ユニセフ事務局長がバングラデシュ訪問、支援拡大の緊急性を訴える【共同プレスリリース】

困窮する難民の最新データ発表

トラックで仮設キャンプに到着したばかりのロヒンギャ難民。(2017年9月12日撮影) © UNICEF_UN0126222_Brownトラックで仮設キャンプに到着したばかりのロヒンギャ難民。(2017年9月12日撮影) © UNICEF_UN0126222_Brown

【2017年10月4日 ダッカ(バングラデシュ) 発】

 バングラデシュを訪れていたユニセフ(国連児童基金) 事務局長アンソニー・レークは、人道問題担当国連事務次長 兼 緊急援助調整官マーク・ローコックと共同で、以下の声明を発表しました。

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 ミャンマーにおける暴力から逃れた難民たちから悲劇の物語を聞き、バングラデシュ政府に対し、国連としてできる限り危機対応の手助けをするという決意を新たにし、私たちはバングラデシュを後にしました。

 バングラデシュ南部で起きているこの人類の悲劇は、その規模においても、複雑さや広がりの速さにおいても類を見ない甚大な災禍となっています。わずか数週間で、50万人をはるかに上回るロヒンギャの人々が国境を越えて移動し、世界で最も急速に拡大する難民危機の一つとなっています。

 難民となった人々は、無秩序に広がる人口密集地で、脆い竹やプラスチックで作られた小屋に住んでいます。こうした環境下で、病気の発生リスクがますます高まっています。さらに、陸路でのアクセスが難しい場所に散在して暮らす難民や、今も移動し続ける難民、仮設住居やインフラ施設設置のための空間の不足への対応など、支援を届けるうえで多くの課題があります。これらの課題を乗り越えて取り組みの継続・強化を可能にするためには、資金を緊急に必要です。

 一刻も早く資金を集め、すべての難民が食料、避難場所、水、衛生施設(トイレ)、保健ケアや保護サービスへのアクセスを手にできるようにしなければなりません。仮設住居の状況は悲惨なものになっています。支援を大きく拡大しなければ、すでに深い苦しみを味わった難民に、ふるさとを逃れたという悲劇に加え、さらなる不幸が降りかかることになるでしょう。

 本日、新たに更新された国連支援計画が発表されました。その中で、難民や受入国に対する支援活動を拡大するために、国連全体で4億3,400万米ドルが緊急に必要だと要請しています。これを受け、国連中央緊急対応基金(CERF)より1,200万米ドルが、新たに到着した難民のための避難場所新設のために割り当てられました。

 下記に発表するロヒンギャ難民に関する数値の一つひとつの向こうに、難民一人ひとりの命があり、その多くは、私たちの支援を待つ子どもたちなのです。

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■ロヒンギャ難民危機に関する最新データ

 以下の統計データは、10月3日にコックス・バザールで開かれた記者会見に基づくものです。
  • 8月25日以来、50万人以上の難民が新たにコックス・バザールに到着した。難民によって占められた土地面積は計960万平方メートルであり、これはサッカー場889個分に当たる。
  • 新たに到着した難民の約6割は子どもで、3割は5歳未満の子ども、7%は1歳未満の乳児である。新たに到着した難民の3%は妊婦で、7%は母乳育児中の女性である。
  • 難民世帯のうち、女性を家主とするのは約5分の1、子どもを家主とするのは5%である。
  • 新たに到着した難民の9割は一日に一食しか食べていないと報告した。新たな難民の流入以前から、食料不安や栄養不良の割合は非常に高くなっている。ボルカリ(Balukhali)キャンプで、栄養不良率はすでに緊急レベルとなっている。5人にひとりの5歳未満の子どもが急性の栄養不良と推定される。
  • 1,600人以上の子どもが家族と離ればなれになっていると特定され、サポートを受けている。
  • 20万人以上の新たに到着したロヒンギャの子どもたちが、教育へのアクセスを必要としている。
  • 難民の半数以上は、保健ケアへのアクセスがない場所で暮らし、3割は水を手に入れることができない。
  • 先週、少なくとも4,790件の下痢症が報告された。世界保健機関(WHO)は、コレラ流行の可能性を警告している。
  • コックス・バザールにいるロヒンギャ難民から訴えのあったジェンダーに基づく暴力(GBV)のうち、半数以上が 性的暴行であった。これは非常に多い数である。
  • 現地での人道支援に対する需要は極めて大きい。毎月約1,500万件の食料配給が必要である。15万人の女性と子どもが、栄養不良を予防・治療するための支援を必要としている。32万人の難民が安全な水と衛生施設へのアクセスを緊急に必要としており、3,000立法リットルの安全な水が毎日必要である。
  • 危機の発生以来、国連およびそのパートナー団体は900万件の食料配給を行い、19万人に緊急シェルターキットを提供し、15万9,000人が保健ケアを受けられるよう支援。400基以上の掘り抜き井戸と3,000基のトイレが建設された。政府は、ユニセフや世界保健機関の協力の下、はしか、風疹およびポリオの予防接種を10万人以上に対して実施した。

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 危機下にあるロヒンギャ難民の子どもたちと家族に、人道支援を届けるユニセフの活動を支えるため、日本ユニセフ協会は『ロヒンギャ難民緊急募金』を受け付けています。

<ロヒンギャ難民 緊急募金>
郵便局(ゆうちょ銀行)募金口座 振替口座:00190-5-31000
口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「ロヒンギャ」と明記願います。 *送金手数料は免除されます。
※公式ホームページでは、インターネットからの募金を受け付けています。
http://www.unicef.or.jp/kinkyu/rohingya/

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■ユニセフについて
 ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
 公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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