博報堂 Woman Wellness Program「女性の外見とのつきあい方とルッキズムに関する意識調査」
15–74歳女性の「ルッキズム」認知度は51%、10–20代では68%に上昇 若年女性ほど外見重視社会の加速を感じつつも、それを否定的に捉えている傾向が明らかに
株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:名倉健司)の、女性の心身の健康にまつわる課題解決を目指す事業をサポートする「博報堂 Woman Wellness Program(以下、WWP)」は、日本国内に住む15–74歳の女性1,034名を対象に「女性の外見とのつきあい方とルッキズムに関する意識調査」を実施しました。
スマートフォンやSNSが日常に浸透した現在、リアルでの対面状況だけではなくカメラやスクリーンを通じても、外見に対する他者の視線を意識する機会が増加しています。自身の外見と向き合うことは、おしゃれなどを通じたエンパワーメントにつながる一方で、コンプレックスといった心身の健康に影響を与えるストレスにもなり得ます。WWPはこのような状況を鑑み、現代社会における「女性の外見」を取り巻く状況や葛藤について理解を深めることが、女性の心身の健康に関わる課題に取り組むにあたり重要であると考えています。本調査では、女性視点での外見に対する意識や行動の実態を定量的に明らかにしました。その主な結果をご紹介いたします。

【調査結果:サマリー】
生活者から見た「ルッキズム」
1. 15–74歳女性の「ルッキズム」という言葉の認知度は51.3%、10–20代では67.5%に上昇する
2. 言葉の意味の認識トップは「外見至上主義」、その対象の認識上位は「顔の造形」「体型」
3. 言葉の説明文*1を呈示後、15–74歳女性の63.0%、特に10代の73.5%が「ルッキズムをなくしたい」と回答
外見に対する意識と葛藤
4. 自分の顔が「好きではない」女性は15–74歳の47.1%、「好き」22.6%の2倍以上
その中で、15–74歳女性の68.1%が「外見全体を磨くことは望ましい」という価値観を持つ
5. 若年女性ほど、外見重視社会の加速を感じつつも、それを否定的に捉えている
外見を整える行動と葛藤
6. 15–74歳女性の79.2%が、生活習慣改善などを中心に、過去1年以内に外見を磨く取り組みを実践
外見を磨くための各種「行動実践」をした女性の6~8割強に、気持ちのポジティブな変化*2が見られる
一方で、外見磨きの「情報収集」で、女性の4割強が気持ちのネガティブな変化*3も経験している
*1 説明文:「ルッキズム」(Lookism)とは、外見に基づいて人を差別したり不平等に扱ったりする、個人の態度や行動、もしくは社会現象のことを指します。外見の良さを過度に重視する価値観を持つことも、そのうちのひとつです。
※参照: 西倉実季. (2021). 「ルッキズム」概念の検討―外見にもとづく差別. 和歌山大学教育学部紀要 人文科学, 71, 147–154.
*2 気持ちのポジティブな変化:「満足した」「前向きな気持ちになった」「幸せな気持ちになった」「自分の外見に対して自信が増した」「外見へのコンプレックスが弱まった」「自分の外見を気にする度合いが減った」「他人と自分の外見を比べることが減った」「他人から自分の外見をどう見られるかを、気にする度合いが減った」「他人の外見を気にする度合いが減った」のいずれかor複数を選択
*3 気持ちのネガティブな変化:「自分の外見に対して自信が減った」「外見へのコンプレックスが強まった」「自分の外見を気にする度合いが増えた」「他人と自分の外見を比べることが増えた」「他人から自分の外見をどう見られるかを、気にする度合いが増えた」「他人の外見を気にする度合いが増えた」のいずれかor複数を選択
【調査概要】
調査手法 :インターネット調査
調査対象者:女性15–74歳 1,034名
※年代ごとに均等回収し、人口動態に合わせてウェイトバック

