<男性のがん治療における外見変化に関する意識調査> 治療による外見の変化、3人に1人が不安
脱毛が苦痛に/見た目への不安が行動にも影響
毛髪・美容・健康・医療のウェルネス事業をグローバル展開する株式会社アデランス(本社:東京都品川区、代表取締役社長 鈴木 洋昌)では、全国の30歳~69歳の男性412名を対象に、「男性のがん治療における外見変化に関する意識調査」をインターネット調査で実施しました。
当社は2002年に病院内ヘアサロン「こもれび®」の一号店開設以来、患者さまの外見に関するさまざまなお悩みに寄り添い、ウィッグやケアアイテムを通じたサポートを行っています。女性だけでなく男性にも起こる、がん治療による外見変化に関する実態を把握するため、がんの罹患経験がある方々を対象に、治療中の不安や、外見ケアアイテムの使用状況について調査しました。
主な調査結果トピックス
◆がんと診断されたとき、3人に1人が「外見の変化」に不安
◆治療中の苦痛「脱毛」が最も多い回答
気分の落ち込みや仕事など生活全般に影響
◆脱毛により約4割が心理・行動に変化を経験
◆治療期間中に取り入れたアイテム「脱毛時用の帽子」が最多
◆「使いやすさ」重視が顕著、肌に触れる製品では「素材志向」も
◆約4割が「視線が気になる」ことから外見ケアを実施
見た目のカバーだけでなく気持ちの回復にも使用
<調査概要>
○調 査 名:男性のがん治療における外見変化に関する意識調査
○調 査 対 象:がんの罹患経験があり、がんの治療による脱毛の経験がある
30歳~69歳の男性412名(有効回答数)
○調 査 期 間:2025年8月4日(月)~5日(火) 2日間
○調 査 方 法:インターネットアンケート
○調査委託先:株式会社マクロミル
※本調査結果では、小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります
◆がんと診断されたとき、3人に1人が「外見の変化」に不安
がんと診断された際に不安・心配だったことについて尋ねたところ、最も多かったのは、「治療内容や副作用について」(69.4%)、次いで「治療にかかる費用」(63.6%)でした。いずれも6割を超えており、今後の生活に大きく関わる治療内容や、治療に伴う経済的負担への懸念が色濃く表れています。
続いて、「家族・パートナーへの負担」(46.1%)、「仕事との両立」(44.4%)が挙がり、自身のみならず、周囲・就労への影響も大きな不安となっているようです。
また「外見の変化(脱毛・肌質の変化など)」に不安を感じた人は29.6%と、約3人に1人でした。治療への不安に加えて、金銭面・外見変化での心理的な負担ものしかかっていたことが分かります。
Q.がんと診断されて不安・心配だったことを教えてください。(複数回答/n=412)

◆治療中の苦痛「脱毛」が最も多い回答
気分の落ち込みや仕事など生活全般に影響
がんの治療に伴い、困ったことや辛かったことを尋ねたところ、最も多かったのは「頭髪の脱毛」(36.9%)でした。
「気分が落ち込み、何も手につかないことがあった」(34.7%)と回答した人も3人に1人にのぼり、精神的な負担の大きさも際立ちました。さらに「仕事が困難になった(体力・気力の面)」(31.6%)、「皮膚トラブル」(24.3%)など、治療が日常生活に多面的に影響していることが分かります。
治療そのもののケアに加え、患者が前向きに日常を過ごすための外見ケアや精神的サポート、職場理解の促進など、多面的な支援が必要なのかもしれません。
Q.がん治療に伴い、困ったことや辛かったことを教えてください。(複数回答/n=412)

◆脱毛により約4割が心理・行動に変化を経験
脱毛に関して困ったことを尋ねたところ、最も多かったのは「気分が落ち込みやすくなった」(42.8%)でした。脱毛は外見の変化であると同時に、気分の落ち込みと直結しやすく、心理面に深い影響を与えているようです。
次いで「周囲の視線が気になるようになった」(41.3%)、「外出をためらうようになった」(38.9%)という回答が続き、社会的な関わりを避けたくなる心情や、対人関係への不安も垣間見えます。脱毛は見た目だけの問題にとどまらず、社会的な活動制限など、患者の心理と行動の両面に大きな影響を与えるようです。
Q.脱毛に関して困ったことを教えてください。(複数回答/n=208)

◆治療期間中に取り入れたアイテム「脱毛時用の帽子」が最多
治療期間中に取り入れたアイテムについて尋ねたところ、「脱毛時用の帽子」(44.4%)が最も多く、脱毛による外見の変化をカバーしつつ、防寒や紫外線対策といった実用性も備えたアイテムとして、活用されていることも分かりました。
次いで、「肌に優しいシャンプー」(31.1%)や「頭皮の保湿剤」(21.6%)など、頭皮や肌をケアする製品の取り入れも目立ちました。治療によって敏感になった肌や頭皮への対処が重視されていることがうかがえます。
Q.治療期間中に取り入れたアイテムを教えてください。(複数回答/n=412)

