コンゴ民主共和国・カサイ地域、紛争の影響で学校に通えない子ども85万人【プレスリリース】
ユニセフ、15万人を学校に戻す「学校に戻ろう」キャンペーン開始
【2017年9月15日 キンシャサ(コンゴ民主共和国)/ダカール(セネガル)/ジュネーブ/ニューヨーク 発】
コンゴ民主共和国のカサイ地域では、数カ月にわたる武装勢力と治安部隊の衝突の影響で、数千人の家族が避難を余儀なくされ、85万人の子どもが教育や保健ケアなどの基本的なサービスを受けることができなくなっています。この治安状況の不安定なカサイ地域で、初等教育学齢期の子どもたち15万人を教室に戻すための一大キャンペーンが始まりました。
ユニセフ(国連児童基金)は、危機の被害が最も大きい5つの州、Kasai、 Kasai Central、Kasai Oriental、 Sankuru および Lomamiでは、情勢不安から前学年度を終了できなかった子どもが44万人いると推計しています。危機が発生してから、400校以上の学校が攻撃に遭い、また暴力の恐怖から親が子どもたちを学校に通わせることを躊躇しています。
「何カ月もの恐怖と不安の中での生活を強いられた子どもたちにとって、学校に戻り日常を取り戻すことは大変重要なことです」と、ユニセフ・コンゴ民主共和国事務所代表代理のタジュディーン・オイウェイルは述べました。
ユニセフがパートナー団体と協力し、カサイ地域全体で実施する「学校に戻ろう(back-to-school)」キャンペーンは、親に対して子どもを学校に行かせるように働きかける啓発活動、最も困難な立場にある子どもたちに対する学用品の提供、および教員2,750人を対象に平和教育および心理社会的ケアに関する研修を提供します。
ユニセフは、子どもたちが安全に学校に戻れる環境をつくるために、学校やその周辺に残された地雷や戦争残余物の危険性について、教員への研修および地域への啓蒙活動を支援しました。
1年前に勃発した暴力は、カサイ地域全土および周辺にまで拡大し、戦闘から逃れるために、何千人もの子どもとその家族が茂みに逃れ身を潜めて暮らすことを余儀なくされました。
「何カ月も茂みに隠れる生活を送った後、家に戻れた子どもたちは、口を揃えて学校に戻りたいという意欲を語ります」とオイウェイルは言いました。「同じことが、何らかの形で戦闘に関わらされた子どもたちにも言えます。彼らは、未来を見据えています。そして、教育こそが彼らを前進させるということを知っています」
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■補足
ユニセフとパートナー団体はこれまでに、カサイ地域での危機の影響を受ける50万人以上に対して、命を守る支援、現金給付、教育資材や食料以外の生活必需品の提供、および子どもの保護に関する支援を行ってきました。ユニセフは9月初めに、米国海外災害支援事務所(OFDA)/米国国際開発庁(USAID)から寄付を受けた35トンの食料以外の生活物資、水、栄養補助食品をカサイ地域に送り、避難民12万人が恩恵を受けました。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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