調査地域 :日本全国
調査時期 :スクリーニング調査 2025年2月5日(水)〜6日(木)
本調査 2025年2月7日(金)〜10日(月)
調査委託先:QO株式会社
【博報堂Woman Wellness Programについて】
女性の心身の健康課題に着目し、女性たち一人ひとりが長く心地よく生きていくことができる社会を目指して、クライアント企業の関連する事業・サービスなどの支援を行うプログラム。マーケティング、ブランディング、PR、ビジネス開発、クリエイティブ、研究開発などの専門性と、女性特有の心身の健康課題に関する知識を併せ持つ社員で構成。社外のコミュニティや有識者の協力を得るマルチステークホルダー型で、女性の心身の健康課題に関わる事業・サービス開発支援、マーケティング支援などを行います。
プログラムの概要はこちら: https://www.hakuhodo.co.jp/news/info/112845/
【調査結果:詳細】
■「ルッキズム」の認知度〈サマリー1の詳細〉
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15–74歳 女性における「ルッキズム」という言葉の認知度は51.3%。
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年代が若くなるほど認知度が上昇し、10–20代を合わせた集計では67.5%に達する。

■ 生活者から見た「ルッキズム」の意味〈サマリー2の詳細〉
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言葉の認知者の間での、「ルッキズム」の意味の認識は、「外見至上主義/外見の良さの過度な重視(45.8%)」を筆頭に、「外見に基づく偏見や差別(38.1%)」「見た目を基準にして誰かが優遇されること(38.1%)」「見た目を基準にして人の価値を判断する世の中の空気(35.0%)」が上位。

■ 生活者から見た「ルッキズム」の対象〈サマリー2の詳細〉
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説明文*1を読んでから、ルッキズムにあたる事象の存在を知っていると答えた回答者の間での、ルッキズムの対象の認識上位は、複数回答では「体型(87.0%)」「顔の造形(75.7%)」「顔のメイク(61.4%)」「歯の見た目(55.1%)」など。単一回答では、「顔の造形(48.3%)」が突出。

■「ルッキズム」をなくしたいと思うか〈サマリー3の詳細〉
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説明文*1の呈示後、15–74歳女性の63.0%が「もしできるならルッキズムをなくしたい」と回答。
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10代の関心が最も高く(72.5%)、50代にかけて関心が下がり、60–70代にかけて再び関心が高まる(68.1%)。

■ 自分の「外見」に対する好意度〈サマリー4の詳細〉
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「身体」の全項目で、「好き」「どちらともいえない」よりも「好きではない」の方がスコアが高い。
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「好きではない」上位は、「歯の見た目(58.0%)」「体型(53.6%)」「髪の状態(47.4%)」「顔の造形(47.1%)」。
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外見を代表する「顔の造形」を見ると、「好きではない」は47.1%で、「好き」22.6%の2倍以上。

■「外見」を整えることは望ましいか〈サマリー4の詳細〉
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ほぼ全ての項目で「手をかけて、より良い見た目になるよう整えるのが望ましい」が6割を超え、「外見全体」で68.1%、最も低い「顔の造形」でも57.5%。
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「外見を磨くことは望ましい」という価値観が広く共有されていることがうかがえる。

■「人間の見た目の良さや美しさが重視される社会」についての考え〈サマリー5の詳細〉
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30代以下において「以前より、人間の見た目の良さや美しさが重視される傾向が強まっている」と感じる人の割合が相対的に高く、「10代(70.2%)」が突出し、「30代(59.6%)」「20代(59.0%)」が続く。
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それを「否定的」に捉えている割合も、「10代(50.3%)」が最も高く「20代(38.6%)」が続き、30代以降の2割台よりもスコアが高い。

■「外見」をより良く整えるための取り組み(過去1年以内)〈サマリー6の詳細〉
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15–74歳女性の79.2%が、過去1年以内に「外見をより良く整えるための取り組み」を実践している。
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カテゴリー別の取り組み上位は「生活習慣(52.5%)」「サロンケア・エステ(42.7%)」「セルフケア(41.4%)」。
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10–20代は他の世代よりも10ポイント以上スコアが高いカテゴリーが多い。

■「外見」をより良く整えるための取り組みによる、気持ちの変化〈サマリー6の詳細〉
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「行動実践」は全般的に気持ちのポジティブ変化が大きく、「メディカルケア(85.8%)」「ファッション・ヘアメイク(79.9%)」「サロンケア・エステ(75.8%)」「運動・フィットネス(74.3%)」で7割を超える。
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「メディカルケア」は、「外見へのコンプレックスが弱まった(34.4%)」「外見に対する自信が増した(34.3%)」「外見を気にする度合いが減った(24.7%)」など、気持ちを前向きにする力が相対的に強い。
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「情報収集」のみ、対になる項目(例:自信が増した↔︎減った)の全てにおいて、ネガティブと捉えうる方の項目の反応率が高く、「気持ちのネガティブ変化」をもたらす傾向が相対的に高い。

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