「106万円の壁」撤廃の影響は?「年収を上げたくなる」39.6%「労働時間を増やしたくなる」28.7%
収入要件等の撤廃に「賛成」49.0%「反対」22.4% ~しゅふJOB総研~
仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』(運営会社:株式会社ビースタイル ホールディングス 本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)は『106万円の壁』をテーマに仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層にアンケート調査を行いましたので以下にご報告します。(有効回答数:715件)
■調査結果概要
1.社保の収入要件等が撤廃されると「今より年収を上げたくなる」39.6%
2.規模要件や収入要件を撤廃し社保の適用範囲を拡大することに「賛成」49.0%
3.社会保険の適用条件(106万円など)撤廃の影響:賛否状況別比較
4.フリーコメントより
1.社保の収入要件等が撤廃されると「今より年収を上げたくなる」39.6%
2.規模要件や収入要件を撤廃し社保の適用範囲を拡大することに「賛成」49.0%
3.社会保険の適用条件(106万円など)撤廃の影響:賛否状況別比較
4.フリーコメントより
◇フリーコメントより抜粋(年代:就業形態)
<従業員数の規模要件や収入要件を撤廃して社会保険の適用範囲を拡大することについて「賛成」と回答した人>
・年収の壁が無くなると仕事を増やして頑張ろうと思う気持ちが増えそうな気がする(40代:派遣社員)
・そもそも必要ないと思っている。働きたいだけ働いて、平等に税金、社会保険料を払えばいいだけのこと(50代:パート/アルバイト)
・目先の収入の減少より、将来、年金の受取額が増えるのであれば、壁を越える方を選びます。若い時にはその逆だったと思いますが、今は強くそう思います(50代:派遣社員)
・最低賃金も毎年上がるなか、年収の上限がずっと変わらないのはおかしいと思っていたので賛成(30代:パート/アルバイト)
・いちいち条件を気にせずに仕事探して働くことができる(40代:今は働いていない)
・現状、年収の壁を意識して勤務時間を減らしています。のんびりする時間も必要ですがもっと働いて収入を得たい願望もあります(40代:パート/アルバイト)
・共働きも増えてきたし、働いている人、みんなで社会保険を負担するのがいいと思う(50代:派遣社員)
・今より働きたいが、会社側が社会保険や雇用保険を適用したくない様な対応だったので諦めた… (60代:パート/アルバイト)
・働ける人が働くことを控えるのはおかしな話だと思う。日本は労働人口も減っていくので、使用者側も労働者側もwinwinの働きやすい環境整備を国が検討していくことは必要だと思う(40代:契約社員)
・税金の公平な負担と女性の働きやすさにつながっていくとよいと思う(50代:派遣社員)
<従業員数の規模要件や収入要件を撤廃して社会保険の適用範囲を拡大することについて「反対」と回答した人>
・今の状況が自分にとってはベストな為、子育てをしながら働くとなると、大いに反対です(40代:パート/アルバイト)
・中小企業にとっては負担が重すぎる。ただ、働く側も税や社会保険料も支払うべきだと思う。社会保険は将来の自身の為にもなるので必要(50代:正社員)
・基本的に社会保険適用の人数を企業は増やしたくない。今のパートは絶対に週19時間以内じゃないといけない。誰でも知ってる大企業だけど。適用 拡大となるときっと私の場合ただ働ける時間が減るだけと思います(50代:パート/アルバイト)
・年収に制限をかけて働く人にはいろいろな理由があると思う。介護とか、わずかな時間しか働けないなど(40代:今は働いていない)
・拡大してほしくない 体力的にぎりぎりなのに経済的にぎりぎりにしないでほしい(40代:パート/アルバイト)
・高額所得者の方が得する制度になるなら嫌です。低所得者が手取りが増えるのであれば良いと思います(60代:パート/アルバイト)
・子どもを産んでほしいのか働いてほしいのかはっきりしてほしい。両方は無理!(40代:正社員)
・壁があったから、就業時間を減らすことができた。これからは子どもの学校行事などで休みたくても休めなくなるかもと不安に思います(50代:派遣社員)
・枠を外しても結局200万も稼げないのだから、扶養、社会保険の枠を200万にしてほしい(50代:パート/アルバイト)
・社会保険に入ると、今よりたくさん保険料が取られて手取りが減ってしまうので入りたくない(30代:パート/アルバイト)
<従業員数の規模要件や収入要件を撤廃して社会保険の適用範囲を拡大することについて「どちらとも言えない」と回答した人>
・社会保険の方が年金額が増えると言うのは嬉しいが、今現在の手取りが少なくなるのは大変辛いです(60代:パート/アルバイト)
・分かりづらいので、もっと万人に分かりやすく説明して欲しい(40代:SOHO/在宅ワーク)
・企業が社会保険料を負担したくないので業務委託などに切り替える可能性がある(60代:パート/アルバイト)
・手取りが減ることを恐れて、収入を抑制せざるを得ない状況に陥る人が多くなると思う(30代:今は働いていない)
・年収の壁を引き上げても、家庭での主婦業が減ることはなく尚且つ夫の協力も変わらなければ働く時間を増やそうとは思わない(50代:パート/アルバイト)
・扶養はとっくに外れた働き方しかできないので、どちらでもいい(40代:正社員)
・106万の年収で社会保険の負担が増えるなら扶養に入ったままの方が負担が少なくすむ。もっと働きたいと思っていても、子育て中はなかなか難しい。子供を孤独にさせて仕事に専念するか、子供と向き合うために仕事をセーブするか。悩み負担するのは自然と女性(50代:パート/アルバイト)
・健康保険の負担金は、バカにならないので、扶養で働きたい人が多いのではと思う(50代:フリー/自営業)
・少し複雑でまだ理解できていていません(50代:今は働いていない)
・社会保険料減額されれば適用範囲拡大でも構わないと思っています(50代:パート/アルバイト)
■しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎より
年収の壁に関する制度変更が注目されています。103万円の壁だけでなく、社会保険の適用条件である月額8万8000円を年換算すると約106万円になることからそう呼ばれる106万円の壁もその一つです。106万円の壁については、厚生労働省が「週労働時間20時間以上」を除いた要件を撤廃する方針を示していること受け、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層に仕事する際の希望に影響があるかを尋ねたところ、「今より年収を上げたくなる」と回答した人が最も多く39.6%でした。次いで多かったのは、「今より労働時間を増やしたくなる」の28.7%。「仕事する際の希望に影響はない」は23.6%で3番目でした。また、「あなたは、従業員数の規模要件や収入要件を撤廃して社会保険の適用範囲を拡大することについてどう思いますか」と尋ねたところ、「賛成」49.0%に対し「反対」22.4%と賛成が反対の2倍以上となりました。106万円の壁撤廃を歓迎する声が多いようです。
さらに、賛否状況別に106万円など社会保険の適用条件撤廃の影響を確認したところ、賛成の人は「今より年収を上げたくなる」や「今より労働時間を増やしたくなる」「働きたいという思いが強くなる」など就業へのポジティブな影響がより顕著になったものの、反対の人は「働きたいと思わなくなる」「今より労働時間を減らしたくなる」など就業へのネガティブな影響がより顕著になり二極化する様子がくっきりと表れています。106万円の壁撤廃には賛成する声が多いものの、手取りが減ることを避けたいなどの理由から反対する層も一定数いることを踏まえ、物価高などの中で家計が厳しくなっている状況にも配慮しつつ丁寧に制度変更を進めていく必要があると考えます。
しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎 プロフィール
1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。これまでに、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を中心にのべ50000人以上の声を調査・分析し、300本以上のレポートを配信。2021年に独立し現職の他、ワークスタイル研究家として解説記事の執筆・講演、広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。
実務経験分野は、人材派遣・紹介・アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げ、広報ブランディング、経営企画、人事など事業現場の最前線から管理部門まで管轄するなど多岐にわたる。人材マネジメントから法規制まで、雇用労働分野の幅広いテーマについて多数のメディア出演などを通して意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役/日本労務学会員
◇委員等 厚生労働省 委託事業検討会委員
民間人材サービス活用検討事業「民間人材サービス事業者のノウハウを活用した女性の復職
促進検討会」(平成29~30年度)
労働者等のキャリア形成・生産性向上に資する教育訓練開発プロジェクト事業「プログラ
ム検討委員会」(平成29~31年度)
日本人材派遣協会 派遣事業運営支援部会員(平成20~21年、24年)、内閣府 規制改革会
議雇用WG勉強会(平成26年)など
◇メディア出演 NHK『あさイチ』解説、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』パネラー、
フジテレビ『みんなのニュース:ふかぼり』解説などのテレビ出演の他、
ラジオ・新聞・雑誌・ビジネス系ウェブメディアなどでコメント多数
◇執筆・その他 ITメディア連載『働き方の見取り図』/JBpress連載『ワークスタイルの行方』他、
日本経済新聞、日経MJ、時事通信、BUSINESS INSIDER JAPAN、プレジデントオン
ライン、J-CASTニュースBizなど執筆・寄稿記事多数。大学や地方自治体、男女共同
参画センターなどでの講演、パネルディスカッションのモデレーターも務める
■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:715名(※)
調査実施日:2024年11月26日(水)~2024年12月8日(水)まで
調査対象者:ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』登録者
※調査対象者のうち、家周りの仕事について「同居家族はいるが主に自分が担当」または「同居家族と自分で概ね平等に担当 」のいずれかを選択した人のみを抽出して集計。
当リリースに関して、研究顧問 川上へのインタビューのご要望があれば広報までご連絡ください
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」そんな志から始まった2011年設立の研究所です。ライフスタイルと仕事の望ましいバランスに対する社会の理解を高め、女性のみならず誰もが働きやすい職場をより多くつくっていくために、定期的なアンケート等の調査を実施し結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ
<ビースタイルグループについて>
『時代に合わせた価値を創造する』という存在意義 -PURPOSE- のもと、その時代の社会問題や人々の不便を革新的な事業によって解決しようと取り組んでいます。創業以来、しゅふの雇用をのべ18万人以上創出してきた「しゅふJOB」や多様な働き方×ハイキャリアを実現する「スマートキャリア」など人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも取り組み、目指す未来 -VISION- 『かかわる全ての人がしあわせ』を実現してまいります。
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