和室を壊さず、家賃1.2万円アップ群青の「静」と黄土色の「温もり」で、和室とLDKを緩やかに一体化_Renotta、新コンセプト「SERENE FLOW LIFE」を発表

Renotta、築28年の賃貸に「現代の和室」を提案

クラスコ

全国で10,000室超を展開する賃貸リノベーションブランド「Renotta(リノッタ)」を運営する株式会社クラスコデザインスタジオ(本社:石川県金沢市、代表取締役社長:小村典弘)は、既存の和室を洋室へ変更するのではなく、現代の暮らしに合わせて再編集する新デザイン「SERENE FLOW LIFE(セリーン・フロー・ライフ)」を発表しました。

リノッタ新デザイン「SERENE FLOW LIFE」

導入物件では、築28年の賃貸住宅に残る和室と、解体時に現れた撤去できない構造柱を活用。群青に着想を得た深い青と、黄土色を現代化した温かみのある色を組み合わせ、LDKと和室を色で緩やかに区分しながら、視線と暮らしがつながる空間へリノベーションしました。

家賃を月額12,000円引き上げながら、工事完了後18日で成約。通常の原状回復案と比較した当社シミュレーションでは、10年後の税引後キャッシュフローで約110万円の差が見込まれています。今回の取り組みは、「古い和室は洋室に変える」という賃貸リノベーションの定番を見直し、和室が持つ生活上の利便性と、日本の住空間が育んできた色彩を、現在の暮らしへつなぎ直すものです。

背景|和室をなくすことが、最適解とは限らない

賃貸住宅のリノベーションでは、古い和室を洋室へ変更するケースが多く見られます。従来型の畳や襖、木部の色調をそのまま残すと、更新した洋風のLDKと素材や色が合わず、「和室だけが古く見える」「空間全体がちぐはぐに見える」といった印象につながりやすいためです。しかし、問題は和室の機能そのものではなく、和室と現在の生活空間をつなぐデザインが不足していることにあるのではないかと、Renottaは考えました。

和室には、椅子やベッドを置かなくても、そのまま床に座ったり、横になったりできる良さがあります。小さな子どもがいる家庭では、子どもの遊び場や昼寝、着替えの場所として使いながら、親はLDKやキッチンで家事をしつつ、子どもの様子を見守ることができます。それ以外にも、洗濯物を畳む、来客を迎える、在宅ワークをする、ヨガやストレッチをするなど、生活に合わせて用途を変えられます。

日本女子大学大学院の研究(2024年)でも、共働き世帯の在宅ワークでは、ダイニングテーブルを仕事場所として利用し、仕事の合間に家事や育児を行う実態が確認されています。同研究は、多様な生活に対応するためには「居室の用途を限定せず、自由度のある計画が重要」と指摘しています。

そこで「SERENE FLOW LIFE」では、和室を古いまま残すのでも、すべて洋室に変えるのでもなく、和室の機能を残しながら、空間の境界、色彩、素材の見せ方を現代化しました。

「畳」を現代の生活様式にフィットさせたデザインに

- 洋室化には、床だけでも数万円から20万円程度の費用差が生じる場合も

一般的な6畳の和室では、畳の表替えは約4万~10万円、新調は約8万~18.5万円、畳からフローリングへの変更は約9万~30万円が一つの目安とされています。

さらに、壁や天井、襖、押し入れなどを含めて和室全体を洋室化する場合、6~8畳で約25万~100万円程度が一般的な相場とされ、施工範囲によってはそれ以上になることもあります。本物件でも当初は洋室化を検討しましたが、周辺市場を分析した結果、和室を洋室へ変更しても、追加工事費に見合うほど成約想定賃料に差が生まれにくいと判断しました。

「和室だから洋室にする」のではなく、追加投資によって得られる賃料効果を見極め、既存の和室を活かしながら選ばれる理由をつくる方針を採用しました。

 「SERENE FLOW LIFE」とは?

