【トーキョーアーツアンドスペース】受賞者決定!中堅アーティストの活動を継続的にサポートする「Tokyo Contemporary Art Award 2026-2028」

6回目のTCAAは潘逸舟、やんツーが受賞

公益財団法人東京都歴史文化財団

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)では、公募展や企画展、海外派遣などを通じて、段階的、継続的にアーティストの活動を支援しています。TOKASが東京都と実施する「Tokyo Contemporary Art Award (TCAA)」は、中堅アーティストを対象とした現代美術の賞で、各受賞者には賞金のほか、海外での活動支援および東京都現代美術館での展覧会の開催など、複数年にわたり継続的な活動支援を行います。

この度、ホセリーナ・クルス氏(マニラ現代美術デザイン美術館(MCAD)ディレクター兼キュレーター)と近藤健一氏(森美術館 シニア・キュレーター)を加えた国際的に活躍する計6名の選考委員によるスタジオ訪問や面談を経て、6回目となる「TCAA 2026-2028」の受賞者2名(潘 逸舟、やんツー)を決定しました。

3月4日(水)には授賞式および国内在住の選考委員を交えた受賞記念シンポジウムを東京都現代美術館で開催します。

受賞者

潘 逸舟(ハン・イシュ)|HAN Ishu

1987年上海生まれ、東京都在住。

2025年東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程修了。

映像、パフォーマンス、インスタレーション、写真などのメディアや身の回りの日用品などを用いて、共同体や個が介在する同一性と他者性について考察する作品を発表している。幼い頃に上海から青森に移住した経験をもつ自身の視点をベースに、切り取られた日常風景の中に自らの身体を介入させ、社会と個の関係の中で生じる疑問や戸惑いを、真摯に、時にユーモアを交えて表現する。

近年の主な展覧会に「Asian Avant-Garde Film Festival 2025: Time will Tell」(M+、香港)、「アジア・パシフィック・トリエンナーレ 11」(クイーンズランド州立美術館・近代美術館、ブリスベン、オーストラリア、2024)、「ホーム・スイート・ホーム」(国立国際美術館、大阪、2023)、「In the Wake 震災以後:日本の写真家がとらえた3.11」(ボストン美術館、2015)など。

TWS/TOKAS 参加プログラムに「渋谷自在―無限、あるいは自己の領域 」(トーキョーワンダーサイト渋谷、2017)、「TWS クリエーター・イン・レジデンス・オープン・スタジオ『トーキョー・ストーリー2013』」(トーキョーワンダーサイト本郷、2013)、「平成25 年度二国間交流事業プログラム<メルボルン>」など。

受賞歴に「第36 回 タカシマヤ美術賞」(2025)、「日産アートアワード2020」グランプリ。

<受賞理由>
個人的な経験から、極めて強い動機をもって作品制作をしており、詩的でエッセイ的でありながら、歴史や現代美術への参照もみられる。主題の核がしっかりしており、動機と主題、制作と作品が深くつながり、それらが明確に示された作家のシグニチャー(特徴)を示す一群の作品群につながっている。作品に対する視点を拡張する時期でもあり、移住や異文化の中での生活という経験における他者や自分を介在する今後のプロジェクトが作家の今後のキャリアにとって大きな発展となることが期待できる。


やんツー|yang02

1984 年神奈川県生まれ、神奈川県在住。

2009 年多摩美術大学大学院デザイン専攻情報デザイン研究領域修了。

描く、鑑賞する、作品を設置(撤去)するなど、美術の制度にまつわる人間特有と思われている行為を、機械に代替させるインスタレーション作品で知られる。また、近年はレーシングカー玩具を鈍速化させたり、自作の大型発電機によって展示空間を発電所に変容させるなど、テクノロジーの利便性や合理性の背後に隠蔽される、政治性や特権性、暴力といった問題にフォーカスし、技術に規定される社会の在り方を問う作品制作を行う。

近年の主な展覧会に「瀬戸内国際芸術祭2025」(平賀源内記念館、さぬき、香川)、「Random Access Project 4.0」(ナム・ジュン・パイクアートセンター、龍仁、韓国、2025)、「MOT アニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ」(東京都現代美術館)、「六本木クロッシング 2022 展:往来オーライ!」(森美術館、東京) など。

TWS/TOKAS参加プログラムに「OPEN SITE 2018-2019 TOKAS推奨企画 コンタクトゴンゾ『untitled session』」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、2019)、「 TWS クリエーター・イン・レジデンス・オープン・スタジオ『トーキョー・ストーリー 2010』」(トーキョーワンダーサイト本郷、2011)、「 平成22年度二国間交流事業プログラム<バルセロナ>」など。

受賞歴に「TERRADA ART AWARD 2023」寺瀬由紀賞、「第21回文化庁メディア芸術祭」アート部門 優秀賞(2018)(※菅野創との共同受賞)など。

<受賞理由>
テクノロジーに関して、誰もが共感する問いを扱い、ユーモアを込めてテクノロジーに潜む暴力性を問う批評性を持つ。グラフィティやドローイングを自動的に描く装置を起点としながらも、テクノロジーの構造やシステムの破綻に限定されない要素も示唆している点が興味深い。作品のバリエーションは豊富だが、その根底には作家の興味の幅広さに基づく明確な動機や必然性が存在する。受賞記念展は作品をより俯瞰的に示す場となり得て、作家の新たな方向性や可能性を探る良い機会となるだろう。

