博報堂100年生活者研究所、国際幸福デーを前に6か国対象の定点調査結果を発表

株式会社博報堂

ウェルビーイングの認知は5割以上でも、幸福度は6か国で日本が3年連続最下位

幸福度向上の鍵が、日頃の幸せへの意識とAI活用にある可能性を示唆

AIを「よく使う」のは1割だが、その層の7割は「幸せに良い影響」と回答

株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:水島正幸、博報堂)のシンクタンク「博報堂100年生活者研究所」は、日本国内で20~80代の男女2800名(内20~70代2400名)、海外(アメリカ、中国、デンマーク、イギリス、オーストラリア)で20~70代の男女計3000名(各国600名)を対象に、人生100年時代に対する意識調査を実施しました。

3月20日の「国際幸福デー」に合わせ、当研究所は毎年「100歳まで生きたい」と思う日本人の割合について調査しています。今年で3回目となりましたが、その割合は3年連続で3割未満と、変化が見られませんでした。また、幸福とも訳される「ウェルビーイング」の認知が5割を超え、社会に浸透していることがわかりました。しかしその一方で、生活者の感じる幸福度に変化は見られませんでした。調査では、日常生活で幸福を意識することによって幸福度が高まる傾向が見られ、今後ウェルビーイングの浸透と理解が進み、生活者が幸福について日常的に意識するようになれば、生活者の幸福度が高まる可能性が示唆されました。

生成AIの社会的影響を踏まえ、新たにAI活用と幸福度の関係についても調べました。その結果、日本では、生成AIの日常的な使用者の割合は1割で、海外と比べて著しく低いことがわかりました。但し、AIの日常的な使用者は幸福度が高い傾向にあり、その7割が「AIは自分の幸せに良い影響を与える」と考えていました。今後、生成AIの社会浸透が進み、日常的に使うことが当たりまえになることで、生活者の幸福度が高まっていく可能性が示唆されました。

【6か国対象 定点調査】結果サマリー

  • 「100歳まで生きたい」と思う日本人は3割未満。これは対象6か国で最も低かった。

  • 「ウェルビーイング」という言葉の認知度は年々高まり、今回5割を超えた。
    その一方で、幸福度(10点満点)は対象6か国で最も低かった。

  • 日常生活の中で幸せを意識したり対話したりする割合は、日本だけ著しく低かった。
    また、日常から幸せを意識したり、周囲と対話したりすると、幸福度が高まる傾向にあった。

  • 「生成AIをよく使う」割合について他国は25.5~62.2%だったのに対し、日本は10.1%にとどまった。

  • 調査対象のすべての国で、「生成AIをよく使う」人の幸福度は、そうでない人よりも高い傾向にあった。さらに、この層の7割以上が「AIは自分の幸せに良い影響を与える」と考えていた。

【6か国対象 定点調査】結果詳細

Q1. 人生100年時代において、あなたは100歳まで生きたいと思いますか?

■Q1. 人生100年時代において、あなたは100歳まで生きたいと思いますか?

―「100歳まで生きたい」日本人は3年連続で3割未満と、6か国中で最も低かった。

100歳まで生きたいかを聞いたところ、「とてもそう思う」もしくは「そう思う」と答えた割合は、日本が26.3%で対象6か国の中で最低で、次に低いオーストラリア(58.8%)の半数以下となりました。最も高かったのは中国(82.2%)で、デンマーク(69.4%)、アメリカ(69.1%)と続きました。

なお、80代を含めた日本の割合は、2022年28.7%、24年28.4%、25年27.7%でした。

■Q2. あなたは、「ウェルビーイング」「well-being」という言葉を、どのくらい知っていますか?

―「知っている」と回答した日本人の割合は年々上昇し、ついに今年は半数を超えた。(20~80代の男女2800名対象)

「ウェルビーイング」という言葉を知っているかどうかを聞いたところ、「名前だけは知っている」「その意味を、おおよそ知っている」「その意味を、詳しく知っている」の合計(知っている計)は2024年(43.8%)より7ポイント高い50.8%となり、当研究所の調査で初めて半数を超えました。

■Q3. あなたは全体として、どの程度幸せですか。「とても不幸せ」を0点、「とても幸せ」を10点とすると、何点くらいになると思いますか。

― 日本の幸福度は昨年の調査と同じで、さらに6か国中で最も低かった。

10点満点で幸福度を質問したところ、日本の平均点は5.9点で対象6か国の中で最も低い結果となりました。一番高かったのは中国(7.9点)で、デンマーク(7.0点)、アメリカ(6.9点)と続きました。日本は前回調査でも同じ点数となり、ウェルビーイングという言葉が浸透しているものの、幸福度は上昇していないことが判明しました。

■Q4. あなたは、幸せについてどのように考えていますか?