◆「使いやすさ」重視が顕著、肌に触れる製品では「素材志向」も
各アイテムの選定理由としては、「使いやすさ」を最も重視している傾向が強く見られました。特に「脱毛時用の帽子」(65.0%)や「ナイトキャップ」(60.3%)、「ウィッグ」(53.1%)では、半数以上を占めており、日常的に無理なく使用できるかどうかが選定の大きなポイントとなっているようです。
一方、「頭皮の保湿剤」、「肌に優しいシャンプー」では「安全性」や「素材・成分」への関心が高く、肌に塗布するアイテムに対しては、より慎重に選ぶ傾向も見受けられました。

◆約4割が「視線が気になる」ことから外見ケアを実施
見た目のカバーだけでなく気持ちの回復にも使用
ウィッグや帽子による外見ケアを行った理由について尋ねたところ、最も多かったのは「周囲の視線が気になったから」(41.2%)、次いで「脱毛したことを隠したかったから」(34.2%)でした。これらはいずれも他者からどう見られるかという対人意識に基づく不安、病気であることが外見から伝わることへの抵抗感が背景にあるようです。
さらに、「周囲に心配をかけたくなかったから」(24.6%)、「仕事で人前に出る必要があったから」(24.6%)など、他者への配慮や社会生活との両立のなかで外見に気を配る様子も見て取れます。一方で、「気分が前向きになったから」(20.9%)という声も一定数あり、外見ケアが単なる見た目のカバーにとどまらず、気持ちの回復を支える役割を果たしていることが分かります。
Q.ウィッグや帽子で外見ケアを行った理由を教えてください。(複数回答/n=187)

・調査結果について医療事業部 早川 隆義から解説
今回の調査では、がん治療に伴う外見の変化に不安を感じた男性が約3人に1人にのぼり、なかでも「脱毛」が多くの方にとって苦難であることが明らかになりました。脱毛は外見上の変化にとどまらず、心理的な落ち込みや外出への抵抗感など、生活全般に影響を及ぼすことが示唆されています。女性に焦点があたりやすい外見ケアの重要性ですが、男性においてもケアの重要性が浮き彫りとなりました。
<外見ケアの意義>
ウィッグや帽子などの外見ケアは、単に見た目を整えるためのものではなく、患者さまが「自分らしく」社会と再び関わるための大切な支援手段です。今回の調査でも、「周囲の視線が気になった」「脱毛したことを隠したかった」といった回答に加え、「気分が前向きになった」という声も一定数見られました。外見ケアは見た目の回復にとどまらず、心理的な自信や前向きさを取り戻すきっかけとなることが分かります。
<病院内ヘアサロンを通じて>
当社が展開している病院内ヘアサロンこもれびⓇでは、抗がん剤治療による副作用として、頭髪だけでなく眉毛や身体の脱毛のお悩みをお聞きすることがあります。家族には相談しにくかったり、育児への費用を優先してご自身のケアは後回しにしてしまったりというケースも珍しくありません。心理的なサポート体制や職場・家庭での理解促進が実は、求められると感じています。
当社では、外見変化に悩む男性患者さまをサポートするため、医療用ウィッグをはじめ、帽子や頭皮用ローションなど、治療中に取り入れやすいアイテムを展開しています。医療用ウィッグは素材や通気性、デザイン性にも配慮し、快適さと自然さの両立を追及することで、日常生活の中でも心地よくお使いいただけるよう開発を進めています。
患者さまが前向きに治療と生活を両立できるよう、今後も病院内ヘアサロンでは患者さまの「外見サポート」、開発現場では現場に寄せられる声を生かした「製品開発」の両面から患者さまを支援してまいります。
<アデランスの外見ケアに関する取り組み>
■病院内ヘアサロンの展開
当社は2002年に病院内ヘアサロン「こもれび®」の一号店を開設し、現在、国内に34店舗(2025年10月15日時点)を展開しています。医療従事者さまや患者さまのお声を生かし、店舗を共に創り上げていく“協創”をコンセプトに、患者さまなどが必要とされる理美容サービス・外見ケア商品を多数取り扱っています。抗がん剤の影響などによる脱毛に悩む方々のご相談対応をはじめ、ウィッグの提供からネイル・眉毛のお悩み相談など、患者さまの生活を支援する外見ケアをワンストップでサポートしています。外見ケア商品はオンラインショップでも販売しています。

● 外見ケアショップ「アデランスマイリー」(https://medical-aderans.com/)
※医療用ウィッグには、病気の治療や予防の効果はありません

株式会社アデランスは、「Everything for a smile(すべては笑顔のために)」をコーポレートスローガンに制定しています。海外を含むグループ会社共通の理念とし、グローバルウェルネスカンパニーとして、これからも社会に笑顔の輪を広げ、夢と感動を提供し続けていきます。
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