深刻な危険に晒されるロヒンギャの子どもたち~ミャンマーでの暴力開始から2カ月【プレスリリース】

膨れ上がる難民の数とニーズに人道支援追いつかず ユニセフ、資金不足訴える

公益財団法人日本ユニセフ協会

疲れて道端で眠る10歳の男の子。(2017年10月17日撮影)© UNICEF_UN0137004_LeMoyne疲れて道端で眠る10歳の男の子。(2017年10月17日撮影)© UNICEF_UN0137004_LeMoyne

※本信に関連する画像・映像は、 https://weshare.unicef.org/Package/2AMZIFIO0F79 からダウンロード頂けます。

【2017年10月23日 ニューヨーク/ジュネーブ/ダッカ(バングラデシュ)発】

ミャンマーからバングラデシュに大勢のロヒンギャの家族が逃れ始めてから2カ月近く経つものの、いまだに何千人もの子どもと女性が生きるために必要な基本的サービスを受けられていないと、本日ユニセフ(国連児童基金)は発表しました。

ユニセフは、深刻な資金不足が続く危機への支援を募るために各国政府と人道支援諸機関がジュネーブで会する支援国会合に合わせて、この警鐘を鳴らしています。

「ロヒンギャ難民危機は、治まる気配がありません」とユニセフ・バングラデシュ事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデル(Edouard Beigbeder)は述べました。「難民たちと彼らを受け入れているコミュニティのニーズは、私たちの支援能力をはるかに超えて急増しています。私たちには今すぐ更なる資金が必要です」

コックス・バザールでは、今回ミャンマーから逃れてきたロヒンギャ難民、以前から難民としてこの地に身を寄せる人々、および彼らを受け入れているバングラデシュの脆弱なコミュニティに暮らす人々、合わせて120万人近くが人道支援を必要としています。そのうち約72万人は子どもたちです。

今回新たに難民となった27万人を含む、ロヒンギャの4歳から18歳の子ども推定45万人が教育支援を必要としています。

重度の栄養不良に陥っている子ども1万7,000人近くが、入院あるいは通院での治療を必要としており、妊婦および授乳中の母親12万人が栄養補助食品を必要としています。
 

水田の汚れた水を飲む子どもたち。(2017年10月16日撮影) © UNICEF_UN0136996_LeMoyne水田の汚れた水を飲む子どもたち。(2017年10月16日撮影) © UNICEF_UN0136996_LeMoyne

難民が暮らす仮設住居区では、水、トイレなどの衛生施設が極端に不足しており、トイレは平均して100人で1基を共有している状況です。

「現在の仮設住居の過密状態と劣悪な衛生環境からすると、バングラデシュに常在するコレラや急性水様性下痢症が流行すれば、そこに居住する何千もの人が命を落とす恐れがあります」(ベイグベデル)

以前からの居住者と今回の難民の間ではしかの症例が報告されています。ユニセフは、受け入れコミュニティの子どもたちも含めて、定期予防接種の予定を急いでいます。

また、精神的に不安定で子どもたちの世話をできない親や養育者がいるという報告があります。若者たちの多くは、配給の手伝い、まきの収集、高齢の親戚や兄弟の世話などのこれまでにない役割を担っています。子どもが家長となった世帯の下で、少なくとも900人の子どもたちが暮らしています。

ユニセフは、パートナー団体と協力して、弱い立場にある子どもたちの命を守る支援を提供しています。

ユニセフの8月25日以降の活動:
  • ユニセフとパートナー団体は、5万人近くの5歳未満児を対象に栄養不良の検査をし、重度の栄養不良に陥った1,500人以上を発見し、ほぼ全員に治療を提供
  • はしか、風疹およびポリオの予防接種キャンペーンに合わせて、6カ月から59カ月の子ども約6万9,000人に対して、ビタミンA錠剤を提供
  • 妊婦および授乳中の女性7,500人近くに対して、乳児・幼児の栄養不良を減らすために重要な食事の与え方に関する情報を提供
  • 10月10日からコレラの予防接種キャンペーンを開始し、1歳から5歳児18万人を含む70万人以上の人々に接種。11月初旬から第2期の予防接種キャンペーンを開始し、難民キャンプで急速に流行し死に至る可能性のあるコレラの予防接種を子ども18万人およびポリオの予防接種を子ども22万人に接種予定
  • ユニセフとパートナー団体は、12万8,000人に飲料水を、19万人に衛生サービスを、3万7,000人に衛生キットおよびポリタンクを提供
  • 106カ所の子どもにやさしい空間で、3万5,000人以上の子どもに心理社会的ケアを提供
  • ユニセフは、新たな難民8,500人を含む2万2,000人の子どもたちに、学習の機会を提供

難民たちのニーズは膨大かつ増加し続けているものの、資金は極端に少ないままです。ユニセフが危機の影響を受けている子どもと女性の命を守るための人道支援に必要な資金7,600万米ドルのうち、獲得できているのはわずか11%です。

* * *

■   本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
本信の原文は、 https://www.unicef.org/media/media_101148.html からご覧いただけます。

■本信に関連する画像・映像は、 https://weshare.unicef.org/Package/2AMZIFIO0F79 からダウンロード頂けます。

* * *

 危機下にあるロヒンギャ難民の子どもたちと家族に、人道支援を届けるユニセフの活動を支えるため、日本ユニセフ協会は『ロヒンギャ難民緊急募金』を受け付けています。

<ロヒンギャ難民 緊急募金>
郵便局(ゆうちょ銀行)募金口座 振替口座:00190-5-31000
口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「ロヒンギャ」と明記願います。 *送金手数料は免除されます。
※公式ホームページでは、インターネットからの募金を受け付けています。
http://www.unicef.or.jp/kinkyu/rohingya/

* * *

■ユニセフについて
 ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
 公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

101フォロワー

RSS
URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
-
設立
-