― 日頃から幸せを意識したり、対話したりする割合は、日本だけ著しく低い結果。

日常生活での幸せの意識や行動について質問し、回答項目別に「そう思う」「ややそう思う」を合計した割合を比較しました。その結果、日本は「日々の生活の中で、幸せを見つけようと意識している」が38.1%、「幸せについて普段から考える方だ」(32.2%)、「自分の幸せの形を周りの人も理解している」(26.9%)、「幸せについて人と話す機会がよくある」(20.7%)で、すべての項目で他国より著しく低い結果となりました。

■Q5. あなたは全体として、どの程度幸せですか。「とても不幸せ」を0点、「とても幸せ」を10点とすると、何点くらいになると思いますか(幸せに関する意識と行動別での比較)。

― 幸せを意識すると幸福度が上がり、周囲との対話まで行うとさらに向上する。

日常生活での幸せに関する意識・行動別に幸福度を調べた結果、日本の全体平均が5.87点だったのに対し、「幸せを普段から考える」と回答した人では6.72点(全体平均比0.85ポイント高い)、同じく「生活の中で幸せを見つけようと意識」では6.70点(同0.83ポイント高い)となりました。

さらに、「幸せについて対話する」は7.04点(同1.17ポイント高い)、「自分の幸せの形を周囲が理解する」は7.19(同1.32ポイント高い)まで上がり、周囲と関係を持ちながら幸せを考えている人では、さらに幸福度が上がることが示唆されました。

■Q6. あなたは、日々の生活の中で生成AIをどのくらい使っていますか?

―「生成AIをよく使う」のは、海外が2~6割なのに対して日本だけ1割

生成AIの活用頻度を聞き、「ほぼ毎日使う」「よく使う」(よく使う計)の割合を比較しました。その結果、日本は10.2%にとどまり、日本以外で最も割合が低かったオーストラリアの25.5%と比べても半分以下でした。

なお、最も高かったのは中国62.2%で、次いでイギリス(34.0%)、アメリカ(33.4%)となりました。

■Q7. あなたは全体として、どの程度幸せですか。「とても不幸せ」を0点、「とても幸せ」を10点とすると、何点くらいになると思いますか(AI活用度での比較)。

― 各国共通で「AIをよく使う」層は幸福度が高まる傾向にあった。

Q6の結果を踏まえ、6か国ごとに「AIをよく使う」層とそうでない層(「よく使う」以外計)で幸福度を比較しました。その結果、日本の「よく使う」層の幸福度は6.30点で、そうでない層(5.90点)よりも高くなりました。AIをよく使う人は幸福度が高い傾向は、すべての国に共通してみられました。

■Q8. AIは「自分の幸せ」によい影響を与えていると思いますか?/AIは「自分の幸せ」に悪い影響を与えていると思いますか?

― 各国共通で「AIをよく使う」層は好影響に目を向けている

AIが自分の幸せによい影響を与えているか、悪い影響を与えているかをそれぞれ尋ねた結果を、全体平均とAIを「よく使う層」で比較しました。日本の全体平均では、「よい影響」「悪い影響」のどちらの質問も「そう思う、ややそう思うの合計」が2割に届かず、残りの8割以上の人が「AIが自分の幸せにとってよいものなのか、悪いものなのかわからない」と考えている様子がうかがえました。一方、日本に1割いるAIを「よく使う」層を見ると、「よい影響」(70.6%)、「悪い影響」(40.5%)の両評価ともに、全体平均から大きく上昇しました。但し、その上昇幅は「よい影響」の方が大きく、AIを日常的に「よく使う」ようになった人は「AIは幸せによい影響がある」と評価する人が「悪い影響がある」と評価する人よりも多いことがわかりました。

https://hakuhodo-rdc.com/100years_lab/posts/100report_250319_1/(ウェルビーイング篇)

https://hakuhodo-rdc.com/100years_lab/posts/100report_250319_2/(AIと幸福篇)

【6か国対象 定点調査】概要

【共通】

・調査目的:100年生活の実態について把握する

・インタネットモニター調査

【国内調査】

・対象地域:日本全国

・調査日時:2025年2月

・調査対象者:20~80代の男女2800名(内 20~70代の男女2400名)

【海外調査】

・調査地域:アメリカ、中国、デンマーク、イギリス、オーストラリア

・調査日時:2025年2月

・調査対象者:20~70代の男女 各国600名

博報堂100年生活者研究所について

博報堂100年生活者研究所は「長くなる人生を、前向きに生きていく人を増やす」、それにより「日本を、前向きな100年生活者の社会にする」ことを目指して、活動しています。これまでの研究結果は、当研究所のホームページ(下記URL)よりご覧いただけます。

また、私たちは巣鴨に100年生活カフェ かたりばを運営しています。お店に来られる多様な価値観のお客様との対話を通じて、より生活の現場に近い場所から、研究活動を進めています。

  • 組織名:博報堂100年生活者研究所

  • URL:https://hakuhodo-rdc.com/100years_lab/

  • 所在地:東京都豊島区巣鴨3-34-3 西村商店第二ビル3階

  • 代表者:大高 香世

  • 設立:2023年3月20日

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会社概要

株式会社博報堂

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URL
http://www.hakuhodo.co.jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー
電話番号
03-6441-8111
代表者名
水島 正幸
上場
東証1部
資本金
358億4800万円
設立
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