進む高齢化、進まない交代 「経営者の病気・死亡」で倒産、2024年は初の300件超え 経営者の高齢化を背景に増加
「経営者の病気、死亡」倒産動向調査
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株式会社帝国データバンクは「経営者の病気・死亡」が要因となって倒産した企業の発生状況について調査・分析を行った。
<調査結果(要旨)>
「経営者の病気、死亡」を主因とする倒産が増えている。2024年は前年比38件(13.7%)増の316件となり、はじめて300件を超えた。全倒産に占める割合も年々高まり、かつては1%台にとどまっていたが、2013年に2%台となり、ここ2年は3%台に上昇している。
その理由の一つは社長の高齢化だ。
集計期間:2024年12月31日まで
集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産
「経営者の病気、死亡」の倒産、2024年は316件
2024年は前年比38件(13.7%)増の316件となり、はじめて300件を超えた。手厚い資金繰り支援によりコロナ禍での倒産件数は歴史的低水準となったが、2021年(268件)、2022年(279件)と増加傾向は続いていた。また、全倒産に占める割合も年々高まり、かつては1%台にとどまっていたが、2013年に2%台となり、ここ2年は3%台に上昇している。
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社長の高齢化が進行、事業承継の先延ばしがリスクに
理由の一つは社長の高齢化だ。『全国「社長年齢」分析調査(2023年)』によると、2023年の社長の平均年齢は60.5歳と33年連続で上昇した。また、50歳以上の社長の割合は、2017年の77.2%から2023年には81.0%にまで上昇し、企業の経営者の高齢化が加速度的に進んでいる。その大きな要因の一つが、社長が交代した割合を示す『社長交代率』が3.8%の低水準で推移していることである。
社長の『後継者不在率』は、事業承継に関する官民の働きかけが効果をあげたこともあり、近年は改善傾向にあるものの、年齢的に後継者が決まっていることが望まれる70代で28.5%、80代以上で23.2%が後継者不在となっている。加えて、事業承継の計画中止・取りやめる割合は、社長年齢が70代・80代以上と高齢になるにつれて上昇している。事業承継ガイドライン(中小企業庁)には、後継者への移行期間を踏まえると「概ね60歳頃には事業承継に向けた準備に着手することが望ましい」とある。準備の先延ばしにより「経営者の病気、死亡」による倒産リスクは高まり、倒産件数は今後も増加傾向で推移する見込み。
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