中東・北アフリカの、5人に1人の子どもに人道支援が必要【プレスリリース】

ユニセフ、最新の分析発表

子どもを抱え、破壊された旧市街を歩く女性。(イラク・モスル)2017年7月6日撮影© UNICEF_UN073067_Romenzi子どもを抱え、破壊された旧市街を歩く女性。(イラク・モスル)2017年7月6日撮影© UNICEF_UN073067_Romenzi

【2017年9月11日 アンマン(ヨルダン)発】

 中東・北アフリカ地域に暮らす子どもたちの5人に1人が、緊急人道支援を必要としている、と最新のデータと分析が示しています。このうち90%以上は、紛争の影響を受ける国々で暮らしている子どもたちです。

 「紛争は、何百万人もの女の子たち、男の子たちの子ども時代を奪っています。中東・北アフリカでこれまで数十年かけて築いてきた進歩が逆行する危険に晒されています」と、ユニセフの中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレは述べました。
 

 子どもたちは、何年にもわたる暴力、避難生活および基本的社会サービスの欠如により最も深刻な影響を受けています。病院、電力、水と衛生施設を含む社会インフラも度々攻撃を受け、子どもたちを死と疾病の危険に晒しています。

 何百万人の家族が家から逃れることを余儀なくされました。そして何度も、銃撃戦をくぐり抜けて逃げなければならなかった人々もいます。暴力や避難生活が続くことで、子どもたちと家族の生活はさらに困難なものとなっています。

 「紛争の終わりが見えず家族の貯金が減少していく中で、多くの家族に残された最後の手段は、子どもを働かせ、娘を早く結婚させることです。紛争に参加する子どもの数も2倍以上になっています」とカッペラエレは言います。

最新の分析によると:
  • シリア国内および難民受け入れ国に暮らす約1,200万人のシリア人の子どもたちが人道支援を必要としています。2012年の50万人から大幅に増加しています。そのうち推定200万人の子どもたちがシリア国内の支援を届けにくい地域あるいは包囲された地域に暮らしており、過去数年間限られた人道支援しか受けられずにいます。
  • イエメンでは、戦闘により水と衛生施設が破壊され、コレラと急性水様性下痢症が世界最悪の流行を見せており、これまでに疑われる症例が61万件以上報告されています。イエメンでは、保健施設の半数以上が閉鎖し、給水システムが破壊されたことで、1,500万人近くの人々が安全な水および基本的保健ケアを得ることができません。
  • イラクでは、モスルや最近ではタルアファルを含む地域で戦闘が激化した結果、500万人以上の子どもたちが支援を必要としています。彼らは安全な水、食糧、住居および教育分野での支援を必要としています。
  • ガザ地区では、電力危機が続いており、水の供給は30%減少しました。下痢症に罹る幼い子どもたちの数が、この3カ月間だけで2倍になりました。

 「中東・北アフリカ地域の子どもたちは、前例のないレベルの暴力に晒され、目にすべきではない恐ろしい光景を目撃してきました。もし、暴力と戦争が続くならば、その結果は、この地域だけではなく、世界中にとって悲惨なものとなります。世界の指導者たちは、子どもたちのために、そして彼らの未来のために、暴力を終わらせるためにさらなる努力をするべきです」とカッペラエレは述べました。

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■ユニセフについて
 ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
 公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

 

 

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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