<ワーキングケアラー>介護と仕事の両立「とても難しい」76.3%/在宅勤務で「両立しやすくなる」48.4%
介護する人の在宅勤務する努力義務化「知らない」79.2% ~しゅふJOB総研~
仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』(運営会社:株式会社ビースタイルホールディングス 本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)は、『在宅勤務と介護との両立』をテーマに、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層にアンケート調査を行いましたので以下にご報告します。(有効回答数:746件)
■調査結果概要
1.介護と仕事の両立は「とても難しい」76.3%
2.仕事との両立について:介護と育児の比較
3.介護する人の在宅勤務が努力義務化された法改正を「知らなかった」79.2%
4.在宅勤務で介護と仕事の両立はしやすくなると「思う」48.4%
5.在宅勤務と介護との両立について:年代別比較
6.フリーコメントより
1.介護と仕事の両立は「とても難しい」76.3%

2.仕事との両立について:介護と育児の比較

※同じ回答者に「育児と仕事の両立について、どのような印象をお持ちですか。最も近いものをお教えください」と質問した結果との比較。
<参照>在宅勤務で“育児と仕事”は両立しやすくなると「思う」57.0%:https://www.bstylegroup.co.jp/news/35326/
3.介護する人の在宅勤務が努力義務化された法改正を「知らなかった」79.2%