「SERENE FLOW LIFE」は、和室の落ち着きと、LDKの開放感を一つの生活空間の中で共存させるRenottaの新しいリノベーションデザインです。「Serene」は穏やかさや静けさを、「Flow」は空間、視線、暮らしの流れを表しています。完全な壁で空間を分断するのではなく、色彩と既存構造を使って場所の性格を緩やかに分けることで、住む人がその時々の生活に合わせて居場所を選べる「余白」をつくりました。

デザインの特長1|色で分け、視線でつなぐ「群青の境界」

和室側の壁には、群青に着想を得た深い青を採用しました。この青には、和室と洋室を完全に分断せず、色によってそれぞれの場所の役割を緩やかに区分する意図があります。LDKと和室の間に新たな壁を設けるのではなく、床や天井、視線のつながりを保ったまま、壁の色が変わることで、「ここからは少し落ち着いて過ごす場所」という感覚的な境界をつくっています。つまり、色によって空間を分けながら、視線と暮らしはつなげる設計です。

キッチンやLDKは、食事、会話、家事などの動きが生まれる「動」の空間。群青に着想を得た和室は、横になる、子どもを遊ばせる、本を読む、仕事から休息へ気持ちを切り替えるといった「静」の空間です。それぞれの場所に異なる性格を持たせながら、壁で閉じないことで、住まい全体としての広がりと一体感を残しました。

金沢の歴史にもつながる群青

群青は、古くから日本の絵画や建築意匠に用いられてきた、紫みを帯びた深い青です。天然の群青は藍銅鉱などの鉱物を砕いてつくられ、かつては非常に希少で高価な顔料でした。そのため、単なる日常色ではなく、重要な空間に奥行き、品格、特別な印象を与える色として使われてきました。金沢では、国の重要文化財である成巽閣の「群青の間」が知られています。今回採用した深い青は、歴史的な群青をそのまま再現したものではありません。現代のフローリング、畳、木部、照明、家具と調和するよう明度と彩度を調整し、群青が持つ奥行きと品格を、現代の賃貸住宅に合う穏やかな青へ再構成しました。

青系色が持つ「静」の力

色彩が人の感情や身体反応に与える影響については、環境心理学や生理心理学の分野で研究が進められています。色と感情に関する体系的レビューでは、青、緑、青緑は、主に「快適さ」「幸福感」「リラックス」といった、ポジティブで覚醒度の低い感情と結びつく傾向が確認されています。また、学習環境の色を比較した研究では、赤や黄色の環境で心拍数が上昇した一方、青の環境では赤や黄色より心拍数が低く、青は他の色と比較して、参加者のリラックス感や穏やかさを高める結果が報告されています。2023年に60人を対象として行われたVR空間の実験でも、赤い空間は青い空間より皮膚電気反応が大きく、より高い覚醒状態を示しました。こうした研究は、青い壁がストレスや心の不調を直接改善することを証明するものではありません。しかし、青系色が落ち着きや低い覚醒状態と結びつきやすく、人が空間から受ける心理的・生理的反応に影響する可能性を示しています。本物件では、この知見を踏まえ、群青に着想を得た深い青を、休息や気持ちの切り替えを担う和室側に配置しました。

デザインの特長2|大地の温もりと前向きな活動を伝える「黄土色」

既存を柱をあえて、残し視線と空気の流れを遮断を防ぐ

LDKの奥には、日本古来の色である黄土色に着想を得た、温かみのある色を採用しました。黄土色は、黄色みを帯びた土に由来する色です。黄土は、天然の粘土質土壌を原料とする土性顔料で、日本の絵画や壁画にも古くから用いられてきました。黄土色が持つ特徴は、黄色の明るさと、土の色の落ち着きを併せ持っていることです。鮮やかな黄色を広い面積に使用すると、空間の刺激が強くなりすぎる場合があります。

一方、黄色の彩度を抑え、土やマスタードに近づけた黄土系の色は、木部や畳になじみながら、空間に温かさと明るさを加えます。今回のデザインでは、伝統的な黄土色をそのまま再現するのではなく、現在のフローリングや家具に合う、マスタード寄りの色へ調整しました。食事、会話、家事など、人の動きとコミュニケーションが生まれるLDKに配置することで、空間に温もりと前向きな活動の印象を与えています。

黄色系の色が持つ「温もりと幸福感」

黄色系の色は、太陽や光を想起させることから、喜び、明るさ、前向きな感情と結びつきやすいことが、複数の研究で確認されています。2019年に55カ国、6,625人を対象として行われた国際調査では、黄色と「喜び」の関連が調べられ、赤道から遠く、降水量の多い国ほど、黄色を喜びと結びつける割合が高い傾向が報告されました。これは金沢を対象とした研究ではありませんが、雨の多い地域と黄色の感情的な受け止め方との関係を考えるうえで興味深い結果です。また、2026年に発表された60人を対象とする没入型VR研究では、赤、青、緑、黄色の壁を比較した主観評価において、黄色の空間は他の3色より「幸福感」が高く評価されました。同じ研究では、青の空間は赤や緑より「穏やか」と評価され、黄色の空間も赤や緑より穏やかと評価されています。一方、別の実験では、鮮やかな黄色は心拍数を上昇させる結果も報告されています。このため本物件では、黄色系の色に関する研究も参考にしながら、実際の住空間では周囲の木部や畳との調和を考慮し、彩度を抑えた黄土系でデザインしました。