選考委員長による総評

今回は参加したアーティストたちによる、真摯で正直なプレゼンテーションや質疑応答に選考委員全員が心を動かされた選考会でした。自分がどこから来て、アーティストとしてどのように社会に関わっていくのかという切実な問題に、テクノロジーやジェンダー、日本の近代史、周縁化された人々の声を手がかりに立ち向かう姿勢が顕著に表れ、率直に彼らの作品によって表現されていました。その一方で、各アーティストの視覚言語や、彼らのコンセプトを補強する思想や言葉の独創性はやや希薄で、既視感があったり、借り物の印象が拭えない感もありました。おそらく彼らもそのことを自覚しており、突破口を探しているのではないでしょうか。中堅のアーティストを支援する本賞の選考会が、彼らが今ひとたび自分が築き上げてきた表現世界を振り返り、自分のコンフォタブルゾーンから飛び出し、次のステップに挑戦する機会となったならば幸いです。 高橋瑞木[CHAT 館長兼チーフキュレーター]

授賞式および受賞記念シンポジウム

開催日時:3月4日(水)

[授賞式]14:00-14:30 (開場:13:30)[受賞記念シンポジウム]14:40-16:10
会場:東京都現代美術館 B2F 講堂(東京都江東区三好4-1-1)

※入場無料・要事前申込・先着順/日英同時通訳・日本手話通訳あり

申し込み方法:TCAAウェブサイトより、3月2日(月)までにお申込みください。
申込フォーム:https://tokyocontemporaryartaward.jp/news/form/3743

Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)について

海外での展開も含め、更なる飛躍とポテンシャルが期待できる国内の中堅アーティストを対象とした現代美術の賞。アーティストのキャリアにとって最適な時期に最善の支援内容を提供する必要性を重視し、受賞者の選考は、選考委員によるアーティストのリサーチやスタジオ訪問により、制作の背景や作品表現、キャリアステージへの理解を深めた上で行われます。受賞者には、海外での活動支援のほか、東京都現代美術館での展覧会およびバイリンガルでのモノグラフ(作品集)の作成など、複数年に渡る継続的な支援を行います。 

www.tokyocontemporaryartaward.jp/

  

【歴代受賞者】

第1回 TCAA 2019-2021|風間サチコ/下道基行

第2回 TCAA 2020-2022|藤井 光/山城知佳子

第3回 TCAA 2021-2023|志賀理江子/竹内公太

第4回 TCAA 2022-2024|サエボーグ/津田道子

第5回 TCAA 2024-2026|梅田哲也/呉夏枝 

TCAA 2026-2028について

2025年6月に公募を実施。選考委員に公募作家リストを共有し、推薦作家を含む一次選考会の候補者の選出を依頼。選考での議論を経て、最終選考会の候補者を選出。その後、スタジオ訪問や面接など候補者との対話を経て審査を行い、受賞者を決定しました。選考にあたり、中堅アーティストとして固有の表現/造形言語を有し、作品群を確立しているか、制作への動機付けや作品の説得力、海外展開における接続性や伝達力、受賞後の飛躍への期待、TCAAによる支援が作家のキャリア・ステージにおいて重要なタイミングであるかなどを考慮しました。

【スケジュール】

【支援内容】

1)賞金300万円

2)海外での制作活動支援上限200万円(旅費、滞在費、調査・制作費等)

3)展覧会の実施(東京都現代美術館での展示、2027年度予定)

4)モノグラフ(作品集)の作成(3)の展覧会実施後に制作)・海外発信支援

選考委員
ホセリーナ・クルス[マニラ現代美術デザイン美術館(MCAD)ディレクター兼キュレーター]

近藤健一[森美術館 シニア・キュレーター] 

高橋瑞木[CHAT 館長兼チーフキュレーター]

野村しのぶ[東京オペラシティアートギャラリー シニア・キュレーター]

レズリー・マ[メトロポリタン美術館 ミン・チュー・シュウ&ダニエル・シュー 近現代美術部門 キュレーター] 

近藤由紀[トーキョーアーツアンドスペース プログラムディレクター]

【選考会運営事務局】

特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)について

TOKASは、幅広いジャンルの活動や領域横断的・実験的な試みを支援し、同時代の表現を東京から創造・発信するアートセンターです。TOKASは若手アーティストの育成支援機関、トーキョーワンダーサイト(TWS)として2001年に創設され、2017年に名称を変更しました。発表の場としての「TOKAS 本郷」と滞在制作やリサーチ活動の拠点となる「TOKASレジデンシー」の2館を中心に、今生まれつつある創造的な活動を多様なプログラムによって継続的に支援し、都市東京の豊かな文化を支えるための活動を行っています。また、2018年より東京都と「Tokyo Contemporary Art Award」を創設しました。 

www.tokyoartsandspace.jp/

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会社概要

URL
https://www.rekibun.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区九段北4-1-28  九段ファーストプレイス8階
電話番号
03-6256-9967
代表者名
堤 雅史
上場
未上場
資本金
-
設立
1982年12月