフードによる糞便中のアンモニアの変化について検証しました。普段、HTST加工の総合栄養食ドックフードを食べている家庭犬18頭にフリーズドライ製法のドッグフードに切り替えてもらい、3週間の給与前後で糞便を採取してアンモニアを測定しました。その結果、糞便中のアンモニアが給与前に比べ、有意に低減しました(図3)。
以上の結果から、フリーズドライ製法によるドッグフードはタンパク質の消化率を高めることでアンモニアなどの有害物質を低減し、さまざまな疾病の発生リスクを低減する可能性が示唆されました。
<研究背景・目的>
消化しやすい良質なタンパク質は犬の健康に欠かせないものですが、タンパク質は過度の加熱により分子構造が変化し、消化率が低下することが報告されています。また、未消化のタンパク質は、大腸において悪玉菌を増殖させ、分解されて産生されるアンモニアや硫化水素などの有害物質が、動物に悪影響を与えることが知られています。このような有害物質の発生を低減するためには、タンパク質の消化率を高める必要があります。
そこで、低温で加工するフリーズドライ製法に着目し、タンパク質消化率と未消化タンパク質より発生する有害物質の一つである糞便中のアンモニアについて、一般的なドッグフードで用いられている製法と比較することを目的としました。
<今後の展開>
アンモニアはいわゆる悪玉菌が産生する物質です。アンモニアの低減とともに悪玉菌の減少など、腸内環境の改善についてさらに追及し、犬の健康を考えた総合栄養食ドッグフードの開発を進めていきたいと考えています。
【用語説明】
(1)フリーズドライ製法
凍結乾燥。凍結した後、真空状態にすることで、水の沸点が氷点下まで下がり、固体(氷)が気体(水蒸気)に変化する昇華という現象を用いた乾燥法。食品では、お味噌汁やカップラーメンの具材などで用いられている。
(2)総合栄養食ドックフード
そのフードと水だけで健康を維持できるような栄養的にバランスの取れたペットフード。
(3)ペプシン消化率試験
ペプシンは胃の粘膜から分泌され、タンパク質を最初に分解する消化酵素。ペプシン消化率試験は、試験管内で検体にペプシンを作用させ、前後で粗タンパク質量を分析して、タンパク質がどのくらい分解されたかを評価する試験。
(4)エクストルーダーによるHTST加工
ドライタイプのドッグフードの9割以上で用いられている加工法。120~140℃で10~20秒で発泡させて粒状に成型する。
(5)NFE
ペットフードでは可溶無窒素物と書かれていることが多いが、炭水化物のこと。
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