デザインの特長3|群青の「静」と、黄土色の「動」

コントラストが楽しめるデザインに

群青と黄土色を組み合わせた最大の理由は、単に二つの伝統色を使うためではありません。それぞれの色が持つ異なる性格によって、住まいの中に「休息」と「活動」の緩やかなリズムをつくるためです。

群青に着想を得た深い青は、和室の落ち着き、休息、内省を表す「静」の色

黄土色に着想を得た温かい色は、LDKの食事、会話、家事、団らんを表す「動」の色

今回の配色は、この二つの心理的な性格を、一つの住空間の中で使い分けたものです。青と黄色は色相差が大きく、そのまま鮮やかに組み合わせると、強く派手なコントラストになります。両方の彩度を抑え、畳、木部、明るい床を間に置くことで、色の違いを感じさせながらも、互いがぶつからない配色としています。同じ色で全体を均一にまとめるのではなく、異なる色を使いながら、明度と彩度、素材の関係を整えることで一体感をつくりました。

生活の「動」から、休息の「静」へ。

和室からLDKへ視線を移せば、黄土色の温かさが目に入り、LDKから和室へ視線を移せば、群青の深さが目に入ります。住む人の視線が動くたびに、気持ちのモードも緩やかに切り替わる。これが「SERENE FLOW LIFE」における、群青と黄土色のコントラストです。

デザインの特長4|撤去できない柱を、つながりを残す境界へ

解体時、生活空間とキッチンの間に、建物を支えるため撤去できない構造柱が現れました。一般的には、柱を壁で覆って隠す、または存在感を弱める処理を検討します。しかし今回は、その柱を制約として隠すのではなく、空間の特徴として活かすことにしました。既存の柱に複数の縦材を加え、格子を思わせるデザインへ再構成しています。ただし、伝統的な格子の印象を強く出しすぎると、空間が重くなり、いわゆる「和風住宅」の表現に寄りすぎてしまいます。

そこで、格子を全面に設けるのではなく、縦のラインをアクセントとして感じる程度に抑えました。

生活空間とキッチンを視覚的に区分しながら、視線は遮らない。キッチンに立つ人が、和室で遊んだり昼寝をしたりする小さな子どもの様子を確認できる、安心感のある視界を残しています。「隠すための壁」ではなく、「つながりながら分けるための境界」として、撤去できなかった柱をデザインへ転換しました。

デザインの特長5|朝・昼・夜で役割が変わる空間

朝は子どもの遊び場、昼は仕事や家事のための場所、夜は家族が横になってくつろぐ場所。家具によって用途を固定しないからこそ、一つの空間が生活時間に合わせて複数の役割を担います。群青の「静」と黄土色の「動」。その間を、視線が抜ける格子風のアクセントが緩やかにつなぎます。

「和室をなくすか、古いまま残すか」という二択を超え、日本古来の色と和室の機能を、現代の生活に必要な空間として再編集しました。

■ 導入物件概要|家賃月額12,000円アップ、18日で成約

洋室化という定番の方法を選ばず、既存の和室と構造柱を活かすことで、追加工事を抑えながら、物件固有のデザインと暮らしの価値を生み出しました。家賃を月額12,000円引き上げながら、工事完了後18日で成約。通常の原状回復案と比較した当社シミュレーションでは、10年後の税引後キャッシュフローで約110万円の差が見込まれています。

今回の取り組みは、「古い和室は洋室に変える」という賃貸リノベーションの定番を見直し、和室が持つ生活上の利便性と、日本の住空間が育んできた色彩を、現在の暮らしへつなぎ直すものです。

家賃

従前比 月額12,000円アップ

成約までの期間

工事完了後18日

施工期間

7週間

10年後の税引後キャッシュフロー

通常原状回復案比 約110万円増加見込み

物件概要

物件名:エスポワールMN 所在地:石川県金沢市諸江町

築年月:1997年9月 間取り:1LDK 専有面積:55.47m2

施工期間:7週間

施工内容:空間を広く見せつつも心理的なオン・オフが創れるプランニング

※比較は当社想定条件に基づくシミュレーションです。実際の収益は、物件条件、施工費、募集条件、入居期間、修繕費、税制等により異なります。

企画責任者のコメント

賃貸リノベーションでは、『和室は古いから洋室に変える』『撤去できない柱は隠す』という判断が先に立ちやすいと思います。しかし今回は、それらを本当に無くすべきものなのか、改めて考えました。