4.在宅勤務で介護と仕事の両立はしやすくなると「思う」48.4%

5.在宅勤務と介護との両立について:年代別比較

6.フリーコメントより
◇フリーコメントより抜粋(年代:就業形態)
・介護の場合は、仕事があった方が気分転換にもなり、非常に良い事だと思います。自分の世界を持っている事が大切だと思います(60代:パート/アルバイト)
・介護を現在進行形で行ってます。仕事と介護の両立は難しいと感じています。高齢の親の要求はエスカレートしがちです。また、何があるかわからないのが介護です。介護者の身体的負担以外に精神的負担も大きいです。介護経験のない周囲の無理解もきついです(50代:SOHO/在宅ワーク)
・介護は経験済だが、在宅勤務でも仕事との両立は無理だと思う。介護施設に入っても、電話連絡がよく来るし、気が休まらないし、永遠に続くし、しんどい(40代:派遣社員)
・赤ちゃんを育て成長させるのは辛くても喜びもある 介護に喜びは見いだせない(50代:パート/アルバイト)
・育児もそうですが、特に介護については外部の力を借りることが大変重要だと思います(50代:SOHO/在宅ワーク)
・女性だけでなく男性も同じように育児介護に関わるべき(40代:その他の働き方)
・いま少し介護に絡み始めています。実家は電車を乗り継ぎ1時間半かかります。在宅勤務とか関係ないような気がします(50代:派遣社員)
・長く完全在宅勤務をしており、その間介護も育児も経験しているが、介護はなんとかできた。ただ、母に認知機能の低下は見られなかったので、介護される側の理解があったことが大きかったと思う(50代:パート/アルバイト)
・育児はある程度コントロールできるが、親または義理の親を説得するのはかなり大変(60代:正社員)
・介護は自分の問題でもあるので、やはり、在宅勤務ができるのはありがたいと思う。働きたいが、長時間家をあけられないなどはどうしても起こるし、病院への付き添いなど、休みが取りやすいことも大事だと思います(50代:契約社員)
・具体的なお世話の作業をすることを育児、介護というのであれば仕事との両立は絶対無理。作業はプロにお任せした方が良い。でも家族しかできない寄り添いは在宅勤務でカバーできる。当事者同士のメンタルヘルスにおいて大事だしそれは大きな育児活動、介護活動だと思う(40代:フリー/自営業)
・難病の母親を24時間介護していた経験がありますので介護に関しては仕事しながらというのは絶対に難しいと思います(50代:契約社員)
・介護は終わりが見えない分、介護する家族の精神的な負担は大きいと思います。在宅と出社する日を上手く組み合わせて働けると良いと思います。何よりも介護する人が、介護される人から離れられる時間も必要だと感じます(60代:派遣社員)
・在宅ワークに出来ない仕事もあるし在宅ワークしながら介護はなかなか大変だと思う 介護は終わりは親の死というデリケートな問題になる。介護休暇の所得しやすさや時短も必要だと思う(50代:パート/アルバイト)
・在宅勤務がしやすくなるよりも、急な休みやイベント時の特別有給休暇など(例えば、誕生日休暇など)育児や介護のためよりも自分自身の療養休暇などがあると嬉しい(50代:派遣社員)
・在宅勤務の選択肢があることは心の余裕に繋がると思う。通勤時間がなくなることで仕事にも集中しやすくなる。職種が限定されるとは思うが可能な職種は選択できるようにしてほしい(30代:パート/アルバイト)
・実際のところ介護については介護度によると思います(50代:派遣社員)
・女性の負担が大きい。介護を全部自分たちで負担するのではなく、安い金額で預けられやすくなれば良いと思う(50代:パート/アルバイト)
・3歳の子供を介護しながら仕事をしています。私は電車通勤です。保育園への送迎には自転車が使えないため、送った後に車を自宅においてから職場へ向かわないといけないため、時間に全く余裕がありません。在宅勤務を特例で認めてもらっていますが、周りの目も気になりますしいつまで認めて貰えるかわかりません(40代:正社員)
・介護&仕事は無理でした。頑張り過ぎると心も体も壊れます(壊れました)。今はいろいろサポートがありますね。広まると良いなと思います(50代:パート/アルバイト)
・両立は基本的に無理だと思います。ヘルパーさんを頼ったりしないとやっている人が心までやられると思います(40代:パート/アルバイト)
・両立の定義によるが、身体一つしか無いのだから、片方を行うともう片方はおざなりになるのは当然でロスに繋がるという意味で、同時両立はできないでしょう。とはいえ、もう片方に作業をすぐに切り替えできるのは強みなので、在宅は必要な手段だと思う(50代:フリー/自営業)
・自宅介護をしていたが、ほぼ付きっきりだったので、在宅勤務なっても集中できないのではと思う(40代:パート/アルバイト)
・24時間見守りが必用な重度知的障害児を育てています。テレワークができればヘルパーさんに協力を仰いで仕事がつづけられたのに、会社が、小さい子のいる家のテレワークは許しても、介護になる高校生の娘の育児についてはテレワークを許してくれなかったため、退職せざるを終えませんでした(60代:パート/アルバイト)
・自分の場合、介護のために30代半ばで退職しました。もっと様々な選択肢があればキャリアを捨てすに済んだのになといまでも後悔することがあります(50代:派遣社員)
・育児・介護で休暇を取る人への整備ももちろんだが、同じチームで働くメンバーへの給与アップなど不満を解消できる対策も必要だと思う(30代:パート/アルバイト)
・介護はまだまだ整備されていないところもあり、必ずしも全員が公的サービスを受ける事が難しいという点と、介護される本人が自宅で過ごしたいと希望した時に仕事を辞める選択をせずに済むのはいい事だと思う。介護をする年齢で会社を辞めるとその後年齢的に再就職が難しくなるので在宅ワークをさせて貰えるとよい(40代:パート/アルバイト)
・休暇や休業も大切だが、就業中の中抜けや労働時間を選択(調整)できる仕組みも同等に重要だと思う(40代:契約社員)
・育児も介護も「人」が対象ですが、我が家のように介護が必要な愛犬も家族の一員。愛犬(ペット)介護のための仕事両立も今後は視野に入れて欲しいです。ペットを家族であるという認識とその思いが広く浸透し、社会的に認められることを望みます(50代:派遣社員)
・介護はヘルパーさんが来てくれるようになって自身が何かをしなければいけない時間が減って、病院に連れて行くのと顔を見せるくらいですむようになった(50代:フリー/自営業)
・父親が数年前に体調を崩し、以来介護と仕事を両立を模索中です。父親の体調の変化が読めないので、突然お休みを頂戴したり、早退したり、スケジュールが柔軟に調整できない仕事やサポート体制の少ない職場では難しさを非常に痛感しています(40代:派遣社員)
・親の介護は、プロに任せた方が良いと思う(50代:パート/アルバイト)
・育休制度が今ほど整備されていない30年ほど前に育児、昨年まで介護を経験したが、明らかに介護の負担が重い。もう少し介護にかかわる援助(休暇や金銭的な補助)を進めるべきだと思う(60代:今は働いていない)
■しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎より
働いている人の誰もが、介護と両立するワーキングケアラーになる可能性があります。日本では、ビジネスケアラーと呼ばれたりもします。仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層に介護と仕事の両立について印象を尋ねると「とても難しい」と回答した人が76.3%に及びました。「どちらかと言えば難しい」と合わせると94.8%に上ります。育児との両立について尋ねた際は、「とても難しい」との回答が45.4%でした。介護との両立の方が、より難しさを感じている人が多いようです。また、「2025年4月から育児・介護休業法が改正され、家族を介護する人が在宅勤務を選択できるよう会社が措置を講ずることが努力義務になったことをご存じでしたか」と尋ねたところ、「知らなかった」と答えた人が8割近くに上りました。残念ながら、いまのところ法改正の内容があまり認知されていないようです。
さらに「在宅勤務しやすくなることで、育児や介護と仕事は両立しやすくなると思いますか」との質問には「介護について思う」と答えた人が48.4%でした。年代別で比較してみると、年代が上がるほど「介護について思う」と答えた人の割合が少なくなっています。実際に介護を経験した人の割合が多いと考えられる年代ほど、実感として介護との両立の難しさを感じやすいのかもしれません。フリーコメントには在宅勤務に関する様々な意見や介護離職された方の声などが寄せられました。社員が自ら育児に携わることを想定した育児休業とは異なり、介護休業の役割は要介護者が必要な介護サービスを受けられるようにするなど、社員が仕事と介護を両立できるようにするための準備を想定しています。超高齢化社会を迎えてワーキングケアラーの増加が見込まれる中、介護離職を防ぐためのさらなる情報提供や環境整備などの必要性が高まっていくと考えます。
しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎 プロフィール
1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。これまでに、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を中心にのべ50000人以上の声を調査・分析し、300本以上のレポートを配信。2021年に独立し現職の他、ワークスタイル研究家として解説記事の執筆・講演、広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。

