モスルで虐待・搾取・放棄された子どもたち、身体と心のケアが急務【プレスリリース】

弾痕を指さし、「私の家にも同じものがあるよ」と話す女の子 (2017年6月12日撮影) 弾痕を指さし、「私の家にも同じものがあるよ」と話す女の子 (2017年6月12日撮影)

【2017年7月22日 アンマン(ヨルダン)発】

 戦闘が収まりつつあるイラクのモスルでは、暴力や地域紛争の影響を受け、虐待され、搾取され、放棄された子どもたちは身体的・精神的ケアや保護を緊急に必要としているとして、ユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレは以下の声明を発表しました。

* * *

 モスルでは最も悲惨な暴力は収まりつつあるものの、モスルやこの地域のあまりにも多くの子どもたちにとって、極度の苦しみは今もなお続いています。

 今でも、モスルではショック状態にある子どもたちが見つかっています。中には、瓦礫の中やトンネルに隠れているところを発見される子どもたちもいると報告されています。安全を求めて逃れる際に、家族を失った子どもがいます。避難の際に、子どもを手放すことを余儀なくされた家族もあります。それらの子どもたちは、今も孤独に恐怖の中で暮らしています。戦うことを強要され、極端な暴力的な行為を実行させられた子どもも少なくありません。

 イラクやその他の紛争の影響を受ける国のあまりにも多くの子どもたちは、このような恐ろしい時を過ごしてきました。暴力と紛争は、2,700万人近く(*)の子どもたちの命と未来を危険に晒しています。

 シリアのラッカ市北東部では、この数週間、暴力がさらに激化し、子どもたちが繰り返し攻撃に遭っています。激しい暴力に見舞われている市内に、3万人から5万人の市民が取り残されています。恐怖に満ちた状況や、逃げる道中が狙撃、地雷や不発弾などの危険に満ちていたことについて、人々が語ってくれました。

 子どもたちにとって、たとえ差し迫る危険から逃れたとしても、こうした恐怖が終わったわけではありません。コミュニティ内およびコミュニティ間で、高い緊張状況が続いており、子どもたちの多くは拘束され、虐待を受け、特定の勢力との関係があるとみなされ非難を受けています。

 独り取り残された子どもたちは、彼らの家族の出生地や所属に関係なく、家族を見つけ、再会し、身体的・精神的ケアや保護、サービスを受けられるような支援を必要としています。世界中の子どもたちと同様に、彼らにも、法的手続きを受けることも含めて、身の安全を確保される権利があります。子どもは子どもなのです。

 今こそ、行動する時です。子どもたちがこのような恐怖に晒され、不当な扱いを受けている時に、私たちはどうやって、より安定し、繁栄した未来を構築することができるのでしょうか?

*イエメン、シリアおよびシリア周辺の難民受け入れ国、パレスチナ、イラク、リビアおよびスーダンの暴力の影響を受ける子どもたちを指します。

* * *

■ユニセフについて
 ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
 公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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