和室には、小さな子どもを遊ばせる、家族で横になる、仕事をする、来客を迎えるなど、家具を置かなくてもさまざまな使い方ができる良さがあります。

解体時に現れた柱も、視線を遮らずに空間を分ける格子風のアクセントへ変えることで、キッチンから子どもの様子を見守れる機能になりました。群青の深い青には、休息や気持ちの切り替えを支える『静』の役割を、黄土色の温かさには、食事や会話、家族の活動を支える『動』の役割を持たせています。色によって場所の性格を分けながら、壁では分断しない。二つの色のコントラストによって、和室とLDKを一体の生活空間としてつなぐことを目指しました。

今あるものの意味を捉え直し、現在の暮らしと賃貸経営の双方に必要な価値へ変えるリノベーションです

サステナビリティ|既存ストックを「壊す対象」から「価値の素材」へ

総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の空き家数は900万2千戸となり、過去最多を記録しています。既存住宅の価値を高め、長く使い続けられる状態にすることは、空室対策や賃貸経営だけでなく、日本の住宅ストックが抱える課題への対応にもつながります。

「SERENE FLOW LIFE」は、既存の和室や柱を壊す対象として捉えるのではなく、新しい暮らしを生み出す素材として再編集しました。

Renottaは今後も、すべてを新しくすることだけを価値とせず、既存建物が持つ特徴を活かしながら、入居者と不動産オーナーの双方に選ばれる賃貸住宅を全国へ広げてまいります。

Renotta(リノッタ)とは

Renottaは、個々のライフスタイルに寄り添うデザインコンセプトを持つ全国賃貸リノベーションブランドです。 コンセプト、デザイン、ライフスタイルの3つを軸に、一人ひとりの「らしさ」や「趣味」を反映した空間を提供し、長く愛される住まいづくりを目指しています。 2026年3月時点で、全国でこれまでに10,000室以上のRenottaの部屋を展開しています。

全国賃貸リノベーションブランド「Renotta」

今後の展開

今後の展開 クラスコデザインスタジオは今後も、Renottaを通じて、賃貸住宅に“価格以外で選ばれる理由”を生み出す提案を進めてまいります。SERENE FLOW LIFEは、住む人にとっては暮らしの楽しさを生み出し、不動産オーナーにとっては資産価値向上の選択肢となり、不動産会社にとっては価格競争から価値競争への転換を後押しするデザインコンセプトです。今後は、全国の不動産会社・オーナーに向けて、本コンセプトを活用した賃貸リノベーション提案を広げてまいります。

〈Renotta Webサイト〉

https://renotta.jp/

参考資料

古賀繭子・定行まり子「共働き世帯の在宅ワーク環境について-戸建住宅における住まい方実態に関する研究 その2-」

成巽閣「群青の間・書見の間」

東京文化財研究所「日本絵画に使用された彩色材料に関する研究」

Jonauskaite, D. & Mohr, C.「Do we feel colours? A systematic review of 128 years of psychological research linking colours and emotions」

Al-Ayash, A. et al.「The Influence of Color on Student Emotion, Heart Rate, and Performance in Learning Environments」

Weijs, M. L. et al.「Effects of Environmental Colours in Virtual Reality: Physiological Arousal Affected by Lightness and Hue」

Jonauskaite, D. et al.「The Sun Is No Fun Without Rain: Physical Environments Affect How We Feel About Yellow Across 55 Countries」

Li, Y. et al.「Effects of Workspace Wall Colors on Productivity and Emotion via Immersive VR and Physiological Data」

総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」


〈会社概要〉

会社名:株式会社クラスコデザインスタジオ

代表者:代表取締役社長 小村 典弘

所在地:金沢本社 〒920-0024 石川県金沢市西念4-24-21 TEL 076-222-1111 FAX 076-264-9156

東京オフィス 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-16-11 フォーキャスト西新宿5F TEL 03-6833-5500 FAX 03-6675-9004

URL:https://www.crasco.jp/


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会社概要

株式会社クラスコ

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URL
http://www.crasco.jp/
業種
不動産業
本社所在地
石川県金沢市西念4-24-21
電話番号
076-222-1111
代表者名
小村典弘
上場
未上場
資本金
1億9300万円
設立
1963年12月