【京都国立近代美術館】「キュレトリアル・スタディズ16:荒木悠 Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―」を開催
展覧会URL:https://www.momak.go.jp/Japanese/curatorialstudiesarchive/16.html

京都国立近代美術館では、2025年10月7日から12月7日まで「キュレトリアル・スタディズ16:
荒木悠 Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―」を開催いたします。
荒木が初めて海の向こうのアメリカへと渡ったのは、3才の頃でした。英語がままならなかった荒木は、異なる言語を話す友人たちと絵でコミュニケーションを取り、大人になっていつしか美術作家として活動を始めました。彼は現在も、国と国、都市や地域の行き来を続けます。そして各地で様々な人や文化と出会いながら、文化間の邂逅や摩擦、歴史の奥に潜む物語の層を、ユーモアと批評性に富んだ作品として発表してきました。
この展覧会では、荒木の新旧作品と越境する眼差しを、京都国立近代美術館のコレクションから当館研究員が選んだ国吉康雄(1889-1953)、石垣栄太郎(1893-1958)、野田英夫(1908-1939)という、3名の「日系移民作家」の作品に重ねます。そして移動と越境、表現の関係を掘り下げながら、過去と現在を照らし合います。
戦争や不況、「我々」と「彼ら」を分断する思考など、国吉・石垣・野田が約100年前に直面した情勢と通じる状況が現在進行形で続いています。荒木作品と当館コレクション合わせて計20点以上を展覧する本展は、この複雑な世界で共に生きる一人ひとりの現在地と進む先を見つめるきっかけになるでしょう。


みどころ
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本展初公開の新作を含む、計4点の映像作品を展示
荒木悠が2025年夏にポルトガルと日本で撮影・制作した新作の映像作品1点と、22才の時に発表した短編映像を含む過去作3点、合計4点の荒木作品を当館コレクションと共に展示します。新作の映像作品は、本展初公開です。
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京都国立近代美術館所蔵の国吉康雄、石垣栄太郎、野田英夫の写真と絵画を一堂に公開
当館所蔵の国吉康雄、石垣栄太郎、野田英夫の写真と絵画全14点を一挙に展示する、初めての機会となります。
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「Reorienting」を表す展示空間を展開
国吉・石垣・野田、そして荒木悠の視点を軸に、アルフレッド・スティーグリッツやドロシア・ラングが撮影したモダニズム写真などを併せながら、当館のコレクションを編み直します。



荒木悠 Yu Araki
アーティスト・映画監督。1985年生まれ。2007年ワシントン大学サム・フォックス視覚芸術学部美術学科彫刻専攻卒業。2010年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修士課程修了。文化の伝播や異文化同士の出会い、またその過程で生じる誤訳や誤解の持つ可能性に強い関心を寄せている。特に、近年の映像インスタレーションでは、歴史上の出来事と空想との狭間に差異を見出し、再現・再演・再生といった表現手法で探究している。
近年の主な個展と映画祭
個展:「双殻綱:幕間」(札幌文化芸術交流センターSCARTS、北海道、2025)
「LONELY PLANETS」(十和田市現代美術館、青森、2023)
「双殻綱:第二幕」(無人島プロダクション、東京、2022)
「LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ」(資生堂ギャラリー、東京、2019)
映画祭:第7回バンコク実験映画祭(タイ、2025)
第31回マルセイユ国際映画祭(フランス、2021)
第47回ロッテルダム国際映画祭(オランダ、2018)
ミニカタログ
本展のインスタレーションビューやアーティストステイトメント、荒木悠の年表などを収録したミニカタログ『キュレトリアル・スタディズ16:荒木悠 Reorienting-100年前に海を渡った作家たちと』を11月中旬から発売します。当館1階ミュージアムショップでお買い求めいただけます。
デザイン:畑ユリエ
価格:未定
関連イベント
アーティスト・トーク「信頼できない語り手」
日時:2025年10月25日(土)14時~15時30分(開場13時30分)
出演:荒木悠、渡辺亜由美(当館特定研究員・本展担当者)
会場:京都国立近代美術館1階講堂
定員:先着80名(当日11時より1階受付にて整理券を配布します。整理券はひとり1枚のみお渡しします)
参加費:無料
ギャラリートークをインスタLIVEにて配信
日時:2025年11月8日(土)18時15分~
解説:荒木悠、渡辺亜由美
開催概要
展覧会名:「キュレトリアル・スタディズ16:荒木悠 Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―」
会 期:2025年10月7日(火)~12月7日(日)
会 場:京都国立近代美術館(〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町)
開館時間:午前10時~午後6時、11月28日と12月5日を除く金曜日は午後8時まで開館
*入館は閉館の30分前まで
休 館 日 :月曜日(ただし、10月13日、11月3日、11月24日は開館)、10月14日(火)、11月4日(火)、11月25日(火)
観 覧 料 :一般430円(220円)、大学生130円(70円)、高校生以下・18歳未満および65歳以上無料
※心身に障がいのある方とその付添者1名、ひとり親家庭の世帯員の方は無料(入館の際に学生証、年齢の確認ができるもの、障害者手帳等をご提示ください)
※( )内は20名以上の団体と夜間割引(金曜午後6時以降)
※本料金でコレクション展もご覧いただけます。
主 催:京都国立近代美術館
助 成:京都市「Arts Aid KYOTO」補助事業、公益財団法人 野村財団
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