〈音楽、映画、小説、記憶――膨大な愛のサンプリング〉異彩を放つ音楽家、高田漣によるデビュー小説『街の彼方の空遠く』が6月27日発売!
いとうせいこう、中島京子が激賞! 故郷・吉祥寺を舞台にした壮大なデビュー作が満を持して誕生

株式会社河出書房新社(東京都新宿区/代表取締役 ⼩野寺優)は、細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一をはじめ、数多くのアーティストと共演し、日夜多彩なセッションを繰り広げる音楽家、高田漣による初の小説『街の彼方の空遠く』を2025年6月27日に刊行いたします。
異彩を放つ音楽家、高田漣による圧巻のデビュー小説『街の彼方の空遠く』
自分にとって物語を書くという行為は〈弔鐘〉をうつ、あるいはその響きに耳を傾けることなのだと思う。
でも、だから、こそ、
物語の中でならできることがある。
物語の中でなら再会できる人がいる。
物語の中でならあの風景をあの匂いを感じられる。
この物語が、この響きが多くの方々に届くことを願うばかりです。
――高田漣
今年5月に開催されたYMOトリビュートコンサートへの出演、今春放映されたJR東日本「大人の休日倶楽部」CMソングでの歌唱、BS-TBS「吉田類の酒場放浪記」への新オープニング曲提供など、音楽家、マルチ弦楽器奏者として引く手あまた、八面六臂の活躍を続ける高田漣。
本書『街の彼方の空遠く』は、水曜社が刊行する“武蔵野発の文芸誌”「ケヤキブンガク vol.2」(2023年5月)から、同「vol.4」(2024年7月)まで3号連続で掲載された3作品に、「幕前」「幕間Ⅰ」「幕間Ⅱ」を加えた、著者の故郷、吉祥寺を起点に過去、現在、未来、平行世界を縦横に描いた「吉祥寺」3部作、小説家・高田漣としての壮大なデビュー作。
1994年7月、サンプラーの始祖「AKAI MPC60」へ挿入したフロッピーディスクの読み込みエラーから始まる「第一幕 フォーク・ソング または44/45」、デキシーランド・ジャズの旋律、リズムに乗って、狂おしく交錯する数奇な運命が描かれる「第二幕 ネイチャー・ボーイ または考察三一」、父、家族との思い出、吉祥寺を行き交う人々の記憶の断片がつなぎ合わされ、現在、未来へと昇華する「第三幕 恋は桃色 〜16 coaches long〜」。それぞれの時代、世界に閉じ込められたプリミティブな感情とアイコンたち、虚構と現実とを貫くフレーズ、観念とが混然一体となって去来する圧巻のストーリー。SF的青春私小説とも呼ぶべき、郷愁とともにすがすがしさを感じる比類のない作品です。
音楽、映画、小説、父との記憶――膨大な愛がサンプリングされたレクイエムとなり、時空を超え高らかに響き渡る、唯一無二の傑作小説が誕生しました。
本書目次
幕前 夢の船乗り
第一幕 フォーク・ソング または44/45
幕間Ⅰ ニャーの気象学
第二幕 ネイチャー・ボーイ または考察三一
幕間Ⅱ 「ふん」の体系
第三幕 恋は桃色〜16 coaches long〜
『街の彼方の空遠く』へ寄せられた推薦コメント!
イカした音楽と引用の嵐を伴って、
過去のJR中央線からあらゆる別世界へ。
これこそ異種のコトバが飛来しまくる
POP文学のふるさとだ。
――いとうせいこう
吉祥寺の愉快な面々と時空を駆けめぐる漣さん。
1994年の大学生、戦前のバンドマン、ヘンテコな未来人、一頭の蛾も道連れ。
詩(ことば)と音楽の奔流に圧倒されつつ、
なんとなく人恋しくなる傑作小説。
――中島京子

高田漣ならではのサンプリング、楽曲引用、吉祥寺の名店が作中に登場!
山を街といいかえること。
街は人々の置き土産、街はマージナル・エコー。
(「第三幕 恋は桃色 〜16 coaches long~」P294より)
伝説的フォークシンガーの父、高田渡とも交友の深かった友部正人、シバ、はちみつぱいといったアーティストたちの楽曲からの引用、いせや、カッパ、バウスシアター、ペンギンカフェ、まめ蔵ほか、吉祥寺ゆかりの名店が作中に描かれるのは、高田漣ならでは。
本書の英題「Away out Beyond the Town」(元ネタはジミー・ロジャース「Away out on the Mountain」とのこと )をはじめ、カントリー、ロック、ジャズ、ヒップホップといった音楽についてはもちろん、映画、文学、スポーツなどなど、様々な分野へ造詣の深い「ポップホリック」だからこその引用、オマージュ、アイコンたちが、本書の随所に散りばめられ、愛好者たちは思わずニヤリとさせられること間違いなし。
「一九九四年七月十一日二十三時五十分過ぎ、」から書き出される、「第一幕 フォーク・ソング または44/45」では、当時一世を風靡したアーティストや楽曲の数々、知る人ぞ知るレコード店、楽器店が続々登場。そして、何といっても、ビースティ・ボーイズの楽曲使い(と彼らと思しき3人組の活躍)は圧巻の一言。この時代をともに生きた人間にとっては、かつて経験したことにない、鳥肌モノの読書体験です。

著者紹介

高田漣(たかだ・れん)
1973年生まれ。フォークシンガー・高田渡の長男。音楽家、プロデューサー、作曲家、編曲家、執筆家としての顔を持つ。ギターをはじめ、ペダル・スティール、ウクレレ、バンジョー、マンドリンも操るマルチ弦楽器奏者。2002年にソロ・デビューし、多数のオリジナル・アルバムをリリース。2017年の『ナイトライダーズ・ブルース』で第59回日本レコード大賞優秀アルバム賞受賞。楽曲アレンジ及びプロデュース、映画、ドラマ、舞台、CM音楽も多数手がける。
書誌情報
書名:街の彼方の空遠く
著者:高田漣
仕様:46判/並製/304ページ
発売日:2025年6月27日
税込定価:2,607円(本体2,460円)
ISBN:978-4-309-03971-8
装幀:大島依提亜
装画:マッチロ
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