実務経験分野は、人材派遣・紹介・アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げ、広報ブランディング、経営企画、人事など事業現場の最前線から管理部門まで管轄するなど多岐にわたる。人材マネジメントから法規制まで、雇用労働分野の幅広いテーマについて多数のメディア出演などを通して意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役/日本労務学会員
◇委員等 厚生労働省 委託事業検討会委員
民間人材サービス活用検討事業「民間人材サービス事業者のノウハウを活用した女性の復職
促進検討会」(平成29~30年度)
労働者等のキャリア形成・生産性向上に資する教育訓練開発プロジェクト事業「プログラ
ム検討委員会」(平成29~31年度)
日本人材派遣協会 派遣事業運営支援部会員(平成20~21年、24年)、内閣府 規制改革会
議雇用WG勉強会(平成26年)など
◇メディア出演 NHK『あさイチ』解説、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』パネラー、
フジテレビ『みんなのニュース:ふかぼり』解説などのテレビ出演の他、
ラジオ・新聞・雑誌・ビジネス系ウェブメディアなどでコメント多数
◇執筆・その他 ITメディア連載『働き方の見取り図』/JBpress連載『ワークスタイルの行方』他、
日本経済新聞、日経MJ、時事通信、BUSINESS INSIDER JAPAN、プレジデントオン
ライン、J-CASTニュースBizなど執筆・寄稿記事多数。大学や地方自治体、男女共同
参画センターなどでの講演、パネルディスカッションのモデレーターも務める
■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:746名(※)
調査実施日:2025年3月20日(木)~2025年4月6日(日)まで
調査対象者:ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』登録者
※調査対象者のうち、家周りの仕事について「同居家族はいるが主に自分が担当」または「同居家族と自分で概ね平等に担当 」のいずれかを選択した人のみを抽出して集計。
※当リリースに関して、研究顧問 川上へのインタビューのご要望があれば広報までご連絡ください
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」そんな志から始まった2011年設立の研究所です。ライフスタイルと仕事の望ましいバランスに対する社会の理解を高め、女性のみならず誰もが働きやすい職場をより多くつくっていくために、定期的なアンケート等の調査を実施し結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/category/report/
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ

<ビースタイルグループについて>
『時代に合わせた価値を創造する』という存在意義 -PURPOSE- のもと、その時代の社会問題や人々の不便を革新的な事業によって解決しようと取り組んでいます。創業以来、しゅふの雇用をのべ20万人以上創出してきた「しゅふJOB」や多様な働き方×ハイキャリアを実現する「スマートキャリア」など人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも取り組み、目指す未来 -VISION- 『かかわる全ての人がしあわせ』を実現してまいります。

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