「天を仰ぐ太刀魚」タチウオの常設展示のお知らせ・サンシャイン水族館
東日本で唯一の常設展示!常設展示の背景には、繊細な生態をもつタチウオの採集技術・輸送技術・飼育技術の向上が

サンシャイン水族館(東京・池袋)では、2025年4月1日(火)より館内1Fの水槽名を、「天を仰ぐ太刀魚」とし、立っているように泳ぐタチウオの常設展示を行っています。
タチウオはその美しい姿と繊細な生態で知られ、非常に飼育が難しい生き物とされています。
当館では2020年11月よりタチウオの展示に挑戦してきましたが、飼育技術の向上や駿河湾・東京湾で安定した採集ができるようになったことから、正式に常設展示にすることとしました。
現在、タチウオの常設展示は東日本では当館のみとなります。(サンシャイン水族館調べ)
サンシャイン水族館では今後もタチウオの長期飼育に向けた取り組みを継続し、展示を通してお客様に「ココロ動かす、発見」と感動を提供してまいります。
※本リリースPDFはこちらよりダウンロードいただけます↓
https://prtimes.jp/a/?f=d20364-999-44a420d0aa6cdecb347e7a873d4b8daa.pdf
タチウオ展示のここが難しい
1.鱗を持たないため体表がデリケートで、損傷をうけた擦り傷が致命傷になりやすい
2.自然界では生きている魚を捕食しており、飼育下では餌付きづらい場合もある
3.光や水流に敏感で、些細な刺激に驚いて怪我をしてしまうことも
4.飼育している施設数が少なく、飼育や展示に関する情報が多くないため、まだ分かっていないことが多い
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タチウオ常設展示実現の要因
●飼育技術の向上
サンシャイン水族館では、約4年間の飼育経験を通じ、飼育技術が大幅に向上しました。
エサの種類や給餌方法を試行錯誤し、水流や照明の細かな調整を行い、よりタチウオに合った飼育環境を作ることで、常設展示を実現しました。
また、今回の常設展示により、情報の蓄積がさらに進むことも期待しています。
●安定した採集の実現
採集技術の向上(採集時の個体への負担を最小限に減らす工夫や個体への炎症軽減の工夫など)や、水族館までの輸送技術向上も常設展示を実現した大きな要因となっています。
また展示の維持について、東京湾にはもともとタチウオが分布していますが、近年の温暖化などによる東京湾の海況変動により採集数の増減も影響しているかもしれません。

タチウオについて<参考>
タチウオとは・・・
“きらり”と輝く体に大きな眼、鋭い歯が特徴です。全長100cmを超える大きさにもなる肉食魚で、水深350mまでに生息、温帯から熱帯の沿岸域に分布しています。成魚はカタクチイワシやアミエビを食べることが多く、返しがついた大きく鋭い犬歯で獲物を捕らえます。
サンシャイン水族館では、不定期で飼育スタッフ自らが船に乗り、展示生物の採集を行っております。展示に向けた採集となるため、いかに生物にダメージを与えないよう釣り上げ、水族館の展示水槽まで運ぶかが重要なポイントになります。
<採集編>
★サンシャイン水族館飼育スタッフによるタチウオ釣りは5~7人で!
サンシャイン水族館でタチウオの採集を行う際は、5~7人のチームで駿河湾や東京湾に向かいます。
タチウオを釣った後、針を外すまでを一連の作業で行うため、釣りを行う担当のほかに、素早く針を外す担当を設けています。普段飼育業務を行っているスタッフ以外に、イベント企画部門などの他部署からも社内の釣り好きを募って採集に臨んでいます。
★タチウオ釣りでのマストアイテムをご紹介
①お手製 タチウオ用ビニダモ
サンシャイン水族館では生物の取り上げなどで欠かせないアイテムであるビニール製の道具(通称:ビニダモ)を、タチウオの長細い体に合わせて作製。
採集の際はこのビニダモを数多く準備して向かいます。

②飛び出し防止の透明なシート
垂直に泳ぎ、たまに水面からジャンプをすることもあるタチウオ。釣り上げたタチウオは、普通の魚よりも水槽から飛び出すリスクが高いため、透明なシートを使ってしっかりとガード。
★釣り上げた後はスピードが重要!魚を傷つけないため10秒の勝負
タチウオの体表のグアニン*は手で触れると剥がれてしまうため、できるだけ魚に触れないように反し(かえし)を潰した針で釣り上げます。いかに傷つけずすばやく外せるか、スピード感(ものの10秒)が勝負になります。
*グアニン・・・タチウオの体表を覆う銀色の成分で、鱗の代わりに体表を覆っています。 マニキュアに含まれるラメの原料に使われていたことも。
<輸送編>
釣り上げてからはいかに傷のない状態で展示までたどり着けるかが重要になります。
輸送中は、釣り上げた際に負った傷の炎症を防止するために薬剤を投入し薬浴をします。また活魚車の水槽は車の揺れによる水の跳ね返りを防ぐためできるだけ水をいっぱいにし、車道は溝のないレーンや段差の少ない道を選び細心の注意を払って輸送します。



<展示編>
活魚車の水槽からタチウオをビニダモですくい、エレベーターで水族館のある屋上まで運搬します。
水族館営業中は、観覧面を通らずにバックヤードから展示水槽に移動させる必要があるため、タチウオを展示する水槽までのルートの途中には、タチウオが入ったビニダモをロープに吊り下げ1尾ずつ下のフロアへ降ろす箇所もあります。
「こんなところを通るの?」と思う程圧倒的に狭いバックヤード内をいかに負担なく安全に運搬するか、スタッフ一人ひとりの腕の見せ所です。
タチウオの生態や採集方法に関しての情報はこちら
【水族館ではあまり見られない!?タチウオ】https://sunshinecity.jp/file/aquarium/pdf/ikimono_discovery12.pdf
※本リリースPDFはこちらよりダウンロードいただけます↓
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※状況により、内容・スケジュールが変更・中止となる場合がございます。
※画像はイメージです。
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■サンシャイン水族館 概要
所在地:東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル・屋上
営業時間:10:00~19:00 ※最終入場は終了30分前 ※季節・曜日で変動
入場料:大人(高校生以上)2,600円~、こども(小・中学生)1,300円、幼児(4才以上)800円
※変更の場合あり
問合せ先:サンシャイン水族館 03-3989-3466 https://sunshinecity.jp/aquarium/
※土・日・祝日及び特定日は、事前予約(日時指定)が必要です。
詳しくは、水族館ウェブサイトをご確認ください。
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